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【横浜DeNA】2020年オフ、外国人選手の去就はどうなる?

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シーズンも終わりに近づき、来季へ向けての動きがにわかに始まってきました。DeNA支配下登録で外国人選手を6名抱えており、今シーズンも彼らの活躍は小さくありませんでした。彼らが来季も残留するのか、それとも流出してしまうのか、現状の情報から去就を予測してみたいと思います。
 

現在の球団の外国人選手事情

今シーズンはコロナの影響で試合数が減少、特に観客動員数が激減し、球団の主な収益がどの球団も大幅減少してしまいました。これによってオフになかなか大きな補強へ踏み切れなかったり、既存の選手たちの年俸削減や放出などを行って運営を立て直そうとする球団は多いと思います。

その中でDeNAの外国人選手に対しての年俸を見てみます。

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近年のDeNA在籍外国人選手の年俸を見ると、年々上昇してきていて特に2020年はここ数年で最高金額になっています。今年はこの最高金額の状態で、コロナという球団運営に最大の打撃を与えるシーズンになってしまい、金銭的に大打撃を受けたと思われます。内部の事情は分からないですが、来季もこの金額を維持・上積みすることは素人目で見てもはっきり言って不可能でしょう。選手への減俸か流出は避けられないです。

これらを踏まえて、DeNAに在籍している外国人選手の去就について予想とまとめてみました。

 

エドウィンエスコバー投手(28)

残留確実

まず、残留が確定している選手としてはエスコバーがいます。エスコバーは2021年までの2年契約になっていて、来季も残留することは確実です。今季56試合に登板して防御率2.33 17ホールドの結果を残し、殆どフル回転で安定して活躍したエスコバーの残留はチームとしてまず安心材料になるでしょう。契約中なので年俸が上がることも無く、球団としても助かりますね。

エスコバーは2017年のシーズン途中に日本ハムから移籍してきており、その後2020年までの4シーズンでDeNAで投げています。現在通算70ホールドになっており、来季には100ホールド達成もかかっていますし、年齢は現在28歳でまだまだ衰えなく活躍を期待できるでしょう。

 

スペンサー・パットン投手(32)

流出濃厚(MLB復帰)

エスコバーとは逆に、流出がほぼ確定的なのがパットンです。

11/7のスポーツ紙でパットンに対してMLB複数球団が興味を示しているという記事が出ました。

MLBは今季コロナの影響でシーズン60試合しかできず、マイナーリーグは中止になってしまいました。こうなるとMLB球団としてはマイナーリーグから昇格させる選手の見極めが難しいため、海外で結果を残している選手を獲得する手段に出る可能性が高いです。パットンに対してMLB複数球団が興味を示しているのも、まさにこの影響があってのことでしょう。パットンは今季防御率こそ4.92ですが、登板数はリーグ最多の57試合で10月は14試合に登板し防御率1.98という成績を残しました。ここに注目したMLB球団が獲得に動けば、パットンとしてはMLB復帰へのチャンスとなりますし、DeNAとしてもこれ以上高い年俸にはできない事情もあって流出は避けられないでしょう。

これもあって、パットン本人もツイッターで今季で最後になるかもしれない旨の内容と、これまでの感謝を述べたツイートを載せています。

内容から察するに、水面下でMLBからオファーが既に来ているものと思われ、本人も復帰の意志が強いことからDeNAファンへ向けてこうしたメッセージを送ったものだと考えられます。戦力的に痛手ではありますが、正直残留はもう難しいと考えた方が良いでしょう。1ファンとしては4年間しっかり戦力となって働いてくれたのもあり、100ホールドという記録も打ち立てましたし、感謝して快く送り出したい気持ちです。

 

タイラー・オースティン選手(29)

残留濃厚(来季契約内容調整中)

今季からDeNAに入団したオースティンについては11月に入ってスポーツ紙の記事で、球団がソトと共に残留交渉を行うことが記載されていました。記事の真偽は定かではありませんが、ソトもオースティンも今季はチームで大きな活躍をした選手で、球団が2人とも残留させたい思惑があるのは当然だと思われます。

しかしオースティンに関しては契約時に2年目のオプションも盛り込んでいるという話もあります。これについてはオースティン契約時にMLBの関係者がその旨をツイートしていました。

 ここに記載されている「club option」というのが、契約年が完了した後にクラブ側に更新するかどうか決める選択権があることを指していて、つまりオースティンの場合はDeNA側が契約を更新するか決めることができるということでしょう。なのでオースティンは残留が濃厚で、現在交渉中というのはおそらく複数年契約や、更なるオプション付加についての交渉ということだと思われます。

オースティンは今季怪我によるシーズン途中の離脱が多発していて、それさえ無ければ本塁打王争いにも十分入っていけるだけの結果を残せていました。来季も残留ならライト・ファーストなどでシーズン通してレギュラーで活躍することが期待されているでしょう。

 

ネフタリ・ソト選手(31)

去就未定(交渉中)

オースティンと共に残留交渉を行っているとされているソトについては、正直なところ現状で去就は不明になっています。ソトは2018年からDeNAに在籍していて今年で3年目ですが、過去2年では本塁打王のタイトルを獲っており、今季はやや成績を落としたものの現状でチームトップの本塁打数で、リーグの本塁打ランキング5位に入っています。

ソトの年俸は現在推定で18500万となっていて、昨年までと比較すると成績や出場試合数が落ちているので、据え置きか減俸かの交渉になるかと思われます。なので仮に他球団でこちらよりも高い年俸を提示された場合、交渉は難航するでしょう。

球団としては成績が落ちている選手に2億前後の金額を提示するのは難しいと思いますし、もし交渉が長期化するぐらいならソトの残留を諦め、1億前後の新たな外国人選手の補強に動く可能性はあり得ます。ソトはおそらく来季一塁・二塁のポジションを守る可能性が高かったので、新外国人候補は一塁手の長距離砲か内野のユーティリティ選手になってくるでしょう。

現状ではまだ未定なので、今後の動きに注目ですね。

 

マイケル・ピープルズ投手(29)

去就未定(交渉不明)

ピープルズ投手は今のところ、来季の去就が分かっていません。交渉中との情報も見当たらず、1軍では9/17での登板が最後になっており、残りの試合でもおそらく登板は無いと思われます。

今季は1軍で9試合に登板しましたが、先発で7試合に登板し2勝2敗 防御率5.45となっていて、なかなかアピールができませんでした。

ピープルズは外国人の中で唯一の先発でしたが、来季は今永・東が開幕から復帰できるか微妙で、そのためにドラフトで入江を1位指名したことなどを考えると、外国人先発を1人は必要と考えている可能性は高いです。そのためピープルズが先発の一員として必要と考えれば残す可能性はありますが、逆にピープルズよりも結果を残せそうな先発を獲得できそうなら、そちらを獲得してピープルズを放出する可能性もあるでしょう。

外国人先発を重視するのなら、おそらく既に獲得候補の外国人と交渉していてピープルズ残留は難しくなるでしょう。逆にそこまで重視していない場合、ソト、オースティンの去就が決まってからになるため、ピープルズの去就発表は遅くなると思われます。

どちらにせよ、ピープルズはやや難しい立場になりそうですね。

 

ホセ・ロペス選手(36)

去就未定(交渉中)

ロペスは今季でFA権を取得し、来年から日本でプレーする場合は外国人登録を外れます。DeNAでは2015年から6年間プレーし、今季は日米通算2000本安打を達成するなど、大打者としての結果を残しました。今季のシーズン成績は昨年から下がっていて、衰えが見えてきていますが、それでもシーズン2桁本塁打を打てるパワーは健在で10月には1ヵ月で7本もホームランを打ちました。

そのロペスは11/6に帰国していますが、来季も横浜でプレーしたい旨のコメントを残しています。

なのでこれから球団と交渉すると思われますが、DeNAでこれだけ実績があり来季日本人登録となるので、球団としてもおそらく残留させたい思いがあるでしょう。ただ、ネックなのが年俸で、現在の15000万から下がるのは確実です。減俸提示をロペス側が飲むかどうかの交渉になってくるでしょう。

ロペス側としても来年37歳になり、今季の成績低下を考えるとMLB復帰は難しく、他球団からのオファーがあったとしても、そこまで好条件を出してくるところは少ないでしょう。減俸での残留が1番良いと、ファンとしては希望的観測を持ってしまいますが、交渉の行方次第ですね。

 

育成選手登録の外国人選手たちについて

DeNAで育成選手登録となっている外国人もいます。

レミー・コルデロ投手(22)

ジョフレック・ディアス投手(21)

フランディー・デラロサ選手(24)

彼らについては来季契約の情報はまだ出ていませんが、彼らは全員年俸240万で、まだまだ若くて育成中の選手ということを考えると、放出する可能性は低いと思っています。コルデロ投手は来年3年目になるので支配下登録がかかるシーズンとなり、来年オフに支配下登録か、放出かの判断に迫られるでしょう。

 

以上がDeNAに現在所属している外国人選手の去就について、現段階での予測になります。

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