データで語るドラフト・育成論

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【プロ野球】2022年現役ドラフト指名結果

NPB初の現役ドラフト開催

2022年12月9日(金)、NPBで初の試みとなる「現役ドラフト」が行われました。

いわゆる現役選手を対象にしたドラフトで、各球団から最低1名以上は他球団へ移籍するというルールの下で行われました。

どの選手が指名対象のリストに載っているのかや、当日の現役ドラフトの動きについては全て非公開で、17時を過ぎた時点でNPBより指名結果が公表されました。

 

 

 

 

 

その結果がこちらです。

ルール上では希望球団のみ2巡目の指名も可能でしたが、今回は初めてということもあって各球団慎重になり、2巡目を希望する球団は無かったようです。

指名選手の2022年成績

指名された選手の2022年の成績は以下の通りです。

投手成績

打撃成績

 

各球団の指名順

指名順は本来非公開でしたが、一部スポーツ紙に掲載されていた情報によると日本ハムが1番目の指名権を取得していたようです。

日本ハムは西武の若手投手の松岡を指名し、西武が阪神の陽川を指名、という流れで進んでいました。

 

 

 

 

各球団の指名・放出理由の考察

ヤクルト

指名:成田 翔 ロッテ 投手(左投)
放出:渡邉 大樹 外野手(右打)

成田は今季、ロッテ2軍で46試合に登板して防御率2.27と安定。

ヤクルトは右のリリーフは多いが左がやや不足しているため、2軍でリリーフとして実績があり、更に若い成田はチーム事情に合致した。

ドラフトで外野手を2人指名しており、渡邉はこのままだと埋もれる可能性があったため放出したと考えられる。

 

DeNA

指名:笠原 祥太郎 中日 投手(左投)
放出:細川 成也 外野手(右打)

笠原は2018年に1軍で108イニングを投げ先発としての実績のある左腕で、先発もリリーフもこなせる利点がある。

DeNAは先発5番手以降が不安定なのと、左のリリーフが不足しているためその両方を担える笠原がチーム事情に合致した。

細川はここ数年2軍では文句なしだったが1軍では結果を残せず、チーム内では他の若手外野手が育ってることもあって放出したと考えられる。

 

阪神

指名:大竹 耕太郎 ソフトバンク 投手(左投)
放出:陽川 尚将 内野手(右打)

大竹は今季ファームで14試合 78回1/3を投げて防御率2.87と非常に安定。

阪神の1軍先発は左投手が伊藤のみで、先発左腕が欲しいチーム事情に合致した。

陽川は長打力が売りで外野の両翼を守っていたが、ドラフト1位でスラッガーの森下を獲得したこともあって、ポジションや役割が被るため放出したと考えられる。

 

オリックス

指名:渡邉 大樹 ヤクルト 外野手(右打)
放出:大下 誠一郎 内野手(右打)

渡邉は打撃面では波があるが、外野のどのポジションも守れる守備力と足があり、今季は守備固め・代走要員として起用されていた。

オリックスはチームの主砲の吉田正尚がメジャー挑戦するため来季から外野が流動的になる。控え含めた外野の層を厚くしておきたいチーム事情に合致した。

大下は打撃の良い内野手だが、三塁は宗がレギュラーを獲り、ドラフトで内藤を獲得したこともあって2軍でも起用も難しくなったため、放出したと考えられる。

 

ソフトバンク

指名:古川 侑利 日本ハム 投手(右投)
放出:大竹 耕太郎 投手(左投)

古川は今季1軍でリリーフとして34試合に登板し、1軍戦力として計算できることをアピールした。

ソフトバンクは今季防御率は良かったが、先発のQS率は悪くリリーフに大きく負担がかかっていた。古川はそのリリーフをケアしたいチーム事情に合致した。

大竹は先発左腕だが、ローテには既に若手の大関が定着していて、ドラフトで即戦力先発の大津も獲得したことで起用機会が減ると想定されて、放出したと考えられる。

 

西武

指名:陽川 尚将 阪神 内野手(右打)
放出:松岡 洸希 投手(右投)

陽川は1軍経験豊富な内野のスラッガーで、今季は少ない打席数ながら打率.294 1本塁打 OPS.778という結果を残した。

西武は森友哉がFA移籍して打撃力のダウンが心配されるところで、長打力のある陽川は打撃を補うためにも必要な存在だ。

松岡はまだ22歳で伸びしろある若手投手だが、将来性を評価する球団があると考えて放出したと考えられる。

 

 

 

巨人

指名:オコエ 瑠偉 楽天 外野手(右打)
放出:戸根 千明 投手(左投)

オコエ楽天からドラフト1位で指名された身体能力抜群の外野手で、2軍で打率3割超えの結果を残した。

巨人はドラフトで浅野・萩尾と外野手を指名したが、補強ポイントの外野手に更に選手を補強して競争意識を煽るためにオコエを指名したと思われる。

戸根は一時1軍で左のリリーフとして活躍したが、30歳になったこともあり他球団なら左のリリーフの需要もあると、放出したと考えられる。

 

広島

指名:戸根 千明 巨人 投手(左投)
放出:正隨 優弥 外野手(右打)

戸根は2015,16年には1軍で40試合以上登板した実績がある左のリリーフ。

広島は左のリリーフには森浦がいるが、2年連続50試合以上登板して負担が大きいため、疲労分散のために戸根を指名したと考えられる。

正随はパンチ力ある右の強打者だが、守備面が弱点でなかなか1軍に昇格できなかったため、放出したと考えられる。

 

中日

指名:細川 成也 DeNA 外野手(右打)
放出:笠原 祥太郎 投手(左投)

細川はここ数年2軍で2桁本塁打OPS.800以上を継続している右の長距離砲。

中日は打撃力が弱点で長距離砲が不足しているため細川を指名したと考えられる。

笠原は一時は1軍で先発定着していたが、現在1軍先発が充実していてなかなか昇格チャンスが無いため、放出したと考えられる。

 

楽天

指名:正隨 優弥 広島 外野手(右打)
放出:オコエ 瑠偉 外野手(右打)

正随は2軍で長打を量産するパワーある外野手。

楽天は2軍で2桁本塁打を打てる長距離砲が和田恋しかおらず、ドラフトでも投手中心だったため、強打の正随を指名したと考えられる。

オコエはドラ1で将来のレギュラーが期待されていたが、伸び悩みもあって環境を変えた方が本人のためとして、放出したと考えられる。

 

ロッテ

指名:大下 誠一郎 オリックス 内野手(右打)
放出:成田 翔 投手(左投)

大下はなかなか1軍に上がれなかったが三塁を守れて長打力ある内野手

ロッテは1軍のサードに安田が定着しているが、2軍ではなかなか打撃の良い右打ちの内野手がおらず、バランスを考えて大下を指名したと考えられる。

成田は今季2軍でリリーフとして活躍したがここ数年1軍に定着できず、環境を変えた方が活躍の可能性があると、放出したと考えられる。

 

日本ハム

指名:松岡 洸希 西武 投手(右投)
放出:古川 侑利 投手(右投)

松岡は1軍実績は無いが、まだ22歳と若く今季の後半戦では安定していた。

日本ハムはリリーフの防御率が悪く、将来的にも期待できる投手を確保したいため、松岡を指名したと考えられる。

古川は今季1軍で30試合以上登板していたが、伸び悩みも見られたため若い投手との交換ということで、放出したと考えられる。

 

 

 

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