2021年へ向けて、選手1人ずつにそれぞれ期待することを書いていきます。今回は今永 昇太 投手です。
2020年の振り返り
今永は2015年ドラフトで1位指名された駒沢大出身の投手です。力強い直球とキレのあるスライダーを投げ奪三振能力が高く、先発完投できるスタミナもあり、完成度の高い投手としてドラフト時から注目を集めていました。ドラフト1位級の実力を元々持っていましたが、大学4年に左肩を故障したことで不安視した他球団はドラフトで1位指名を回避し、結果DeNAが単独で指名することができました。
入団1年目から1軍ローテで活躍し、22試合 135回1/3 8勝9敗 防御率2.93 QS率72.7%という、2桁勝利こそ逃したものの先発ローテとして文句無しの結果を残しました。
2年目も安定した成績で24試合 148回 11勝7敗 防御率2.98 QS率58.3%という結果で、1年目にできなかった規定投球回と2桁勝利到達を達成。非常に順調な状態が続きました。この活躍でシーズン終了後にアジア大会の日本代表メンバーに選ばれ、先発・リリーフで登板して活躍もしました。
3年目は日本代表の試合後にDeNAに復帰してきてそのままシーズンが始まりましたが、オフに代表で出場していたことの影響が出たのか、シーズンが始まると左肩の状態を悪くしてなかなか状態が良くなりませんでした。球威が落ちて打ち込まれる試合が増え、5回を投げ切ることも難しい状態が続きました。ラミレス監督はこの状態を何とかしようとリリーフへ配置転換したりもしていましたが、それでもあまり状態は良くならず、終わってみると23試合 84回2/3 4勝11敗 防御率6.80 QS率18.8%という自己ワーストの成績となりました。
シーズン終了後、今永は投球を見直すためにオーストラリアへの派遣を志願。ここでしっかり結果を残して、以前の球威が戻るようになってきました。
4年目の今永は自身の投球を完全に取り戻すようになります。春季キャンプ中から絶好調の状態をアピールして開幕投手の座を掴むと、そこから10試合連続QSを達成し安定感抜群の投球を見せつけます。調子の良い状態をその後も維持しシーズン中に完封試合を3つも達成し、終盤にはタイトル争いにも絡んでいました。結局タイトル獲得こそ無かったですが、25試合 170回 13勝7敗 防御率2.91 QS率68%という結果で、投球回・勝ち星・防御率などでキャリアハイの成績を残しました。
そして迎えた2020年の5年目、今永は開幕から安定した成績を残してローテに定着していましたが、8/15の登板で4回途中6失点という結果で降板します。この後球団から今永の左肩の状態が良くないことが発表され、登録抹消となりました。結局これが2020年ラストの登板となってしまい、その後ずっと今永は2軍生活となります。
左肩の状態がなかなか良くならないことからとうとう、10/5に左肩のクリーニング手術を行いました。肩の手術ということでファンを大きく不安にさせましたが、シーズン終了後の今永の話だと、肩の外側の骨を綺麗にするということで、複雑な関節部分の手術では無いことから、早期の復帰が可能であるということでした。医師との話ではオフに投球練習を再開できる状態にまでになりましたが、今永自身の判断から投球練習は控え、キャッチボール程度にして回復に専念させています。この辺りは今永自身が自分の状態や、寒い時期の投球練習があまりメリットが無い点などを考えて取り組んでいるようで、自己管理がしっかりできていると言えます。
おそらく2月のキャンプインから投球練習の再開はできると思いますが、ここでもあまり無理せず開幕に照準を合わせずに、自分の状態を確認しながら完全復活に向けて取り組んで欲しいですね。
2021年に期待すること
肩の状態が第一なので現時点では開幕からローテという期待はしていませんが、復活して元気な姿を見せて欲しいという想いはあるので、交流戦前後ぐらいからの復帰を期待しています。三浦監督も今永に対して無理はさせないとしつつも、復活してもらわなければ困るとも話していて、戦力として考えているのは確かです。
そうした状態を踏まえて期待する成績は「15試合 100回 防御率2.50 QS率70% WHIP1.00」です。
規定投球回には届きませんがシーズンの半分以上に登板し、内容は2019年の状態並みの復活を期待しています。チーム内の先発でも長いイニングを投げた実績があるのは今永ぐらいですし、しっかり投げてもらいたいので余計に完治させることに専念してもらいたいです。ここまでの結果を残せれば三浦監督としても助かるでしょうし、先発の立て直しをすることが可能になるでしょう。
今永はまだ27歳でこれからも長く活躍して行ける力を持っています。肩の手術という難局を迎えましたが、ここを乗り越えることができれば今永のパフォーマンスは更に高く発揮できるようになるでしょうし、エースとして再起することを楽しみにしています。
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