2020/11/18 横浜DeNAは来季の2軍の監督に、元横浜で現在野球解説者の仁志敏久氏が就任することを球団公式HPで発表しました。
経歴・人物
仁志氏は元々は巨人の選手でしたが、2006年オフにトレードで横浜に移籍し、その後3年間チームでプレーしました。短い期間でしたが、セカンドでレギュラーを獲って1・2番を任されることが多く、巧打好守のリードオフマンとして活躍しました。
横浜退団後はアメリカの独立リーグに所属しましたが、そこで右足の怪我が悪化し、現役引退となりました。
引退後は米独立リーグの臨時コーチや、日本の野球解説者、筑波大学大学院修了、侍ジャパンの内野守備走塁コーチなど多岐に渡って活躍し、現在は野球解説者と江戸川大学の客員教授に就任しています。
NPBの球団に所属しての監督・コーチ経験は無いですが、多彩な経験を持ち、客観的な視点からチームの課題を明確にし、対応できる手腕を有しているのは明白です。現役時代は三浦新監督と一緒にプレーした経験もありますし、チームへの馴染みも深いです。この仁志氏にDeNA2軍監督の白羽の矢が立ちました。
課題
仁志氏の経歴を考えると唯一懸念があり、それはやはりNPBの球団での監督・コーチ経験が無いことです。そしてDeNAの2軍監督という立場はフロントとの連携をおそらく他球団以上に密に行わなければならない役職で、調整していく力も求められるでしょう。
こういった役職なので、DeNAの過去の2軍監督は内部異動で就任していました。生え抜きでも無く、異動でもない外部からの就任というのは仁志氏が初めてになります。この辺りはサポートできる人を据えて、仁志2軍監督の仕事が円滑にできるようにする必要はありそうです。
まだ全コーチングスタッフの正式発表がされていないため、誰がサポート役になるのかは不明ですが、今季2軍総合コーチを務めて三浦2軍監督のサポートを行っていた万永氏が適任ではないかと考えます。
万永2軍総合コーチはちょうど現在フェニックスリーグで指揮を執っており、仁志氏も合流してベンチ入りする予定となっているので、今のうちに意思疎通をとって来季の2軍運用について協力して進めていけるようになると良いですね。
期待
仁志新2軍監督に期待することとしては、やはり現役時代にセカンドで巧打・好守で活躍していたように野手陣のレベルアップを求められていると思います。
2軍には2019年ドラフト1位の森を始めとして、伊藤裕・田部・知野・細川・宮本・蝦名・山本・益子・東妻・牧・小深田など今後の成長が楽しみな若手が沢山います。ただ彼らもまだ1軍で活躍するにはそれぞれ攻守で課題があり、1軍に昇格したもののなかなか定着できずにいる選手が多いです。こういった選手たちをどうやって1軍定着できる戦力に育て上げるかは、今後のDeNAにとって最も重要な課題といっても過言では無く、仁志氏の育成には期待がかかっています。
また、投手についても若手が多いチームですので、多彩な経験をしてきた仁志氏ならではの視点や指導で、投手陣にも良い影響が出て欲しいです。
来季は仁志2軍監督の指導で若手がどんどん成長していくのを期待したいですね。