2020年東京オリンピックが終了しました。
今回のオリンピックでは日本開催ということもあり、2008年の北京五輪以来に野球が競技として復活しました。
その中で日本はグループリーグを3-0で勝ち抜き、決勝トーナメントでも1度も負けることなく宿敵である韓国やアメリカを倒して優勝・金メダルを勝ち取りました。
国際大会では2009年のWBC以来の優勝になりますし、快挙と言えます。
今回日本が金メダルを獲得できたのは、自国開催という点で有利な面もあったと思いますが、代表選手を専攻し、起用・采配を行った稲葉監督の力量も大きかったと言えるでしょう。
代表メンバー専攻では、田中将大・坂本勇人・山田哲人・山﨑康晃ら代表経験豊富なメンバーを揃えていましたが、そのメンバーの中にプロ1年目の伊藤大海や栗林良吏や、高卒4年目の村上宗隆も入っていました。
経験豊富さと若さを取り入れたメンバー構成で、稲葉監督の特色が表れています。
こうした選考は一部で批判もありましたが、結果的に準決勝・決勝で大きな活躍を見せたのがセットアッパー・抑えを任された伊藤と栗林だったり、決勝戦で本塁打を放った村上でした。
稲葉監督が抜擢した選手たちによって優勝・金メダルを手にすることができたわけで、これは稲葉監督でなければできなかったことでしょう。
2020年開催だった場合、伊藤や栗林はプロ入り前なのでメンバーに入っていなかったでしょうし、1年伸びた後でもしっかりとメンバー専攻を行ってきたことが結果に表れました。
その稲葉監督は今大会を最後に代表監督を勇退する意向を表しています。
個人的には、12年ぶりに国際大会で優勝に導いた監督は稀有な存在ですし、年齢もまだ若いので長く続けて欲しかったですが、本人の決断ということなら受け入れるしか無いですね。
こうなると次回の国際大会の監督が誰になるのか、気になるところでしょう。
次の大会は2023年の開催が有力視されているWBCですが、そこまでにまたメンバー選考や強化試合を組んでいく必要がありますし、人選を進めていく必要があります。
この代表監督については、球団監督経験者が良いのか、それとも今回の稲葉監督のような監督未経験でも能力で抜擢する方が良いのか、意見が分かれるところだと思います。
球団監督経験者にもメリット・デメリットがあると思いますので、考察してまとめてみました。
【球団監督経験者のメリット】
・采配を揮った経験と実績があり、その経験を活かせる
・現場を経験して、選手を見ているので選手の実力を把握しやすい
・監督経験者ということで周囲を納得させやすい
【球団監督経験者のデメリット】
・一戦必勝の短期決戦の経験が少なく、シーズンを勝ち抜く采配とは違いがある
・与えられたメンバーで戦う現場監督と、1からメンバーを考える代表監督の違い
・現役の監督の場合、シーズン途中で代表監督を務める必要があり集中しにくい
このように挙げてみましたが、分かりやすく分類するとメリットとしては経験を活かせる点で、デメリットとしては球団監督との勝手の違いという点だと思います。
ただ、どちらの監督だったとしても結果を残せる可能性は十分にあり、現に2009年のWBCでは巨人の監督をしていた原監督が采配を揮って優勝しましたし、今回の東京五輪では球団監督未経験の稲葉監督が金メダルを勝ち取りました。
「現場経験が無いといけない」だったり「特定球団の色が出てはいけない」というような考えは却って逆効果になりますし、フラットな考えで能力重視で選んだ方が良いでしょう。
1ファンとしては、今回の東京五輪で優勝できたことは非常に嬉しかったですし、次回の国際大会でも優勝できることを心から願っています。