今年も3月23日(土)より春の選抜高校野球大会(センバツ)が始まります。
既に出場校が決まっていますが、各校にどんな打者がいるのか、また全国トップレベルはどんな打者か、等を昨年の秋の試合(公式戦+練習試合)の成績からまとめてみました。打撃成績の各部門をそれぞれランキング形式にして紹介していきます。
以下の成績は全て報知高校野球3月号から抽出したものです。
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打率ランキングTOP10
①桃谷 惟吹(履正社) .552
②石川 昂弥(東邦) .526
③大坪 蓮弥(札幌一) .500
④野村 健太(山梨学院) .486
⑤重宮 涼(明石商) .479
⑥根来 塁(智弁和歌山) .474
⑦宗山 塁(広陵) .472
⑧水谷 祥平(龍谷大平安) .462
⑨小林 世直(津田学園) .459
⑩上村 祐也(熊本西) .455
打率ではセンターの桃谷 惟吹(履正社)が.552という非常に高い打率でトップでした。桃谷は打率もさることながら、三振率も少なくバットコントロールが非常に優れた選手ということが分かりますね。出塁率と長打率ももちろん高く、センバツでも屈指の好打者なのは間違いないでしょう。履正社では1番打者を任されており、センバツでもまずこの桃谷が打撃の口火を切る形になってくるでしょう。
2番手が投手兼三塁手の石川 昂弥(東邦)です。こちらも5割を超える高打率で、素晴らしいバットコントロールです。そして石川は本塁打数・四死球数・盗塁数も非常に高く、攻撃面での欠点が見当たらない打者と言えるでしょう。出塁率.600超え、長打率.900超えでどちらも桃谷より高いです。ドラフト候補としても注目されている打者ですが、その評判も納得の打撃成績と言えますね。センバツでも、打者ではこの石川が最も注目を集める選手になる可能性があります。
3番手が一塁手の大坪(札幌大谷)です。打率は丁度.500で左打者での打率がトップです。本塁打数が0本でややパワー不足な面が見えますが、その分三塁打数と盗塁数が高く、一塁手ながら脚を使った攻撃がとても良くできています。札幌一では打率の高さを活かして3番で起用されています。センバツでも打撃は注目ですが、どのような盗塁・走塁を見せるかも注目ですね。
TOP10の中には2年生の宗山(広陵)も入っています。2年生でしかもショートを守っていて打率.472の成績を残しているのは素晴らしいですね。来年のドラフト候補としても注目です。
本塁打率ランキングTOP10
①野村 健太(山梨学院) .135(10本)
②東妻 純平(智弁和歌山) .101(13本)
③福本 陽生(星稜) .093(10本)
④太山 皓仁(八戸学院光星) .089(4本)
⑤石川 昂弥(東邦) .083(13本)
⑥福島 悠高(米子東) .079(6本)
⑦原 瑞都(八戸学院光星) .078(5本)
⑧刀根 宗太郎(啓新) .068(3本)
⑨水谷 祥平(龍谷大平安) .064(5本)
⑩近藤 遼一(八戸学院光星) .063(5本)
本塁打率では野村 健太(山梨学院)がトップでした。本塁打率が他の打者と比べても突出して高い.135になっていて、7.4打数に1本本塁打を打っている数値になります。野村は「山梨のデスパイネ」という異名がついており、今大会でも間違いなくホームラン打者として注目を集めるでしょう。本塁打率以外にも三振率が低く、バットコントロールの良さも伺えますし、ドラフト候補としても注目のスラッガーですね。
2位は東妻(智弁和歌山)で、こちらも本塁打率は.101(10打数に1本は本塁打)という数値になっています。東妻は捕手としての評価もとても高く、攻守両面の良さで見れば野村(山梨学院)よりもプロからの評価は高いかもしれません。チームでも4番を任されていてまさに攻守の要になっているでしょう。センバツでは攻守どちらも注目を集めることになるでしょう。
3位は福本(星稜)です。福本は奥川率いる星稜の一塁手で、昨年時点ではまだ6番打者でしたが、この秋にチーム内トップの10本もの本塁打を打ち、確実性を上げてきました。知名度的にはまだそこまで高くはないですが、これだけの結果を残したことでセンバツで更に活躍すれば一躍ドラフト候補として名前が挙がってくるかもしれません。
三振率ランキングTOP10
①森 敬斗(桐蔭学園) .022
②小橋 翔太(福知山成美) .024
③釜萢 大司(札幌大谷) .024
④佐藤 翔平(福知山成美) .024
⑤小深田 大地(履正社) .026
⑥森中 翼(国士舘) .027
⑦西川 晋太郎(智弁和歌山) .029
⑧熊田 任洋(東邦) .032
⑨鎌田 州真(国士舘) .032
⑩内山 壮真(星稜) .035
三振の少なさを見る三振率をランキングにしたところ、1位は森 敬斗(桐蔭学園)でした。137打数でわずか3三振しかしておらず、三振する可能性が非常に少ない打者ですね。森は打率3割超えしており本塁打数も7本と多く、打撃全体が優れた選手と言えるでしょう。ショートを守っている選手でこれだけ打てるとドラフト候補としても注目を集めそうです。
2位は小橋(福知山成美)でした。42打数と他の選手に比べて打席に立った数がやや少ないですが、それで三振1のみなのは素晴らしいです。打率も4割超えで長打は少ないですが、バットコントロールの良さが分かります。投手としては制球力良く安定した成績を残せるのが持ち味になっていて、投打どちらも結果を残せる選手になっています。
同率2位に釜萢(札幌大谷)もいます。釜萢は三振率の少なさだけでなく、四死球数がとても多くBB/Kが5.67という非常に高い数値になっています。選球眼の良さが光る選手で、打率も4割超えの成績を残しており、相手投手から見たらとても嫌な打者と言えるでしょう。
同率2位はもう1人、佐藤(福知山成美)もいます。佐藤は長打の本数が多く、三振少なく長打を打てるというのが良い武器になっていますね。福知山成美では1番打者を任されており、このバットコントロールと長打力は味方打線に勢いをつける力も持っているでしょう。
盗塁数ランキングTOP10
①根本 翔吾(習志野) 41
②黒川 渓(春日部共栄) 32
③熊田 任洋(東邦) 31
③石川 昂弥(東邦) 31
⑤角田 勇斗(習志野) 29
⑥杉浦 勇介(東邦) 28
⑦竹縄 俊希(習志野) 27
⑦飛倉 爽汰(高松商) 27
⑨細川 凌平(智弁和歌山) 26
⑩飯田 柊哉(札幌大谷) 24
盗塁数のトップは根本 翔吾(習志野)の41でした。2位と9つも差をつけてダントツで、盗塁センスがかなり高い選手ですね。根本は習志野の3番打者で打率は4割超え、出塁率は5割超えと打撃センスも優れています。三塁打数の多さを見ると走塁も良く、脚をしっかり使いこなしていますね。センバツでも出塁すれば高い確率で盗塁を仕掛けるでしょう。
2位は黒川(春日部共栄)です。盗塁数は根本に及ばないですが、打数を比較すると黒川の方が大分少なく、盗塁成功率という視点では根本以上に成功していると思われます。春日部共栄では1番打者で出塁率の高さと盗塁できる脚をフルに活かせています。守備面でも秋季は無失策で安定して広く守れる守備になってそうですね。
3位は熊田・石川(東邦)と東邦の選手が同数で入りました。2人に共通してるのは盗塁数の多さもさることながら、打率・OPS・BB/Kがとても良い数値で打撃全般で素晴らしい結果を残していますね。東邦では3番石川・4番熊田という並びになっていて、主軸の攻撃力は今センバツでもトップクラスと言えるでしょう。
OPSランキングTOP10
①野村 健太(山梨学院) 1.650
②石川 昂弥(東邦) 1.558
③桃谷 惟吹(履正社) 1,447
④東妻 純平(智弁和歌山) 1.389
⑤水谷 祥平(龍谷大平安) 1.387
⑥福島 悠高(米子東) 1.384
⑦太山 皓仁(八戸学院光星) 1.354
⑧福本 陽生(星稜) 1.338
⑨根来 塁(智弁和歌山) 1.307
⑩宗山 塁(広陵) 1.293
OPSでは本塁打率でトップだった野村 健太(山梨学院)がこちらでもトップになりました。長打率でもトップで、やはり本塁打を打てる能力がとても高いですね。今年のドラフト候補の中でも、現時点で野村ほどホームランを打てる打者はなかなかいないでしょう。センバツでもホームランを打つことが期待されているでしょうし、「山梨のデスパイネ」がいよいよ全国の舞台で活躍することになるか楽しみです。
2位は石川(東邦)です。石川は打率で2位、本塁打率で5位、盗塁数で3位、というどの部門でも上位に入っていて、野手としての総合力が並み外れた素晴らしい選手ですね。投手兼任でこれだけの身体能力が発揮できてれば、あとは大舞台での結果さえのこせば、ドラフトで上位指名候補に挙がってくるでしょう。
3位は桃谷(履正社)です。桃谷は打率でトップの成績でした。履正社には外野手の井上 広大や捕手の野口 海音などの方がドラフト候補としては注目を集めていて、桃谷は現時点ではそこまで注目は集めてない打者になっています。ただ、センバツ出場選手でトップの打率を残せるバットコントロールはドラフト候補として見られてもおかしくないですし、これから大舞台で結果を残していけば注目が集まってくるでしょう。そういった選手になることを予感させてくれる選手で、センバツでの活躍を楽しみにしています。