2019年春の選抜高校野球大会(センバツ)に出場する選手について、2018年の秋季大会の成績をもとに紹介していきます。
今大会の最大注目投手
今年のセンバツで注目する投手といえば、まずこの2人が挙がってくるでしょう。
・奥川 恭伸(星稜)
・及川 雅貴(横浜)
この2人は今年のドラフト候補で既に1位指名候補の評価になっており、センバツに出場しないですが佐々木 朗希(大船渡)・西 純矢(創志学園)と合わせて、BIG4とも呼ばれています。ドラフト1位指名濃厚の2人だけに、センバツでは特に注目されるでしょう。この2人の秋季大会の成績は以下の通りです。
奥川は全ての指標が安定して良く、弱点が無く失点しない投手の成績です。高校レベルで奥川から点を取るのは至難の業といえるでしょう。
及川は被安打率と奪三振率が奥川以上に良く、打者に球を絞らせず打たせない投球ができています。ただ与四死球率が高く、制球面はまだ安定していないですね。
安定感抜群の右腕と、奪三振率がトップクラスの左腕という2人の特徴が見える成績です。
奥川 恭伸 (星稜)
183cm 84kg 右投右打 最速150km
2年夏の甲子園で最速150kmを計測。球威ある直球とスライダー・フォークなど多彩な変化球でどれも制球良く安定した投球ができる本格派。複数球団が1位候補に挙げ、プロでも1年目から活躍が期待。将来は日本を代表する投手になれるとの評価もある。
北信越大会・神宮大会では7試合に登板し48回1/3を自責点0で、公式戦の自責0がどこまで継続できるかにも注目。
及川 雅貴(横浜)
183cm 74kg 左投左打 最速153km
最速153kmの直球とキレの良いスライダーで奪三振能力が非常に高い左腕。直球の球威は大学生・社会人を含めたドラフト候補の左腕の中でもトップクラス。身体を大きくすれば更に球威を上げれる伸びしろも評価対象。
関東大会では2試合に登板、10回1/3を投げ奪三振数は15。奪三振率は脅威の13.06を記録。奪三振能力の高さがセンバツでも見れるか注目。
秋季大会好成績投手
奥川・及川以外で秋季大会で好成績を挙げた投手についてもまとめました。各指標別にランキング形式で載せていきます。
防御率ランキング
防御率の低さだと奥川(星稜)が凄いですが、彼以上に防御率が低い投手がいました。
浦松(啓新)は23回2/3を投げて防御率0.00。秋季大会は自責点0でした。
飯塚(習志野)は36回を投げて防御率0.50。飯塚は他の指標も良く、奥川に次ぐ好投をした投手と言っても良いでしょう。
他にも防御率0点台の投手は山崎(国士舘)・西舘(筑陽学園)・太田(札幌大谷)らがいます。
この安定感の投球がセンバツでも見れるかもしれませんね。
飯塚 脩人(習志野)
181cm 78kg 右投左打 最速145km
習志野のエース投手。力強い直球が武器で秋の関東大会は3試合をリリーフで投げ、14回2/3を17奪三振、防御率0.00の成績。
山崎 晟弥(国士舘)
183cm 89kg 右投右打 最速140km未満
国士舘では抑えを任される。上手から角度ある直球で打球を詰まらせる球威が武器。スライダー・フォークの変化球は三振も取れる。
被安打率ランキング
被安打の少なさを見ると、奥川(星稜)以上に良い成績の投手が6人もいます。
トップは太田(札幌大谷)で被安打数はイニング数の半分以下という素晴らしい成績です。
2位で及川(横浜)が入り奪三振率の高さと相まって、打たせない投手としての実力が抜けてます。
3位に防御率ランキングでトップだった浦松(啓新)。打たせない投球が防御率の低さに繋がってますね。
4位~6位で奥田(東邦)・寺沢(星稜)・石原(広陵)と続きます。彼らが全員奥川(星稜)よりも被安打率が低く素晴らしい内容ですね。
7位に奥川(星稜)で、被安打率5.37というのは十分打たせない投手としての能力が高いです。
太田 流星(札幌大谷)
173cm 76kg 右投右打
先発・救援どちらもこなす右のサイドハンド。神宮大会準決勝では8回までノーヒットノーランの好投。動く球が武器。
浦松 巧(啓新)
175cm 70kg 右投右打 最速140km未満
リリーフを任される右のサイドハンド。多彩な変化球と打者の膝元へ投げ込む制球を武器に打たせない投球が持ち味。
奪三振率ランキング
及川(横浜)の奪三振率の高さが注目されてますが、秋季大会で奪三振率9.00以上の投手は13名いました。
1位は及川(横浜)、やはりこの奪三振率は凄い。3年で高校時代の松井裕樹並みの活躍をするかもしれませんね。
2位の石原(広陵)も及川と殆ど同じ奪三振率。及川と同じ左腕でこちらも三振を取る力が素晴らしい。
3位に奥川(星稜)。文句無しの奪三振率。
4位の中森(明石商)も奪三振率12.00以上で三振能力の高さが凄いです。しかもまだ2年生でこれからもっと伸びそうです。
5~6位で岩本(石岡一)・小森(春日部共栄)と奪三振率11.00以上の投手が続きます。
石原 勇輝(広陵)
178cm 78kg 左投左打 最速139km
左のオーバースローで角度ある直球と、大きく曲がるカーブのコンビネーションが持ち味で三振を量産する。
中森 俊介(明石商)2年生
181cm 79kg 右投左打 最速145km
1年生の夏の甲子園で145kmを計測。2年生ながらエースを任される長身右腕。直球とスライダーのコンビネーションで三振を奪う。
与四死球率ランキング
制球力の良さも表す与四死球率を見ると、奥川(星稜)が群を抜いてトップ。個々の指標全てが上位にランクインしていて、総合力がとても高いです。
2位の池田(智弁和歌山)も与四死球率1.00を切る数値で、制球が安定してます。
3位の小幡(福知山成美)・4位の沼田(市呉)も制球の良さが光ります。ただ2位の池田を含めて被安打率が高く、ストライクゾーンには入るものの打たれやすい球になっていますね。
5位の西舘(筑陽学園)は防御率・被安打率も低く、打たせて取る投球が安定してるのが分かります。
池田 陽佑(智弁和歌山)
182cm 85kg 右投右打
主にリリーフを任されポテンシャルが光る長身右腕。
西舘 昂汰(筑陽学園)
187cm 87kg 右投右打 最速144km
春のエース最有力。最速144kmで角度のある直球と攻めの投球で、ピンチを凌ぐ大型右腕。
K/BBランキング
奪三振率と与四死球率を併せて評価できる指標のK(奪三振)/BB(与四死球)ですが、これを見ると奥川(星稜)が2位と倍近く離してのダントツです。総合力の高さがここではっきりと現れてますね。
2位の小森(春日部共栄)は8.67で奥川と差がついてるものの、この数値も十分素晴らしいです。
3位の飯塚(習志野)は7.00。高奪三振・低与四死球の数値で、文句無しですね。
4位の村田(春日部共栄)は上位3人と比べると奪三振率は下がりますが、与四死球率がとても良くそれがK/BBの良さに繋がってますね。
5位の前(津田学園)は逆に奪三振率が高い点がK/BBの良さに繋がっています。
村田 賢一(春日部共栄)
182cm 78kg 右投右打 最速147km
最速147kmの直球を投げるエースで、打者としても4番を任される二刀流。直球の球威だけでなく変化球の制球も持ち味。センバツでは150kmを狙う。
前 佑囲斗(津田学園)
182cm 87kg 右投右打 最速148km
最速148kmの直球を武器にスライダー・チェンジアップのキレも良い。試合終盤でも140kmを超えるスタミナも武器。
まとめ
奥川(星稜)がどのランキングでも上位で、やはり飛び抜けてる感がありますね。
及川(横浜)は被安打率と奪三振率の高さが良く、この点がドラフト候補として注目を集めている理由になるでしょう。
他の投手を見てみると、小森(春日部共栄)や飯塚(習志野)も総合力の高さが光りますし、石原(広陵)と中森(明石商)の奪三振率の高さも注目です。
打たせない、失点しない点を見ると、神宮大会優勝投手の太田(札幌大谷)の防御率・被安打率の低さも流石ですね。
球速では最速147kmの村田(春日部共栄)や148kmの前(津田学園)が注目。他にも145km以上を投げる投手が複数名おり、センバツで150km台が見られる可能性も。
奥川・及川以外にも、センバツで注目しておきたい投手が多く、様々なタイプがいて今年も試合を沸かす投手戦が見られそうです。