データで語るドラフト・育成論

成績・データからドラフト候補や若手選手の育成状況についてまとめているブログです。

【野球指標】球速、二塁送球、クイック、一塁到達などのタイム評価

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ドラフト候補を視察するスカウトがよく持っているもの、と言えばスピードガン、ストップウォッチ、ビデオカメラなどがあると思います。

スカウトはそういった機器でドラフト候補の記録を行い、選手評価に役立てています。

ただ、こうして記録したタイムなどデータについて、ぱっと見それが良いのか悪いのか、分からない人も多いのでは無いでしょうか?

例えば「この捕手は2塁送球タイムが1.8秒!」と言われても果たして「速い!」と思える人がどれくらいいるでしょう。「1.9秒は駄目なのか?」「2.0秒なら遅いのか?」などの疑問を持つ人もいると思います。

今回はそういうデータやタイムなどの記録について、どのぐらいが良いのか悪いのかなどをまとめてみました。

※なお、今回の内容は自分の感覚的な部分での評価が強く、速い遅いなどは体感的な部分もあるので、あくまで1個人の考えとして見て頂けると幸いです。

球速

まずは球速ですが、これは分かりやすい人も多いと思います。

近年では大谷翔平が160km出したとか、佐々木朗希が163km出したとかで話題になっていますね。これは最速のことですが、この最速についてそれぞれの球速帯での評価を考えてみました。

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右腕と左腕で球速差が若干異なるので分けています。

右腕の方がもう150km台が主流となりつつあります。140km台後半の場合は速い球とは評価されづらくなってきており、ノビや他の変化球や制球力などの方が重視されています。140km台前半になると、もう速いではなく遅いと評価されてしまうぐらいになってきました。

左腕の方は右腕よりは若干球速を求められにくくなっています。150kmが出れば速球派左腕として注目を集めますし、140km台後半でも十分速さを武器にしていけます。DeNAの今永は最速148kmでしたし、ここでも十分ドラ1を狙えます。140km前半になるとキレや変化球など他の部分が求められるようになります。

 

ポップタイム(捕手)

ポップタイム、いわゆる捕手の二塁送球タイムで、肩の強さを指すものになりますね。

これは捕手が球を捕球した瞬間から計測が始まり、二塁送球して二塁手(もしくは遊撃手)が捕球するまでのタイムになります。盗塁阻止の要素はこれ以外にも投手のクイックタイムや送球精度、二塁手のランナーへのタッチの技術などの要素も加味されるものですが、捕手としての単純な送球の速さのみを指すのがこのポップタイムです。

こちらに関しては以下のような評価になると考えてみました。

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球界トップクラスの強肩と言えば甲斐選手、ということで表でも使わせてもらいました。

1.6秒台は偶然の産物。1.7秒台は球界最速捕手が良く出す。1.8秒台は速い捕手が良く出す。1.9秒台がプロ野球の平均。2.0秒台はやや遅い。

ざっくり言うとこのような分類ができるかと思います。ドラフト候補の強肩捕手でも最近は1.8秒台は普通になりつつありますし、たまに1.7秒台が出て注目を集めることが増えてきました。

 

クイック

捕手のポップタイムと同様に盗塁阻止に影響するタイムが投手のクイックです。

投手がクイックを使わないと捕手がいくら強肩でも刺せない場面が増えてきますし、逆に捕手が平均的なポップタイムでも、投手のクイックが上手ければ刺せる場面が増えます。要はポップタイムと同じくらい大事なタイムと言えるでしょう。

クイックの計測は投手が投球動作を始めてからスタートし、捕手にボールが到達するまでのタイムとなっています。

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1秒を切るクイックは前田幸長久保康友ぐらいしか投げたことが無いくらい希少で、今後1秒を切るクイックを投げる投手がいたら注目されることは間違いないでしょう。ただここまでクイックを追求しなくても、1.0秒~1.2秒の範囲であれば十分速く、あとは捕手との共同作業で盗塁を防ぐことは十分可能です。

逆にクイックを追求しすぎても球速が極端に落ちたり制球が悪くなれば、打たれやすくなるのでそことのバランスの方が重要ですからね。

ただ1.2秒を超えると流石に走られても文句ないタイムで、これを超えないぐらいのクイックの技術は必要になってくるでしょう。

 

一塁到達タイム

俊足打者の評価基準の1つで、一塁到達タイムが早ければ早いほど、内野安打も狙いやすくなります。過去にはイチロー選手が自慢の俊足で内野安打をいくつも打っていましたし、それにはこの一塁到達タイムも深く関係してきます。

計測のタイミングは、打者が打ったタイミングからスタートし、一塁ベースを踏むまでのタイムになります。

こちらに関しては以下のような評価になると考えました。

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左打者と右打者ではそもそもバッターボックスの位置的に一塁到達距離が異なるため、このように分けて記載しました。当然と言えば当然ですが、一塁到達においては左打者の方が好タイムを出していますね。あとはスイング時とセーフティバント時のタイムの違いもあり、セーフティバントの方が速いタイムを出しやすいです。

球界トップクラスを狙うなら、左打者は3.8秒台以下、右打者は4.0秒以下というのが目安となりそうです。ドラフト候補で走力自慢になってくるのは、左打者が3.9秒~4.1秒、右打者が4.1秒~4.3秒というところでしょう。

足が使える打者と評価されるのは、左打者で4.3秒まで、右打者では4.5秒まで、という基準になりそうです。

 

二塁到達タイム

俊足打者は内野安打だけでなく、シングルヒットの打球を二塁打にしてしまうなどの効果も期待できます。そのために重要なのが二塁到達までのタイムです。こちらは一塁ベースをまわるのでベースランニングの上手さなども関わり、単純に足が速ければ良いタイムが出せるとも言い切れず、技術も必要になってくるでしょう。

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三塁到達タイム

シーズンでもなかなか出ることが少ない三塁打で、守備位置や打球方向などによる運も関係してきますが、強打+走塁が備わっている打者でないとなかなか難しく、このタイムで上位となるのは希少価値があります。

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以上が各種タイムについての評価のまとめになります。

やや個人的な感覚での評価になるので、認識が違っていた場合でも見方の一つとして考えてもらえればありがたいです。

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