データで語るドラフト・育成論

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【ドラフト2022】各ポジションにドラフト候補がいる慶応大

2021年ドラフトでは大学生の指名が多かった。特に東京六大学野球からは山下輝(法政大)・丸山和都(明治大)・正木智也(慶応大)・徳山荘磨(早稲田大)などがドラフト上位で指名されていて、依然として東京六大学大学野球の中でも高いレベルのリーグになっている。

こうなると来年はどのようなドラフト候補がいるか、気になるところだ。
そこで各大学のドラフト候補を紹介していく事にする。今回は慶応大だ。

 

 

慶応大

増居 翔太(投手)

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増居 翔太 – 慶應義塾体育会野球部

最速146km左腕。3年春のリーグ戦では防御率2位、3年秋のリーグ戦では防御率4位の成績を残した。いずれも上位は4年生の投手たちのため、3年生以下では春秋ともにトップの防御率となっている。

直球の質が良く、球速以上のスピードを感じさせるほどのノビでグイグイと押していくことができる。これに加えてスライダー、チェンジアップ、カーブなど緩急織り交ぜた投球で、相手打者に的を絞らせない。奪三振能力が高く要所で三振を取れる。大崩れしにくいゲームメイク力があり、先発としての安定感を備えている。

高校時代からスカウトの注目を集めていて、大学でも安定して結果を残せていることからドラフト指名有力なのは間違いない。

今後更に評価を上げていくには球速の底上げ、4年のリーグ戦で防御率トップの成績を残すこと、大学野球選手権・神宮大会で他リーグの打者たちもしっかり抑えることなどが求められてくる。

シーズン 試合 完投 完了 当初 無点勝 無四球 勝利 敗戦 引分 打者 投球回 安打 本塁打 四死球 三振 自責点 防御率
2019春 6 0 3 0 0 0 1 0 0 36 9 6 0 4 8 1 1.00
2019秋 6 0 0 0 0 0 0 0 0 30 6 1/3 6 0 3 3 0 0.00
2020春 3 0 2 1 0 0 1 0 0 35 8 2/3 6 1 3 4 1 1.04
2020秋 1 0 0 0 0 0 0 0 0 6 1 1/3 0 0 2 1 0 0.00
2021春 5 0 0 5 0 0 4 1 0 120 30 22 2 9 30 7 2.10
2021秋 5 0 0 5 0 0 1 0 0 97 25 18 0 8 23 6 2.16
合計 26 0 5 11 0 0 7 1 0 324 80 1/3 58 3 29 69 15 1.68

 

生井 惇己(投手)

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生井 惇己 – 慶應義塾体育会野球部

最速149km左腕。身長176cmとそこまで大型の体格では無いが、体全体を使って思い切りの良い投げっぷりのフォームが特徴的。

1年秋からリーグ戦に出場しているが、ずっとリリーフでの登板になっている。長いイニングをペース配分考えて投げるよりも、短いイニングを全力で投げて抑えるのに向いていそうだ。通算25試合に登板して敗戦は1試合のみで、リリーフとしての仕事を十分に果たせている。

直球とスライダー、チェンジアップなどのコンビネーションが良く、奪三振能力がとても高い。四死球数も多く荒れ球タイプではあるが、球威で捻じ伏せる強さもあるため、三振を取りつつ四死球を減らしていけるよう投球に磨いていく必要がある。

現時点では防御率の割にランナーを出すことが多いため、内容面でまだまだ改善の余地がある。4年時もリリーフとして起用されそうだが、内容・結果共に良い形にできれば、ドラフト候補として注目されていきそうだ。

シーズン 試合 完投 完了 当初 無点勝 無四球 勝利 敗戦 引分 打者 投球回 安打 本塁打 四死球 三振 自責点 防御率
2019春                                  
2019秋 3 0 0 0 0 0 0 0 0 15 3 4 0 2 4 1 3.00
2020春 3 0 1 0 0 0 0 0 0 11 2 2/3 2 0 1 2 2 6.75
2020秋 8 0 8 0 0 0 0 1 0 36 10 1/3 4 2 1 10 2 1.74
2021春 5 0 1 0 0 0 0 0 0 34 6 2/3 8 1 6 5 4 5.40
2021秋 6 0 3 1 0 0 0 0 0 44 9 2/3 10 0 5 9 2 1.86
合計 25 0 13 1 0 0 0 1 0 140 32 1/3 28 3 15 30 11 3.06

 

下山 悠介(三塁手)

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下山 悠介 – 慶應義塾体育会野球部

バットコントロールが優れた三塁手。1年生からリーグ戦に出場していて打率3割超えの成績を残すなど突出した打撃センスを持っている。盗塁を仕掛けたり三塁打を打てる足の速さがあり、粘りのある打撃なども含めて1番打者としての適性は十分。

フットワークやスローイングなど守備面の評価も高く、巧打好守の三塁手としてドラフト候補に入っているのは間違いない。

過去2度、リーグ戦首位打者のタイトルを獲得しているが、4年でもタイトルを獲得することでドラフト候補として更に注目を集めるだろう。

シーズン 試合 打席 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 三振 失策 打率
2019春 6 20 17 3 6 1 0 0 7 2 0 1 2 3 0 .353
2019秋 11 48 43 5 15 4 1 0 21 5 0 3 2 12 2 .349
2020春 5 25 22 2 4 0 0 0 4 1 1 0 3 3 1 .182
2020秋 10 42 32 7 8 0 0 1 11 2 1 3 7 6 1 .250
2021春 10 43 40 9 14 3 0 1 20 6 1 1 2 7 1 .350
2021秋 10 47 37 3 10 2 1 0 14 4 0 1 9 7 0 .270
合計 52 225 191 29 57 10 2 2 77 20 3 9 25 38 5 .298

 

 

朝日 晴人(遊撃手)

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朝日 晴人 – 慶應義塾体育会野球部

堅実な守備力と広角に打てる打撃が特徴の遊撃手。3年春からリーグ戦に本格的に出場し、規定打席に到達した。小柄な体格で単打が多く、打順は主に投手の前の8番で守備寄りの評価になっているが、3年春に打率.324の成績を残し打撃面でもアピールした。

選球眼が良く通算四死球数が三振数よりも多く、出塁能力が高い。

守備では3年春秋ともに無失策で安定した守備力を発揮している。送球の安定性は高い評価で、キャッチボール1つとってもその良さは伝わってくる。球際にも強く3年秋の早慶戦ではライナー性の三遊間の打球をダイビングでキャッチするビッグプレーを魅せた。

シーズン 試合 打席 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 三振 失策 打率
2019春                                
2019秋                                
2020春 2 2 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 .000
2020秋 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
2021春 10 39 34 6 11 1 0 0 12 3 1 0 5 4 0 .324
2021秋 10 39 30 4 6 1 0 0 7 3 0 3 6 5 0 .200
合計 24 81 66 10 17 2 0 0 19 7 1 3 12 9 0 .258

 

萩尾 匡也(外野手)

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萩尾 匡也 – 慶應義塾体育会野球部

やや粗い打撃だが長打や1発を打てるパワーのある外野手。3年春からリーグ戦でスタメン出場する機会が増え、三振がやや多いものの長打を量産した。秋には打率.333の結果を残し、上位打線でも起用されるほど信頼される打撃を身につける。

守備は主にレフトだが、足が遅いわけでは無くまずまずの守備範囲をこなす。高校時代はセンターを守っていて、大きなマイナス要素にはならなそうだ。

長打の割合が元々多い打者なので、あとはどれだけ確実性のある打撃ができるかが重要になる。慶応大は2022年には渡部遼人や若林将平、そして正木智也ら外野のレギュラーが卒業するため、萩尾が外野の一角を任されるのはほぼ確実となる。そこで安定して長打を量産する結果を残せれば、ドラフト候補として注目を集めることになりそうだ。

シーズン 試合 打席 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 三振 失策 打率
2019春                                
2019秋                                
2020春 3 7 7 1 1 0 0 1 4 1 0 0 0 4 0 .143
2020秋 3 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000
2021春 10 29 28 2 7 3 0 0 10 0 0 0 1 13 0 .250
2021秋 8 22 21 1 7 2 1 0 11 6 1 0 1 7 0 .333
合計 24 59 57 4 15 5 1 1 25 7 1 0 2 25 0 .263

 

 

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