読売ジャイアンツの2021年ドラフトで指名する傾向と、指名候補を10名リストアップして予想してみました。
昨年の指名を現状評価
2020年ドラフトで巨人の指名選手は以下の通りです。
■本指名
×佐藤輝明・内野手（近畿大）
1.平内龍太・投手（亜細亜大）
2.山崎伊織・投手（東海大）
3.中山礼都・内野手（中京大中京高）
4.伊藤優輔・投手（三菱パワー）
5.秋広優人・内野手（二松学舎大付高）
6.山本一輝・投手（中京大）
7.萩原哲・捕手（創価大）
■育成
1.岡本大翔・内野手（米子東高）
2.喜多隆介・捕手（京都先端科学大）
3.笠島尚樹・投手（敦賀気比高）
4.木下幹也・投手（横浜高）
5.前田研輝・捕手（駒澤大）
6.坂本勇人・捕手（唐津商業高）
7.戸田懐生・投手（四国IL・徳島）
8.阿部剣友・投手（札幌大谷高）
9.奈良木陸・投手（筑波大）
10.山崎友輔・投手（福山大）
11.保科広一・外野手（創価大）
12.加藤廉・内野手（東海大海洋学部）
2019・20年をリーグ優勝し、今年は三連覇の期待がかかる巨人ですが、今年は阪神に序盤から首位を奪取されています。
一時の阪神独走状態から１ゲーム差まで追い上げてきているので、首位に返り咲く可能性は十分ありますが、今季は終盤までもつれ込む苦しい戦いになることが予想されます。
昨年ドラフトは投手は大卒・社会人、野手は高卒・大卒という支配下指名で、全体的に素材型の選手を集める指名になっていました。
今年はまだ１軍戦力として定着している選手はいないですが、数年後を見越した指名なので現状では出てきてなくても問題ないでしょう。
育成指名も大量ですので、この中から何人かが支配下登録されるような未来になってくれば、この指名も活きてきます。
現状のチームの課題
①長距離砲が岡本頼みになる未来
現在の巨人は４番岡本を筆頭に、坂本・ウィーラー・丸らが２桁本塁打を打っていて、チーム本塁打数はリーグダントツになっています。
ただ、岡本以外の３人は既に30歳を過ぎていて、ウィーラーに至っては34歳です。坂本・丸は徐々に成績の衰えが見られますし、３人共今後本塁打を伸ばしていけるか難しくなってきています。
彼ら以外だと松原や大城らも本塁打は打てる選手ですが、量産するというタイプではないですし、新しい選手の台頭が無ければ本塁打数や長打率が減少していくでしょう。
昨年、高卒スラッガーの秋広を指名し２軍で育てていますが、まだ育成中で１軍に上がってくるまではしばらくかかると思われます。今年は高卒でも大卒でも良いので、またスラッガーを指名して将来岡本と並ぶ長距離砲を獲得することが必要になりそうです。
②走れる選手も将来不足する可能性
上では長距離砲に焦点を当てましたが、走れる選手についても不足する可能性があります。
現在１軍で２桁盗塁しているのが松原と梶谷の２人で、この２人が現在の１番打者として競っています。
ですが梶谷はもう30歳を過ぎていますし、このまま行くと２桁盗塁するほど走れるのは松原のみになってしまう可能性もあるでしょう。
坂本や丸は昔は２桁以上を走れていましたが、現在はなかなか走れていないところを考えると、新しく走れる選手を増やしていく必要に迫られています。
増田大など、足が速い選手がいないことはないですが、打撃面で安定しないとなかなかスタメンで起用してもらえないですし、坂本・丸・梶谷などセンターラインを守ってかつ１番打者としても機能していた選手たちと比べると、一芸に秀でるだけでは足りなくなってしまいます。
盗塁自体は少ないなら少ないなりの戦い方があるので、意識しすぎる必要は無いですが、それでも足が速くて打撃も良い選手がいれば、指名しに行く気持ちは持っていた方が良いですね。
③２軍先発の頭数不在
３軍制を敷いている巨人は保有している選手もかなり多い方ですが、その巨人が今年は実は選手不足に陥っています。
不足しているのが２軍の先発で、リリーフを起用しながら何とかローテを作ってまわしている状態です。主な先発は井納・横川・戸田らがいますが、彼らに続く先発がなかなかいない状態です。
巨人１軍の先発成績は良い方ですが、２軍は先発が少ない事態になっていて実際の先発の層としてはかなり薄い状態と言えます。
３軍制の場合の２軍は中堅～ベテランの調整場となることが多いので、成績はむしろ安定する方ですが、現状で先発の状態が悪く投手成績はイースタンリーグ最下位にまでなってしまっています。
ここを手厚くしないと将来的に１軍に先発を供給できなくなる恐れがあるため、今ドラフトでは積極的な投手指名が必要になるでしょう。
今ドラフト指名候補
上記の現状分析と課題を踏まえた上で、今ドラフトで指名しそうな選手10名を予想します。
達 孝太（投・天理）
最速148km右腕。身長193cmの長身右腕。
榑松アマスカウト統括が「スケール感やバランスは、他の投手は持っていない」と評価している。
小園や風間と比べると素材型の印象だが、それでも伸びしろは２人よりも広い可能性を持っていて、将来的なエース右腕として期待ができる。
市川 祐（投・関東第一）
最速152km右腕。身長184cmで恵まれた体格の大型右腕。
水野スカウト部参与が腕の振りと変化球の制球を評価。木佐貫スカウトも春からの成長を評価している。
伸びしろがありスケールの大きさを考えると、プロ入り後に大成する可能性が高い。
伊藤 樹（投・仙台育英）
最速149km右腕。
腕の振りがしなやかでノビのある直球が武器。球種が豊富で制球も良い。
長谷川国利スカウト部長がバランスの良さ、腕の振り、野球センスを評価。
完成度が高くプロでも安定した投球が期待できる。
高木 翔斗（捕・県岐阜商）
長打力と送球の正確さが評価されている大型捕手。
打撃センスを巨人が評価していて、榑松スカウト部次長・安藤編成アドバイザー・木佐貫スカウトらが両翼に打ち分ける打撃と長打力を評価するコメントを残している。
同じ打撃型捕手の大城の後釜として期待できる。
木村 泰賀（内・常磐大高）
高校通算３０本以上の長打力がある三塁手。
榑松スカウト部次長が、初球からフルスイングできる思い切りの良さとパワーを評価。
外野の経験もあり、次世代主軸候補として獲得するか。
中川 智裕（内・セガサミー）
強肩と長打力が魅力の右打ち大型遊撃手。
昨年都市対抗では打率３割超えで広角に打てる打撃が持ち味になっている。
右方向へ長打を打てる打撃センスとパワーがあり、巨人高田スカウトが打撃を評価。
肩も強く、送球も安定していて守備面も良い。
大内 信之介（内・JPアセット証券）
小柄だが50m5秒8の俊足が武器の巧打遊撃手。
打撃のスイングがシャープで昨年都市対抗では打率３割超え、盗塁も１つ記録している。
セーフティで一塁到達3.7秒台は球界でも屈指の速さでプロでも足を売りにした選手となれる素質を持つ。
高田スカウトがスピードと守備を評価。巨人は増田という俊足を売りにした選手が既にいるが、坂本の後釜ショートとして２人を競わせてレベルアップを図るのもありか。
藤井 健平（外・NTT西日本）
走攻守全ての評価が高く、身体能力が光る左打外野手。
50m5秒台の速さと遠投120m超えの肩の強さを兼ね備え、身体能力が非常に高い。
昨年都市対抗では打率.750 1本塁打を記録し若獅子賞受賞。
榑松スカウト部次長は「中日の大島タイプ」と走攻守を評価。
丸や梶谷の後釜の外野手として期待できる。
米山 航平（市立尼崎）
俊足の大型外野手。佐藤輝を彷彿とさせる身体能力の高さとパワーを兼ね備えたスラッガー。
岸スカウトが 「スラッガータイプ。これだけ振れる高校生はなかなかいない。体形が佐藤輝に似ているし、足も速い。こういう選手はなかなか出て来ない。ロマンがある」と高い評価。
３軍からしっかり育成していけば、未来の佐藤輝明として期待できる。
ブライト 健太（上武大）
スイングスピードの速い右の強打者。
今年の大学野球選手権では４試合に２本の本塁打を放ち、盗塁も１つ決めるなど身体能力を如何なく発揮した。
各球団、パワーだけでは無く身体能力の高さや打撃センスも評価している。
強打者と俊足の選手が欲しい巨人にはピッタリか。
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