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【ドラフト2018】DeNAのドラフト1位指名予想

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本記事は11000字以上の大容量となっています。

全て読むと大体10~20分以上はかかるので、お気を付け下さい。

目次からそれぞれ見たい場所に飛べますので、お時間が無い方はご活用ください。 

1位指名以外で各球団おススメのドラフト候補についてはこちらに記載。

 

12球団のチーム状況と今年のドラフト候補達の情報を踏まえた上で、1位指名予想をしていきます。

横浜DeNAベイスターズ

現状分析

一昨年・昨年とAクラス入りし、日本シリーズにも出場して今年こそリーグ優勝かと期待が集まった最中、現有戦力の不振と怪我が重なり、一気に最下位争いにまで落ち、もがき苦しんでる状態だ。

1軍主力

野手陣(レギュラー)評価

ソト・大和の新戦力組がレギュラー奪取も、今年は離脱者が多く起用に苦労

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野手陣は固定ポジションが少なく、レギュラークラスの怪我や不調が多かったことでどこも併用や、複数ポジションで起用された選手が多かった。

それに加えて全体的な打撃の不振がはっきりと成績にも出ている。

チーム打率:リーグ最下位

チーム平均得点数:リーグ最下位

チーム平均本塁打数:リーグ2位

チームOPS:リーグ4位

打率が低く、本塁打を打っているが得点数が低いため、効率の悪い打撃成績となっている。

本塁打数が多いのはハマスタが本拠地ということもあるので、全体的に打線の状態が良くないと言えるだろう。

打線で規定打席に到達している選手は宮崎(29)筒香(26)の2名。

この2名はどちらも、打撃成績はチームの主軸として好成績を挙げている。

 宮崎は打率.320(リーグ7位) 本塁打24本(リーグ8位) OPS.901(リーグ10位)

 筒香は打率.295(リーグ15位) 本塁打33本(リーグ3位) OPS.983(リーグ5位)

タイトル争いするほどの成績にはなってないが、リーグ上位に入っている成績だ。

まだ2人とも20代で年齢的には若く、あと数年はチームの主力として活躍していけるだろうが、彼らの後継者についてそろそろ準備しておく必要はあるだろう。

筒香の場合、メジャー挑戦の可能性がありFA権取得も2年後に控えている。

海外FAは3年後だが、そのタイミングで移籍となった場合に備えて、後継者の準備は必要と言えそうだ。

宮崎は3年後にFAが控えているが、三塁手自体チーム内に少なく、現時点で後継者となれる選手がいない状態だ。

今年、宮崎は3試合サードのスタメンを外れたが、その際スタメンに入ったのは飛雄馬(27)で、年齢的には宮崎とあまり変わらず後継者とは言いづらい。

その他では倉本や柴田が守備交代でサードを守ったぐらいで、二遊を守ってる2人が三塁も掛け持ちしている状態だ。

宮崎が衰えたりFA移籍となる前に、しっかりと三塁手での後継者を獲得するなり育てておきたいところだろう。

 

この筒香・宮崎の2人に続く主力としては、現在300打席以上出ているロペス(34)・ソト(29)・大和(30)・桑原(25)がいる。 

 ロペスは過去3年全て規定打席に載って活躍していたが、今年は右足の怪我があり2軍に居る期間が長く、規定打席到達が微妙になっている。

年齢も34歳という高齢の部類に入ってきており、守備面もやや衰えが見えてきているため、そろそろ後継者を獲得するなり育てることが重要になってくるだろう。

現状だとソトがロペス以上に本塁打が打てており、候補になってきそうだ。

 ソトは今年獲得した新外国人だが、規定打席未達とはいえ素晴らしい活躍をしている。

本塁打数は28本で、規定打席未達の中ではリーグで最も多い本塁打数だ。

本塁打のペース的には丸や筒香をも凌ぎ、これで規定打席まで載っていたら本塁打王のタイトル争いにも絡めただろう。

守備では現在はライトがメインで、ロペス不在時のファーストやセカンドも何試合か守っていて、ユーティリティ的な起用をされている。

年齢はまだ29歳で来年30歳。

既に残留も決定的で、来年はどこかのポジションで固定して起用し、打撃のタイトルを獲れる活躍が期待できるだろう。

 大和はFAで獲得した選手でショートをメインで守っている。

途中、チーム事情でセカンドや外野も守ったが、本職はショートで守備面での貢献が大きい。

打率.250・OPS.650で打撃面は最低限の活躍と言えるが、守備面では大きくプラスの結果を残せていてレギュラーショートの座を掴んだと言える。 

年齢的にはあと数年は活躍が見込めるので、正ショートとして高いレベルの守備で守ってて欲しいが、逆を言えばそれまでに後継者の準備が必要なポジションだ。

ショートの後継者としては現在のところ柴田(24)が最有力で、まだ若く守備は大和に匹敵するため後継者として相応しい選手と言える。

ショート事情を考えたら、大和から柴田へしっかり引き継がれることで、この先も長期的にショートが安泰になってくるだろう。

 桑原は今年は不調時があったり、神里との併用があったりとレギュラーとしての立場が危ぶまれたが、徐々に復調してきたことや神里・梶谷が負傷したことで、昨年に続いて今年もセンターのレギュラーを守った。

成績的に好不調の波が激しい点など、レギュラーとして試合に出るからには修正してもらいたいところがあるが、長打の数が多く守備面ではチーム1広い守備範囲で、センターを守るのに無くてはならない選手になっている。

年齢も25歳でまだこれからチームを担う選手であり、正センターとして更に打撃・守備の両面でレベルアップして、あと8年はセンターを他の選手に獲られないような、息の長い活躍を期待している。

 

野手陣(準レギュラー)評価

セカンドと捕手が固定できず、打力不足も深刻。ライトはレギュラー候補多し

ここまでがレギュラーを掴んでる選手達で、ここからはレギュラー候補はいるものの、レギュラーとして定着できていないポジションの話になる。

セカンド倉本柴田の併用になっていて、前半戦は柴田が打撃面で不調のため倉本が多く起用されていたが、後半から柴田は出塁率を上げてきてセカンドのスタメンで出場する機会も増えてきた。

今のところ攻守で柴田の方が成績が良くなったため、セカンドは柴田に定着しつつあるが、打撃面でもう少し成績を上げて欲しいところだろう。

柴田は出塁率が高いとはいえOPSが.700を切っており、セカンドとショートがどちらもOPS.700に到達してないのはDeNAだけとなっている。

DeNAの場合、捕手の打撃も他球団と比べると極端に低いため、打線の中で打撃が売りでない打者が(投手含めて)4名になっており、これが打撃低迷の要因だろう。

柴田にしても倉本にしてもまだ足りず、石川や田中浩にまだ頼らざるをえないチーム事情を考えると、強打のセカンドは補強ポイントと言える。

 

捕手はシーズン途中に伊藤(29)をトレードで獲得したが、まだチームのウィークポイントとなっているのが現状だ。

1番試合に出てる嶺井(27)も伊藤も打率1割台。

現在2軍の戸柱(28)も1割台で、誰がなっても打撃が期待できない捕手陣になってしまっている。

伊藤も嶺井もこれまでは打撃が良かったため、今年は一時的な不調と考えても良さそうだが、安定して打撃が良い捕手が欲しいところだ。

年齢的に伊藤・戸柱・嶺井が固まっていて、全員まだ20代だがあと3年もすれば全員30代になり、数年後には主力捕手が揃って衰えてくる可能性も考慮した方が良いだろう。

若手捕手は山本(19)しかおらず、年齢差が大きいため20代前半の選手は補強する必要があるだろう。

 

ライトは現状でソトが起用されているが、ここは神里・梶谷らが出ていたポジションで、なかなか固定できなかった。

実績で言えば梶谷(30)だが、近年の怪我の多さや調子の波が激しいところがあり、1年通して計算するのが難しい選手になっている。

神里(24)は新人で1年目から打撃で活躍していたが、死球で足を骨折したことで、離脱を余儀なくされた。

神里は今年の活躍から来年以降もライトのレギュラー候補なのは間違いなく、年齢もまだ若いので長期的な活躍を見込める選手だ。

外野手は他にも乙坂(25)・関根(23)・楠本(23)・佐野(23)ら若手がいて、打撃面でそれぞれ期待できそうな若手が多いので、人数的に困ることは無さそうだ。

 

投手陣(先発)評価

ルーキー東に頼りきりで既存先発陣には喝。若手先発の成長にも期待

今年は先発投手陣が崩れ、規定投球回で投げれているのはルーキーの東(22)のみという状態。

チーム防御率 リーグ5位

先発防御率 リーグ5位

リリーフ防御率 リーグ4位

はシーズンほぼローテで投げ切り、規定投球回到達・2桁勝利・防御率2点台(リーグ3位)というエース級の活躍。

東がいなければダントツの最下位だったとDeNAファンなら誰もが思うぐらいで、ルーキーながらチームでNo.1の活躍ができている。

大卒1年目なのでまだ22歳、この成績を来年以降も維持していければ、球団史上最高レベルの左腕になるだろう。

東に続く先発がウィーランド(28)・今永(25)・石田(25)・濵口(23)で、彼らが本来ローテをしっかり守って欲しかったが、ローテを守れずウィーランド・石田は防御率5点台、今永は6点台、濵口は4点台という全員打ちこまれる結果となってしまった。

ウィーランドは28歳、他の投手はまだ20代前半でこれから伸びてくる投手たちのはずだが、結果として全員が昨年より成績を大きく悪化させてしまった。

彼らが来年もこの調子とは流石にならないだろうが、CS進出や優勝を考えるなら彼らがしっかりローテを守れないことには不可能なので、来年は立て直してきてもらいたい。

ドラフトでも先発投手の補強をしたいところだが、2013年から4年連続でドラフト1位に大卒投手を指名してきており、投手指名に偏りがちなため今年も投手でいくか判断するのは難しい。

他の先発だとリリーフから先発に再転向してきた井納(32)や、若手の京山(20)・飯塚(21)・平良(23)、外国人のバリオス(29)が投げている。

井納は先発に復帰後は炎上と好投が交互でなかなか安定しないが、先発好投時は7イニング投げることができていて、イニングイーターとしてのポテンシャルはまだ持っている。

京山・飯塚・平良は好投する時があってもあまり多く投げれないため、まだ1軍先発ローテとしての力がついていない。

来年以降、試合経験を積み重ねることで対応できてくると思うが、現段階の実力ではローテの谷間を任せる程度だろう。

バリオスは前半戦に割と好投していたが、7月に試合中打球を足に直撃して負傷してしまった。

それ以降1軍で投げておらず、現時点では2軍で投げられるまでには回復しているが、このままだと来年の残留は難しいところだろう。

 

投手陣(リリーフ)評価

今年は登板過多に悩まされ疲労が目立ったが、三嶋が獅子奮迅の活躍

今季は先発が早々に降板することが多かったため、リリーフにかなり負担がかかっている。

50試合以上登板している投手は三嶋(28)・三上(29)・砂田(23)の3名。

3人ともかなりの登板過多だが、三嶋は防御率2点台で、砂田・三上は防御率3点台前半で留まっていて、リリーフ陣の中では好投している。

登板過多の影響か3人とも後半戦から失点するケースが増えてきているので、あまり無理をさせない運用に変えたいところだ。

抑え山﨑康(25)防御率3点台で、抑えとしてはあまり良いとは言えず、特に同点の場面での失点が多い。

気になるのは失点しているのがハマスタと地方開催の富山球場のみで、通常のビジターゲームでは無失点なところだ。

ホームのハマスタなのに相性が悪いのはたまたまなのか、何かしら理由かあるのか分からないが、そろそろ対策を考えないと球場別で抑えが変わるということもありそうだ。

他には勝ち継投でパットン(30)が投げているが、防御率はギリギリ2点台で今年は被弾が多く、やや不安になっている。

その他のリリーフではエスコバー(26)・平田(29)・武藤(29)・国吉(26)・藤岡(33)らが主に敗戦処理やロングリリーフで投げていた。

エスコバーは前半戦フル回転の活躍だったが、疲労蓄積と外国人枠の兼ね合いで抹消。まだ若く、リリーフとしては左腕で150km以上を投げれるという特徴があり来年も残留させたいところだ。

平田・武藤・国吉・藤岡は20試合登板以内だが防御率が高く炎上があり、年齢的にも後が無くなってきている投手達だ。

来年以降、生き残りをかけて1年1年が勝負の年になってくるだろう。

その他のリリーフ投手についても同様で、全体的な弱さが見えるためオフに新たな戦力が補強されるのは間違いないだろう。

 

2軍の若手状況

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野手陣(レギュラー)評価

ショートの大河・外野の細川を育成中。関根は1軍へ。サードは併用だが悩みどころ

 2軍は若手中心の起用だが、レギュラー固定起用なのは大河と細川の高卒2年目組のみで、他のポジションは日替わりだったり複数人での併用の形になっている。
現時点で200打席以上出場しているのは大河(20)・細川(20)・飛雄馬(27)・山下(25)・関根(23)の5人だけで、 大河・細川については2軍でしっかり育てる方針が見えるし、飛雄馬・山下・関根に関しては1軍を見据えた起用をしている形だ。
大河(20)についてはショートのレギュラーで出場していて、打撃面の成績は1年目より向上しており順調に育ってると言える。
ただ守備面ではショートで失策数が多く、動きの良さや反応の良さは見えるが、送球面がやや不安視されている。
これもあり、今年はセカンドで出場することも増えてきた。
将来的にこのままショートで育てるのか、セカンドに変えていくのかはまだ分からないが、無理させてイップスになられても困るので、本人との相談を含めて今後もしっかり守れるポジションで続けて欲しい。
定着して打撃が向上してくれば、2~3年後には1軍に出場し内野のレギュラー争いにも入っていけるだろう。
細川(20)については、相変わらず三振数は多いが、打率・OPSともに1年目よりも向上してOPS.700台も視野に入ってきている。
まだ1軍戦力と見れるほどではないが、このペースなら2~3年後には1軍に上がって活躍している可能性があるだろう。
主軸候補としても見られてるので、来年はもっと打撃技術を磨いて2軍レベルを卒業出来るくらいになって欲しい。
雄馬(27)・山下(25)・関根(23)は2軍でOPS.700以上の成績で、2軍の中では良い成績を残せている。
関根(23)についてはとうとう1軍で結果を残すようになり、後半戦は1軍帯同中で2軍を卒業したと言えるかもしれない。まだ23歳で若く、1軍で固定できてないライトや筒香の後釜のレフト、もしくは桑原と競ってセンターなど、外野のどのポジションも狙っていって欲しい。
反面、雄馬(27)・山下(25)は1軍に上がってもなかなか残留できない状態で、年齢も考えるとそろそろ1軍定着しないといけないだろう。
2人ともサードを守っているが、現在この2人ぐらいしかサードを守れる選手がいないため、宮崎の後継者候補にもなってくるので、すぐにでも1軍で活躍して欲しいところだ。
ここまでが2軍で比較的多く打席を与えられている選手で、ポジション的にはショート・サード・外野の2枠が彼らメインで起用されてきた。
野手陣(準レギュラー)評価

捕手・一塁手二塁手・外野の1枠でまだ1軍候補がおらず

捕手はルーキーの山本(19)が最も多く出ていて、2軍で重点的に育成されている。
既に1軍出場も果たしており、しかも初打席でホームランを打ち注目を集めた。
ただ2軍の打撃成績は打率1割台でOPSも.500を切っており、まだまだ2軍で打撃を磨く必要があるだろう。
守備面では肩の強さがとても評価されている。だがキャッチングではミスが多くまだまだ捕手としての技術は粗削りな状態だ。
あと1~2年は2軍で守備と打撃を磨き、3年後以降から1軍捕手のレギュラー争いに入ってくる形と思われる。
戸柱(28)は去年まで1軍の正捕手争いをしていたが、今年はシーズン中盤に2軍落ちしてしまった。
守備面は評価が高いが、打撃面で結果を残せず、2軍でも現在打率1割台となかなか復調の兆しが見えない。
シーズン途中の伊藤の加入で1軍捕手争いがますます大変になってきてるが、現状の1軍捕手陣ではまだまだ力不足になっているので、来年の戸柱にはしっかり攻守で結果を残し、1軍復帰してもらいたい。
西森(30)・亀井(21)は正直厳しい立場だろう。2人とも1軍に上げられるほどの評価を得られて無く、2軍でも出場機会が減ってきており、今オフは残留できるかどうかという状態だ。
ただ捕手陣は現在育成の亀井を入れても6人しかおらず、これ以上人数を減らしたくないチーム事情はあると思うので、残留できたら来年は何が何でも結果を残して1軍に昇格するという気持ちで頑張って欲しい。
捕手は全体的に打撃が弱く、また伊藤・戸柱・嶺井などが年齢が近いので、数年後の世代交代が大変になりそうなポジションだ。
山本が育ってきた時に併用できるような、強打の捕手が求められる。
 
ファースト雄馬(27)・中川(28)・網谷(20)・白根(25)・武白志(20)など多くの選手が起用されている。
雄馬以外は他のポジションだと守備的に厳しいところがあるため、このような起用となってるとも言えるので、良い状態とは言えないだろう。
中川(28)については前半戦に1軍の代打で活躍する機会があったが、段々結果が残せなくなり2軍に落ちてしまった。守備もファーストでミスがあったりしたので、1軍首脳陣としてはなかなか起用しづらかったのだろう。
2軍ではOPS1.000を超えており、打撃はもう2軍でやることは無いだろう。
後藤が引退することで代打枠がいなくなってしまうので、来年はそこに入り込めるよう頑張ってもらいたい。
白根(25)は今年まだ1軍出場が無く、去年までを見ても1軍で結果が残せてないので厳しい立場だ。
白根はレフトとファーストを守っているが、このポジションは打撃重視のため白根の今の打撃ではどうしても物足りない。
2軍でもOPS.600台で、もう高卒7年目なのにこの成績では厳しいだろう。
網谷(20)・武白志(20)は育成3年目だが、2人ともオフに再契約されそうな成績は残せている。
とはいえ2人ともファーストしか守ってない状態で、打撃もOPS.600台なのでまだ1軍を考えれる段階ではなく、残留したとしても来年には何かしら大きく成長を見せないと厳しい立場になってくるだろう。
ファーストのこうした現状を考えると、ロペスの後が現在2軍には居ない状態で、ソトか新外国人が入ることが濃厚だろう。
そうなると現在2軍のファースト陣は1軍でも代打枠ぐらいしか無くなるので、できればサードなり外野なりを守れるようになってほしいところだ。
 
セカンド百瀬(21)・石川(32)・狩野(24)の3名が中心で守っている。
石川はもうベテランで1軍の控えとなっているため、百瀬と狩野の2人が次世代のセカンド候補と言えるだろう。
ただ2人とも守備型の選手で、2軍OPSは.600に到達していない。
百瀬(21)はセカンドの他にショート・外野も守っているが、守備的に安定しているのはセカンドになるので、ここで成長してもらいたい。
1年目から非力が目立ち、なかなか打率が伸びてこなくてずっと1割台なので、来年はとにかく打撃を伸ばすことが求められる。
狩野(24)は大卒2年目だが、こちらも去年から打撃が課題でまだOPS.600台にも到達していない。
ショート・サードを守り内野全般守れるのが強みだが、レギュラーを掴むとしたら打撃を伸ばすのは必須だろう。
山崎憲のような万能守備型を目指しても良いが、セカンドの現状を考えたらレギュラー争いできるようになってほしい。
セカンドは1軍でも固定されておらず、2軍でも打撃の弱い2人になってしまっているので、強打者が欲しいポジションになっている。
狩野・百瀬の打撃の成長を期待するか、ドラフトで攻守両面良いセカンドを獲得するか、判断が迫られてるポジションだろう。
大河がセカンドにコンバートしてくる可能性も考えたら、ショートを獲得して育てる必要もある。
 
外野はレギュラー起用されている細川・関根以外だと青柳(21)・荒波(32)・楠本(23)・白根(25)が主に起用されている。
青柳(21)は外野の中では細川の次に若いが、3年目の現在でもOPS.500台で打撃が伸び悩んでいる。
まだ若いとはいえ2軍でもそろそろ結果が求められる頃で、来年は勝負の年になりそうだ。
荒波(32)はもう2軍でやることは無いが、1軍昇格の度に結果が残せず同じような凡退で、年齢を考えてももう厳しい立場だろう。
この年齢になってくると、身体能力的なプレーよりも技術・経験を活かしたプレーが求められ、引き出しも増やしていて欲しいのだがそれが見えてこない。
来年、残留していたら最後の輝きを見せて欲しい。
楠本(23)は打撃の良さを買われて指名されただけあって、2軍ではもう打率3割OPS.800超えで、あとは1軍で結果を残すのみだ。
1軍ではまだそこまで結果を残せていないが、来年は対応を見せて1軍のレギュラー争いに入っていって欲しい。
この他には、宮本(22)がシーズン中盤から外野起用になっている。
元々内野手だったが送球エラーが多く、普通のキャッチボールでも真っすぐ投げるのが難しいぐらいになってるようで、現在は完全に外野手として起用されている。
打撃はOPS.700で、本塁打も打っているのでこれからの成長が期待できる。
外野は1軍の控えにも若手が多いので、人数的には問題ないポジションだ。
あとは質的な部分で、筒香や梶谷の代わりとなれるような選手が出てきて欲しいところだろう。
昨年高校生外野手を指名しなかったので、今年は1人くらい指名ありそうだ。
投手陣(先発)評価
若手育成に力を入れた起用。1軍で登板した若手が多く今後の成長に期待
先発の投球回上位陣は若手で、阪口(19)・熊原(24)・平良(23)・飯塚(21)・櫻井(19)・京山(20)らが主にローテを守った。
阪口・櫻井は高卒ルーキーだが、多く登板が与えられて昨年の京山と同じような育成になっている。
来年1軍登板の可能性は無いことは無いだろうが、まだ2軍でも安定しておらず、京山も2年目に1軍登板したものの苦しい成績になっているので、できれば来年も2軍で育てる方が良さそうだ。
平良・飯塚・京山は1軍で数試合登板し、あまり褒められる内容ではないが1軍の投球を習得しつつある。
現状の実力としては先発6番手か谷間を任されるぐらいのものでしかないが、チーム事情でよく投げさせてもらってる方だ。
3人ともこれから伸びてくる投手なので、この経験を来年に活かして1軍ローテ定着を狙って欲しい。
熊原は今季まだ1軍登板が無く、2軍でフォーム修正を行い投球を安定させるシーズンとなった。
これまでなかなか1軍で定着できなかったので、根本的なところからの修正に入ったと言えそうだ。
球威自体はあるので、あとはフォームを安定させれば1軍ローテも見えてくるだろう。
他にはバリオス・ウィーランド・今永らが先発として投げ、1軍への調整登板という意味合いが強い投手たちだ。
今年はこうして調整登板の投手の先発が多めになったシーズンでもあった。
先発陣は来年も若手起用の形になるだろう。今年1軍登板した投手達は来年以降1軍で投げる機会が増えてくると思われるので、新たに若い投手を獲得するのも良さそうだ。
投手陣(リリーフ)評価
全体的に停滞気味。成長が見えない投手が多く、1軍に上げても結果が残せず
リリーフ陣だと、進藤(26)・田村(25)・福地(28)が30登板以上で多いが、田村支配下登録して1軍登板したものの打ちこまれて2軍落ち。
進藤・福地は2軍でも防御率4点台前後という成績で1軍に上げれる内容とはいえず、結局1軍で戦力となれていない。
20登板以上の投手も同様で、武藤(29)・須田(32)・国吉(26)・田中健(28)・藤岡(33)・笠井(24)・加賀(33)・野川(27)など数は沢山いるが、この中でも1軍定着した投手は少なく、また1軍でも防御率が悪くて敗戦処理などあまり重要なところに入ってはいない。
年齢的に20代中盤~30代の投手達で、2軍で数年くすぶっている投手はそろそろ危うい立場になってきているだろう。
今季は中後(28)赤間(27)など、シーズン途中のリリーフ補強を行ったし、中後に至ってはすぐ1軍で起用されてそこそこ結果も残している。
このような状態では2軍リリーフ陣は首脳陣からあまり信頼されてないとも見れるし、オフは大規模な入れ替えを行う可能性もあり得る。
現リリーフ陣はもう猶予期間が短いので、来年は最後のつもりで結果を残して1軍に上がってきて欲しい。
 

指名ポイント

長々と考察を書いてしまったが、指名ポイントを絞ってまとめてみる。

①打撃良く二遊間を守れる将来の主軸候補

②宮崎の後釜のスラッガータイプの三塁手

③将来山本と併用できる打撃の良い捕手

全て野手で、しかも打撃型の選手でまとまってしまった。

は現在の二遊間の打撃の弱さが大きいだろう。特に2軍でも打撃が伸び悩んでいる上、そもそも二遊間を守っている選手自体が少ない。

去年指名した宮本が外野へ実質コンバートになり、白崎がトレードで移籍したことから極端に手薄になっている。

層も質も、チームで1番のウィークポイントだ。

今年のドラフト市場を考えたら、打てる二遊間の補強に動けるチャンスでこの機会に補強するべきだろう。

将来的に1番打者や主軸を任せるまでに育てば、二遊間が逆にストロングポイントにもなるので、狙って欲しい。

は同じく、人数の少ない三塁手だ。

今のところは宮崎がいるので問題ないが、将来的に見ると2軍で守れてるのは山下と飛雄馬の2人だけで、20代前半の選手がいない状況になっている。

ここは若い選手を獲得して2軍で育てておくべきポジションだろう。

③は捕手の年齢層やバランスを考えて補強ポイントと考えた。

高城と伊藤のトレードで、1軍捕手陣の年齢が上がり、支配下の若手だと山本しかいない状態になっている。

人数的にも少なく、今年もいきなり山本が1軍登録されたこともあって、できれば20代前半あたりで、1軍捕手陣と山本の間に入れる捕手が欲しいところだ。

タイプ的には打撃の良い捕手で、守備型の山本と将来的に併用できるようになれれば良いだろう。

ここには挙げていないが、リリーフ陣も当然補強が必要だ。

だが1軍リリーフの勝ち継投はひとまず固定されていて、敗戦処理や2軍のリリーフの問題が主なので、1位指名のポイントには入れなかった。

1位指名予想

ここまでの考察を全て含めて考えて、1位指名をこの選手と予想する。

小園 海斗(内・報徳学園

DeNAは2012年の白崎以降、5年間1位の野手指名は無かったが、そろそろ野手を指名しなければならない段階に来ているだろう。

特に内野手が1軍も2軍も数自体足りてなく、今は宮崎や大和がいるものの、あと数年したら大きな穴になってしまう恐れが出てきている。

現に田中浩や石川にも頼らなければならない状態だ。

現在の2軍では大河ぐらいしか将来的に1軍でレギュラーを掴めそうな選手がいない状態で、ここを補強するにはそれなりに実力が見込める選手でないと難しい。

特に内野はイップスなどで外野にコンバートする恐れもあるため、守備面が良い上で打撃面も期待できる選手が求められる。

それらを総合的に考え、小園を1位指名と予想した。

今年は根尾もいるが、個人的に根尾はサードや外野に移る可能性もあると考え、小園の方がショートとして期待できると考えた。

ただし内野はサードも補強ポイントではあるので、根尾も当然候補には入ってくる。

チームのウィークポイントは他にも多くあるが、それは2位指名以降で埋めていく形になるだろう。

 

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