12球団のチーム状況と今年のドラフト候補達の情報を踏まえた上で、1位指名予想をしていきます。
1位指名以外で各球団おススメのドラフト候補についてはこちらに記載。
現状分析
1軍主力
現在CS争いの真っ只中の阪神。
今年の優勝は厳しく、金本監督体制になって3年だがチームとして優勝の芽がなかなか出てこないのが現状だ。
近年の阪神の特徴として、投高打低が目立っていたが、今年はさらに打撃面が弱くなり、将来的な不安も顕在化してきた。
野手陣評価
打線低迷。二遊間は育ちつつあるが、外野は糸井・福留の後継者不在
・チーム打率 リーグ最下位
・得点数 リーグ最下位
・本塁打数 リーグ最下位
・OPS リーグ最下位
投手有利の甲子園を本拠地にしてるとはいえ、完全に打線が弱い状態だ。
打線は糸井が打率3割以上、15本塁打(チームトップ)、OPS.930と奮闘しているが、その他で打率.300超えは北條しかおらず、OPSも.800以上は糸井の他に福留しかいない。
糸井(37)・福留(41)はチームの野手陣の中でも最年長の2人で、この2人にまだ頼るしかない状態は深刻と言える。
若手では糸原が打率.280で二塁手としてはなかなか良い。
梅野は本塁打が糸井・福留に次ぐ多さで、捕手でこれだけ打てるのは強みだろう。
北條は200打席を超えて打率.300超え。ショートでこれだけ打てれば優秀だ。
捕手と二遊間で好打者が揃ってるのは好材料と言えるだろう。
捕手は2番手で原口もいて、こちらも打撃の良さが評価されている捕手で、あとは安定して守れさえすれば1軍捕手事情に困ることは無いだろう。
こう見ると、懸念は糸井・福留の後継外野手と三塁手だろう。
三塁手は大山が今年伸び悩んでいるが、ドラ1打者ということもありそろそろ主軸を任されるぐらいになってほしいところだ。
まだ若いので、これから成長を期待したいところではあるが…。
投手陣評価
先発・リリーフともに安定も、ベテラン頼りは否めない
投手陣を見てみると、こちらはリーグ上位の成績となっている。
・チーム防御率 リーグ2位
・先発防御率 リーグ2位
・救援防御率 リーグトップ
・先発防御率2点台 1名(岩貞)
メッセンジャーは投球回数がリーグ2位で、2桁勝利を挙げていて、チームの先発投手陣を牽引している。
ただ、メッセンジャー以外の投手だと岩貞ぐらいしか防御率が低い投手がいないのが気になるところだ。
他の先発だと秋山・才木・小野がいるが、全員防御率4点前後で、もう少し安定して抑えてほしいところだろう。
ただ彼らはまだ若く、来年以降成績が良くなってくる可能性は十分ある。
ルーキーの高橋遥もまだ1軍の投球回は少ないが順調で、来年からローテを任せる力をつけてきている。
メッセンジャーがもう37歳なので、衰えてローテを守るのが難しくなる前に彼ら若手が育ってほしいところだ。
リリーフでは岩崎・桑原・藤川・能見・ドリスが主に投げているが、全体的に良い。
藤川・ドリスは防御率2点台。
桑原・能見は防御率3点台だが内容は悪くない。
岩崎は防御率がやや高いが、それでももう50登板近く投げている。
ただしこちらも藤川(38)・能見(39)に頼っており、若い選手がもっと出てきて欲しいところだ。
投手も野手も、ベテランに頼り過ぎてると言わざるを得ない現状だろう。
福留・鳥谷・糸井・能見・藤川・メッセンジャー
全員37歳以上で、これだけのベテランがまだ1軍の主力級として働いてるのも珍しい。
2軍の若手状況
野手陣評価
捕手・内野手は良い競争状態。外野は1軍昇格の本命不在
野手陣では板山・緒方あたりが割と良い成績を残している。
板山は2軍で最も打席を与えられていて、打率3割近い。
守備はセカンドがメインで、そろそろ1軍に上がっても良い頃だろう。
外野手では緒方・高山が打率高く、こちらもそろそろ福留・糸井の後釜候補に上がってきて欲しいところだ。
ただ緒方は2軍で指名打者起用が多く、高山は打率は残せてるものの長打が少ないのが不安材料。
江越は本塁打を打てるが、打率が低く三振も多い。
緒方・高山・江越とそれぞれ長所短所がはっきりしてる外野手だ。
捕手では長坂・坂本を主に育てていて、坂本は打撃成績が良く1軍経験もあるので、いざとなればすぐ1軍に上がっていけるだろう。
2軍で見てもやはり外野手が懸念材料になっている。
外野手は一長一短の選手が多すぎて、1軍レギュラーになるには課題がある選手ばかりになっている。
福留・糸井が1軍でずっと主力なのも、こうした外野事情ゆえというのが分かってしまう。
投手陣評価
若手投手は充実だが、欲しいのは次世代エース級
投手陣は好成績の選手が揃っている。
福永・谷川・青柳が先発としてローテを守っており、3人とも悪くない成績だ。
彼らに続いて藤浪も投げているが、藤浪は2軍では敵なしの投球ができている。
ドラ1の馬場も2軍では防御率1点台と快投を見せていて、彼らの中から1軍に上がっていける投手が何人か出てくれれば、1軍投手陣の層も厚くなってくるだろう。
リリーフでは守屋・伊藤和・島本・尾仲らが試合数多く投げていて、1軍昇格の準備段階というところだろう。
伊藤和は2軍で抑えを任されているし、防御率も1点台で、1軍のリリーフも近そうだ。
今すぐ1軍エースや守護神を任せられるような投手はいないが、全体的に先発もリリーフも数が揃っていて、これから期待できる若手もいるので、ドラフトで重点的に指名しなければならないというわけでは無さそうだ。
指名ポイント
現状分析を踏まえてドラフト指名のポイントを3つ挙げてみる。
①糸井・福留に代われる将来主軸を任せられる外野手
②現2軍外野陣より総合力があり即戦力を期待できる外野手
③メッセンジャーのようなエース級の活躍が期待できる先発
①と②はどちらも外野手だが、現状分析をしてみると、外野は1軍・2軍ともに手薄で、将来性と即戦力の両方の外野手が必要と考えられる。
福留・糸井の年齢を考えたら、ドラフトでは3位指名までに外野手を2人しても良いぐらいだろう。
③はエース級の先発で、やはりこちらもベテランのメッセンジャーの後継者が欲しい。
ただ先発は若手が多くこれから成長が見込める投手が多いので、外野手ほど焦る必要は無いだろう。
その他の補強を考えるとすると、長打を打てるスラッガータイプが欲しいところだ。
二遊間と捕手が他球団と比べて若手が充実しているので、ここを核として他の打撃重視のポジションを強くすれば、強力打線を築くことも可能に思える。
1位指名予想
これまでのまとめを踏まえて、阪神の1位指名はこの選手と予想する。
藤原 恭大(外野手・大阪桐蔭)
今年はドラ1候補の選手が何人もいるが、阪神の場合はどう考えても藤原しか思い浮かばなかった。
理由としてはやはりチームの外野手不足。特にこのままでは世代交代に頓挫し、長期的に渡って外野手がウィークポイントになってしまう可能性が高い。
福留は明らかに衰えが見えてきたし、糸井もあと何年やれるか分からない状況。
彼らの後継者を指名するなら、今年は藤原以外いないだろう。
外野手は内野手からコンバートすることも可能だが、結局福留・糸井の後継者クラスとなるとコンバートでどうにかなるものでも無さそうだし、それなら外野手として最も優れた選手をそのまま獲得した方が良いだろう。
次点を挙げるとすると、根尾・辰己の2人だ。
根尾は外野手としても十分活躍を期待できるし、辰己は即戦力の外野手として打ってつけだ。
いずれにせよ、やはり外野手補強を第一に考えたドラフトになってくると予想する。
※藤原についての評価はこちら
12球団の1位指名予想記事まとめはこちら