データで語るドラフト・育成論

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【育成】セリーグ各球団の2軍運用~打者編~

2軍の主な役割は2つに大別され、1つは育成、もう1つは調整と言えるでしょう。

各球団2軍の育成と調整をどれぐらいの割合で行っているか、年代と打席数を元に調べてみました。

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そして下記の表が各球団の打席数上位陣です。外国人は除いています。

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これらの表から球団別に育成と調整の状況を見ていきます。

広島

25歳以下の若手へ与えている打席割合がチーム全体のおよそ5割の1500弱の打席数で、打席数上位陣を見てもほとんどが25歳以下の若手になっています。

2軍の打席数上位陣では20歳の桒原や23歳の野間など期待の若手を重点的に育てている感じですね。

31歳以上の調整目的と思われる2軍選手に対して与えている打席数は全体の1割強の450打席といったところで、かなり少なめにできていると言えるでしょう。

気になる点は外国人に対して与えている打席数で全体の2割、およそ800打席を超えます。

外国人はあくまで助っ人の位置づけの選手ですし、控えとして獲得しておくのは良いですが他の選手の育成・調整に影響が出るような起用は止めておいた方が良いと思います。

2軍で育成してる若手の中では野間・庄司・堂林らの打撃成績がまずまず良いですし、今年1軍へ昇格して結果を残す可能性があるでしょう。

 

巨人

25歳以下の若手へ与えている打席割合は広島と同じく全体の5割ほどの約2200打席となっています。

広島と同じように若手育成重視のように見えますが、打席数上位陣を見ると26歳以上や30歳以上の選手も見えており、26歳以上も全体の4割ほどを占めてるので育成と調整はほぼ半々といったところですね。

巨人は外国人選手を沢山獲得していましたが、2軍では外国人に対してそれほど多くの打席を与えておらず、育成や調整に影響を出すようなことにはなって無さそうです。

これなら調整目的の選手がシーズン中に1軍昇格する可能性も高まり、育成も考えた運用になってると言えます。

巨人の2軍ではやはり岡本が打席数も成績も頭1つ抜けています。

今年は3年目ですし、1軍昇格して結果を残し1軍定着する可能性が高いですね。

坂口など若手とは言いづらくなってきた選手も好成績を残しており、今年は1軍昇格の勝負の年になってくるでしょう。

 

DeNA

25歳以下の若手の打席割合が全体の6割、約2800打席と近年の若手育成路線がはっきりと表れており、他チームと比較しても育成重視と分かります。

20歳までの選手だけでも約2割、900打席を占めてますから、高卒野手の育成にも力を入れてるのが見えてきますね。

その裏付けとして打席数上位陣には青柳・百瀬ら高卒1・2年目組が入っており、他の選手を見ても25歳以下が殆どです。

31歳以上の調整目的の選手に対しては400打席ほどで、元々この年代の人数が少ないのもあり明らかに育成>調整の形になっています。

外国人に対しても1割にも満たない200打席ほどで、育成が大勢を占めていますね。

育成中の若手の中では白根が打席数トップで打撃成績もまずまず良いです。

青柳百瀬はまだ1軍に上がれるような打撃成績は残せていませんが、多くの打席数を与えられていますし、ここから成長していく可能性を持っていますね。

去年のドラフトでは支配下で野手を4人も獲得しましたから、更に2軍は育成目的で使われていくことでしょう。

 

上記の表と同じです。

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阪神

25歳以下の若手に与えている打席数が全体の4割の1800打席ほどと、他球団に比べてやや少なめになっています。

どちらかというと26歳~30歳の中堅層へ打席数を多く与えており、1軍に上がってこれそうな選手を重点的に起用しているように見えますね。

チーム内の打席数上位陣を見ても、期待の若手横田は重点的に打席数を与えられているようですが、陽川・緒方・森越・上本など1軍昇格待ちの中堅層にも多く打席を与えていて調整させていますね。

成績を見るとやはり陽川上本が好成績で、いつでも1軍へ上がれる状態になっていました。

こういう2軍だと1軍選手の怪我などいざという時に強いですが、若手育成の効果が出にくくもう少し若手を起用しても良いと思います。

板山植田などはまだ2軍でもあまり成績を残せていませんが、ある程度我慢して使っていくことで成績が向上することもあるので、もう少し打席を増やしても良いと思います。

 

ヤクルト

広島や巨人と同じく25歳以下に与えている打席数は全体の5割ほどで、2軍は育成と調整が半々の形になっていますね。

ただ31歳以上の打席数がかなり多く、全体の約2割・1000打席近くになっています。

他球団と比べてもかなり多く、ベテラン選手の調整に多くの打席数が使われていますね。

チーム内打席上位陣の平均年齢はセリーグで1番高いですし、松井・藤井・森岡・武内など30歳前後の選手たちが上位に名を連ねています。

山崎晃・廣岡・奥村など若手にもしっかり打席を与えて育成しているため、若手もベテランも起用している形にはなっていますが、もう少しこれから1軍に上がってくる選手に対して打席を増やしても良いと思います。

廣岡は昨年1年目でしたが、打席をきっちり与えられてOPS.600以上の成績を残しましたし、今後伸びる余地が十分に期待できる選手でしょう。

球団として特定の若手に対してはしっかり打席を与えて育てる方針を取ってるようですし、これから伸びてくる若手が出てくると思います。

 

中日

25歳以下の打席数はセリーグで1番低い3割近く・1400打席ほどになっていますが、これは近年のドラフトで社会人野手を多く指名していることも影響していますね。

26歳~30歳までの選手には約5割の2000打席近くを与えており、中日としてはむしろこの層を育成対象として見ている感じでしょう。

打席上位陣を見るとほとんどが25歳~29歳で、若手が少ないですが30歳以上の選手もいないという形です。

この層が多いということは1軍へ昇格しやすい選手が多いということですが、まだ1軍で定着できるほどの選手が多くないのが現状ですね。

2軍成績だと古本・松井佑・遠藤などが好成績ですので、彼らが今年1軍に定着できるようになると徐々にチームの世代交代が進んでいくでしょう。

ドラフトでは京田石垣など期待できる選手を獲得できたので、彼らが2軍に入って結果を残せば徐々に層の厚いチームになってくるでしょう。

 

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