データで語るドラフト・育成論

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【横浜DeNA】今ドラフトで最も重要なポジションはここだ!【2021年】

交流戦に入ってDeNAは調子を上げてきたように見えますが、ペナントレースではまだまだ最下位の位置にいます。

今季の低迷については色々と原因が考えられますが、現時点でチームの課題や補強ポジションが見えてきたので、今ドラフトで重要と思われるポジションを考察してみました。

 

ここではその重要なポジションを3つ挙げてみます。

 

先発投手

DeNAは長らく大学生投手をドラフト上位で必ず指名してきました。2013~2020年のドラフトまで、大学生・社会人の投手がドラフト1・2位に入らなかった年は1度もありません。2013~2018は6年連続大学生・社会人投手をドラフト1位指名してきましたし、2020年も大学生投手なので、8年間で7度1位投手を指名してきました。

そうした即戦力投手重視のドラフトで、それによって先発投手の頭数は大分増えてきましたが、ここへきてまだ先発投手の状態があまり良くないです。

 

先発の成績 ※6/8時点

濵口  11試合 3勝4敗 63回 防3.00 QS率72.7%
大貫  9試合 1勝5敗 41回1/3 防7.40 QS率33.3%
ピープルズ 6試合 2勝2敗 29回 防4.66 QS率33.3%
阪口  5試合 1勝1敗 21回 防4.29 QS率0.0%
坂本  5試合 1勝1敗 21回2/3 防3.32 QS率40.0%
入江  4試合 0勝4敗 18回1/3 防7.85 QS率0.0%
上茶谷 4試合 0勝3敗 16回 防10.69 QS率25.0%
ロメロ 4試合 0勝2敗 15回 防7.80 QS率0.0%
京山  3試合 0勝1敗 16回1/3 防8.27 QS率0.0%
今永  3試合 0勝1敗 16回1/3 防4.41 QS率40.0%
中川  5試合 0勝0敗 18回1/3 防4.42 QS率33.3%
平良  2試合 0勝0敗 10回 防0.90 QS率0.0%

まだシーズンの半分も経過していないですが、現時点で先発起用は上記の12人です。しかし殆どの先発があまり良い成績を残せていない状態で、濵口が唯一奮闘しているといったところでしょう。

チーム内の先発投手はこれまで起用されてきた投手達でほぼ全員で、他に新規で1軍に上げてくるには東が実戦復帰してくるか、リリーフ投手を先発に配置転換するか、育成投手の宮城や石川達を支配下登録するしか無いです。なので現状で先発の戦力はほぼ出し切った状態になり、人数的にもギリギリの状態になっています。

ここで平良がTJ手術を受けたことで来季は更に1人減った状態になりますし、戦力的にも人数的にも苦しい状態になってきました。

既存先発陣を見ると、濵口・今永・大貫・上茶谷らは1軍でローテを守った実績のある投手ですし、坂本・阪口・京山・中川ら伸び盛りの若手も多く、この上に昨年ドラ1の入江や外国人のピープルズ、ロメロがいるという状態なので、ここから何人かが安定してローテに定着する可能性も十分あります。
その彼らに期待するなら、ドラフトでも先発の補強を最優先にしなくても良いのですが、実際に今季のこの現状を考えると編成としても動かないわけにはいかなくなるでしょう。

なので今まで毎年のようにドラフト上位で先発を獲得していますが、今ドラフトでも再度上位で先発投手を指名するという可能性は高いといえます。

 

遊撃手

DeNAは2020年は大和・倉本・柴田の3人体制で1軍ショートをまわしていて、3人とも1軍での実戦経験豊富な選手たちのため非常に安定していました。編成の方針としてはこの3人が1軍にいる間に2軍で森を育成して、将来の1軍レギュラーショートにするつもりだったのでしょう。そのため、昨年ドラフトでは牧を2位指名したことで、柴田をショートに専念させやすくしました。この方針自体はそこまで間違っていないと個人的に考えています。

ただ、今季は1軍の柴田・倉本が2人共故障するというアクシデントが発生し、その対応として知野を上げたりしましたが現状では大和1人がショートを守っている状態です。大和は実戦経験が最も豊富ですし、攻守両面で信頼できる選手です。しかし今年33歳という年齢を考えると、現状の大和1人に頼るような状態は将来的に不安になってきます。
1軍ショートが2人も故障するというアクシデントは、今後そうそう起きないと思いますが、2軍でショートとして育成しているのが森のみということを考えると不安はあります。なのでその不安を解消するためにも今ドラフトでショートを指名する可能性は高いでしょう。

指名する選手ですが、いざという時に1軍のショートを任せられる選手が1番良いです。しかし森が今季2軍でしっかりと結果を残し、来季から1軍で起用できる目途が立つなら、2軍で育成するショートでも良さそうです。1軍が柴田・倉本・大和・森の4人体制にできるのなら、例え2人故障したとしても代わりは利きますし、調子の良い選手を起用していく事ができるのでショートの層が厚くなります。

逆に森がまだ来年も1軍は早いという状態なら、来年から1軍で起用できるような大卒か社会人のショートを指名する可能性もあります。
柴田と倉本は共にドラフト3位指名ですが、共に1年目から1軍で起用されています。2人共1年目の1軍成績はOPS.600を切っていてレギュラークラスでは無いですが、同程度のショートを指名して普段は2軍で起用しつつ、1軍で柴田・倉本・大和のうち1人で欠員が出た場合に1軍昇格して代役を務めるということができれば、ひとまず十分だと思います。いずれにしても1軍で起用できる程度の選手は欲しいので、指名順位は3位以上になってくる可能性が高いでしょう。

 

捕手

捕手は今季、監督が交代したことで起用の方針も変わりました。昨年までは戸柱をメインで起用しつつ嶺井や伊藤光・高城を併用する形でしたが、今季は戸柱~嶺井~伊藤光という感じで移り変わっていて、誰をメインで起用するというよりも、その時に1番調子が良い捕手を固定する起用になっています。

ただ、全体的に打撃成績があまり良くなく、現状で伊藤光が1番良い状態ですが好調をどこまで維持できるかは不安なところです。

こういう状態だと若手捕手の台頭を期待したいところですが、高城や山本は今季1,2試合しかスタメンマスクを守っておらず、まだスタメン起用されるほどの信頼を得ていません。高城は28歳ですし、山本も大卒1年目と同じ世代ですので、ここで1軍で起用されていないのはやや厳しい立場になってきていると言えます。

ファームの益子・東妻はまだまだ育成が必要な段階ですので、来季も2軍中心になると思いますが、そうなると捕手の上積みがなかなか無い状態が続いてしまいます。

これらを考えて、今ドラフトで上位で捕手を指名し、今の停滞気味な捕手陣に新しい血を入れる可能性は大いにあるでしょう。

指名する世代としては大学生・社会人捕手で、1年目から高城や山本と1軍枠を競わせることができるような捕手になると思います。特に今の捕手陣は打撃面で波があってなかなか安定しないので、打てる捕手というのが最低条件になってくるでしょう。

逆に高校生捕手の指名は可能性が低く、2軍は益子・東妻の育成中心にしていくでしょう。

 

まとめ

今ドラフトで最も重要なポジションとして先発・遊撃手・捕手を挙げてみました。

センターラインですし、今年だけに限らず毎年重要なポジションになると思いますが、現状のチームの補強ポイントはまさにこのセンターラインになっていますし、今年のドラフトでセンターラインをしっかりと強化することは重要になるでしょう。

これ以外のポジションも重要ですが、上位指名ならこの3つがやはり重要になると考えます。

 

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