2021年へ向けて、選手1人ずつにそれぞれ期待することを書いていきます。
今回は伊藤 裕季也 選手です。
2020年の振り返り
伊藤選手は2018年ドラフト2位指名、立正大出身の大卒内野手です。
大学時代は二塁手で、並外れたパワーを活かして本塁打を量産しており、DeNAとしても強打のセカンドが補強ポイントとなっていたので指名しました。プロ1年目は1軍では21試合 57打席と少ない出場機会でしたが、その中でも本塁打を4つ放ち打率.288 OPS.929とインパクトのある成績を残すことができました。ただ、守備範囲が狭いなど打撃では無く守備面で課題があり、その課題を克服するため2軍落ちになっていました。2年目も2軍がメインでしたが、課題の守備に関してはかなり改善されてきたように見られます。
2019→2020年の二塁・三塁の守備率の変化を見てみると、以下の通りになっています。
二塁:41試合 .954 → 45試合 .979
三塁:47試合 .935 → 12試合 1.000
失策が少なくなりましたし、2軍のプレーを見てても守備範囲の広さやグラブ捌き・送球などが1年目よりもずっと改善されていました。
打撃面では1軍昇格は5試合しかありませんでしたが、打率.286 0本塁打(1三塁打) OPS.804 という成績を残しており、少ない試合ながらも1・2年連続で結果を残したと言えます。
ただ1つ気になる点を挙げるとすると、2020年は2軍開幕時から打撃絶不調が続いていて、打撃の粗さが見えました。2軍開幕から6月は23打席 19打数 0安打 3四球 7三振といった内容で、全く安打が出ない時期が続いていました。その後7月には打撃の調子も上げてきましたが、開幕からのこの不調が1軍昇格に大きく響いたのは確かでしょう。
2020年の2軍成績を見ても、230打数 打率.248 7本塁打 OPS.703と、悪くは無いものの突出はしていないという成績で、これでは1軍になかなか上げにくかったのも納得です。1軍では少ない打席で結果を残しているだけに、元々のパワーや勝負強さは持っていると思いますが、やや調子の波が激しく打撃が安定しない点があり、これを2021年は改善する必要があるでしょう。
持っている素質は良いものがあるだけに、あとはそれをどう生かすかで、この点はレギュラー奪取前の宮崎や佐野とも似ているかもしれません。
2021年に期待すること
1軍でうまくハマれば一気にレギュラー奪取できる可能性を持っていますが、現状だとまだそこまでには至っていないということで、結果を積み重ねていくことが大事になるでしょう。その上で期待したいのは「打率.280 10本 OPS.800」という成績です。
宮﨑がサードのレギュラーに定着したのは2016年ですが、その前年は「打率.291 11本 OPS.815」という成績でした。伊藤裕はまだ打撃の安定感に課題があるため宮崎ほどの打率を残すのは難しいですが、本塁打数は近づけることが可能だと思いますし、2桁打てることで首脳陣から1軍で起用したい選手として評価が高まってくるでしょう。
将来的にはセカンドかサードのレギュラーとして期待している選手ですし、特に宮崎の後釜問題は今後非常に重要になってきます。そのため宮崎がレギュラー奪取する前年の成績に近い成績を残してくれれば、宮崎の後釜候補として考えることができるでしょう。守備面も含めて、サードの後継者候補として文句のない選手と評価される活躍を期待しています。
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