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【横浜DeNA】国吉 佑樹 投手への期待・成績【2021年】

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2021年へ向けて、選手1人ずつにそれぞれ期待することを書いていきます。今回は国吉 佑樹 投手です。

 

2020年の振り返り

国吉投手は2009年ドラフトで育成1位指名された秀岳館高校出身の右腕です。2020年で11年目を迎え29歳になりました。同世代だとMLB挑戦した筒香がいます。

育成指名からのスタートでしたが、元々190cm以上の長身で投手としての伸びしろを高く評価されていましたし、プロ入り後2年目から急激に球速が上がってきて150kmを連発できるまでになりました。2軍では主に先発で9試合に登板し、42回1/3 防御率1.91 WHIP1.16という成績で、制球は荒れ気味でしたがその分奪三振能力が高く、これらを首脳陣から高く評価されて2年目のシーズン後半から支配下登録されることになりました。3年目には1軍で先発として19試合に登板し、4勝12敗と大きく負け越したものの112回2/3を投げ、防御率3.67 QS率57.9%という結果で、やや援護に恵まれなかったもののローテ投手として一定の成果を残せました。

ただ4年目の2013年は調子が不安定になります。右肩痛の影響で1軍に上がってくることができずこの年は3試合の登板に留まったのみ。5・6年目の14,15年はリリーフとして一定の結果を残せましたが、以降16年~なかなか安定した投球ができず18年までの3年間で1軍登板はわずか18試合にまで減少します。

このままでは厳しい状態という中で迎えた2019年、国吉は開幕前のオープン戦で自己最速の159kmを投げるなど猛アピールして開幕1軍を勝ち取りました。この年はシーズン中にも最速更新の161kmを投げるなど、球速UPへの意識がとても強くラミレス監督もこの点を高く評価して1軍で起用し続けました。この年の防御率は4.80でしたが、53試合に登板し5勝3敗9Hで、荒れ球の投手ながら速球派のリリーフとして1軍定着することができました。

2020年、国吉は更に投球に磨きをかけて開幕からずっと1軍でシーズン終了まで完走しました。42試合 46回 3勝4敗10H 防御率3.13という成績で、防御率やホールド数は前年よりも改善し、安定した投球ができるようになりました。

育成指名から始まり、先発・リリーフを経験して様々な好不調を経験しながらも、今や1軍の主力リリーフの一角を担う存在になりましたし、 国吉は育成からの大きな成功例と言えるでしょう。年齢的にもまだまだ1軍で活躍していけると思いますし、更に投球を磨いて長く1軍リリーフを支えて欲しいですね。

 

2021年に期待すること

2021年は30歳を迎える国吉で、投手としては技術とポテンシャルが合致した最も充実した時期にきていると思います。不安なのは怪我で、ここ2年間は特に1軍でフル回転に近い登板数を続けてきたので、怪我が無いよう乗り切ることが第一ですね。

その上で「70試合 防御率2.50 30ホールド 奪三振率10.00 与四球率3.00」という成績を期待します。 この成績は2019年のエスコバーの成績を参考にしています。エスコバーは国吉と右左の違いがありますが、同じ速球派のリリーフで2019年のエスコバーは74試合に投げながら防御率2.51、33ホールドという安定感でした。奪三振能力・制球力も安定していましたし、最も頼りになったリリーフと言えるでしょう。国吉には是非、このエスコバーのような投球を期待したいです。右のリリーフでパットンが退団しましたが、パットンの後釜として右のセットアッパーを務めるのは、現在のところこの国吉が1番手として挙がってくると思います。そういった中で最高の成績を残すことで国吉に対しての球団の信頼は一段と増すと思いますし、昨年以上に安定したリリーフ陣を形成することができるでしょう。

フル回転で最高のピッチングを見せてくれることを期待しています。

 

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