2021年へ向けて、選手1人ずつにそれぞれ期待することを書いていきます。今回は戸柱 恭孝 捕手 です。
2020年の振り返り
戸柱は2015年ドラフトで4位指名されたNTT西日本出身の捕手です。入団時から捕手としての能力を高く評価されていて、特にキャッチングの良さは当時の捕手陣の中でも抜き出ていました。ラミレス監督はこの戸柱のキャッチング能力に着目。後ろに逸らすことが少ない壁役として能力を高く評価しました。
これによって戸柱は1年目から1軍で110試合もスタメンマスクを被ります。2年目でも90試合にスタメン出場し、捕手としての守備力でレギュラーを掴んできましたが、3年目になってから打撃が低迷。ただでさえあまり打撃面ではそこまで好成績を残せていませんでしたが、2018年は打率1割台、OPSも.500を切っていて投手並みの打撃成績になっていました。しかもこの年には伊藤光をトレードで獲得してきたこともあり、戸柱はシーズン後半は2軍で過ごすことになりました。
2019年になっても最初は1軍であまり起用されない立場でしたが、シーズン中盤に伊藤光が故障した際には起用機会が増え、最終的に29試合でスタメンマスクを被りました。
そして迎えた2020年、開幕時から戸柱は伊藤光・高城と併用という形で起用されていました。戸柱はフレーミングやキャッチングに優れていることから、リードは外角低めなどストライクゾーンの厳しいところに構える傾向があり、これが制球力のある投手にとっては力を引き出すリードとなりました。実際、平良・大貫は先発陣でも制球重視のタイプですが、この2人と戸柱を組ませたことで2020年は一気に安定感が増して成績が良くなりました。
シーズン中盤に伊藤光が2軍に落ちてからは戸柱のスタメンが非常に増え、先発の殆どで戸柱がスタメンマスクを被りました。打撃面では正直そこまで良いとは言えない成績で、打率は2割前半、OPSは.500台という状態でしたが、制球重視の投手の力を引き出すリードや、盗塁阻止率の向上(リーグ2位)もあって守備型の捕手として首脳陣から大きな信頼を得ていました。
大貫が飛躍したのは戸柱とのバッテリーを組んだことも影響していたと思いますし、2021年以降も大貫や平良とは戸柱が組む形になっていくでしょう。
2021年に期待すること
打撃面であまり結果を残せないため、どうしてもそこで評価が低くなりがちですが、キャッチングの上手さや制球重視の投手の力を引き出すリードなどはチーム内でもトップレベルだと思います。盗塁阻止率は2019年まで戸柱の課題でもありましたが、2020年には.352(リーグ2位)まで上げてきたことで、捕手としての守備力はかなり高いレベルになってきました。ラミレス監督が好んで起用した捕手でしたが、監督が交代したことでどのような起用になっていくか。ただ、戸柱の守備力に関しては三浦監督も分かっていると思いますし、1軍戦力としての期待はきっと高いでしょう。
あとは課題の打撃の強化さえできれば正捕手として文句ない選手になると思います。期待する成績は「120試合 400打席 打率.250 10本塁打 OPS.700 盗塁阻止率.400」です。
野手として期待する打撃成績にしてはやや低いかもしれませんが、これが達成できれば戸柱のキャリアハイを十分超える成績ですし、それに加えて盗塁阻止率も高く、その他の守備もしっかりとできれば総合力は間違いなくチームトップになるでしょう。
戸柱は2021年に31歳になります。捕手としては最も充実した時期に来てるといえますし、ここから実績を積み重ねていけばあと5年以上1軍捕手として起用されることも十分にあり得るでしょう。打撃での派手さが無いですが、守備力が高く玄人好みな捕手と言えますし、評価できる部分・成長している部分を見ているファンも少なくないはずです。自分も戸柱のキャッチング技術は入団時から素晴らしいと思いながら見続けていますし、是非長く活躍して欲しいと思います。
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