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【横浜DeNA】佐野 恵太 選手への期待・成績【2021年】

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2021年シーズンへ向けて、選手1人ずつにそれぞれ期待することを書いていきます。今回は佐野 恵太 選手 です。

 

2020年の振り返り

佐野は2016年ドラフトで9位指名された明治大出身の選手です。本指名では全87選手中84番目というギリギリのところでの指名でした。この佐野指名については、DeNAの編成陣が会議中に話し合って決めたということで、当初は指名する予定は無かったそうです。8位指名まで終わった段階であと1人だけ野手を指名するということになり、2人の大学生が候補に挙がっていました。その中で高田GMが「どっちの方が打てるんだ?」とスカウトに聞いたところ、「佐野です」と声が返ってきたことで指名を決断。これが佐野がDeNAに指名された経緯でした。

当時の佐野の特徴として、確かに打撃面は評価が高かったものの、守備面が課題で大学でも一塁ばかり守っていた選手でした。おそらく当時の評価としては、将来左の代打で起用出来れば良いぐらいだったのかもしれません。しかし佐野はそこから攻守で練習に励み、プロで活躍できるよう努力し続けます。

 

DeNAに入団して1年目は1軍で全くと言えるほど結果を残せませんでした。打撃が長所ということで指名されましたが、1年目の1軍成績は18試合 24打席 21打数 2安打 打率.095 0本塁打 OPS.351という結果で、厳しいスタートとなってしまいました。ただ、2軍では2桁本塁打を打つなどパワーのあるところを見せたため、伸びしろは期待できる選手でした。

2年目は1軍での起用も増え、73試合に出場しました。130打席 打率.230 5本塁打 OPS.627という成績で、まだこの頃は代打での起用がメインでした。たまに守る守備位置は左翼・右翼・一塁でしたが、左翼は筒香、右翼はソト、一塁はロペスと打線の主力が鎮座しているポジションのため、ここから勝ち上がってレギュラーを獲るのはなかなか厳しい状態でした。この時点でもまだ、代打要員という未来しか見えなかったかもしれません。

3年目は1軍成績がかなり向上し、代打の1番手として重宝されるまでになりました。89試合 215打席 打率.295 5本塁打 OPS.764という成績で、主に代打ながら打率3割近く打てていたのはチームにとって大きな強みでした。筒香が一時期三塁を守った時期があり、その時は佐野が左翼のスタメンになることが多かったですし、ソトが二塁で起用される時には右翼のスタメンで起用されることが多く、強打者の代わりの選手として十分に役目をこなしていました。

 

そして3年目のシーズン終了後、筒香MLB挑戦し球団を去ることになりました。主将・4番・左翼という役割を担っていた筒香がいなくなることで、誰を代わりにするかはファンの間でも議論になりましたが、当時のラミレス監督は筒香がやっていたそれらの役割を全て、佐野に引き継がせることを決めました。

ここまで佐野はレギュラーとして定着した実績は無く、まだ大卒4年目で経験も浅いことからこの決定は大きな論争を呼ぶことにもなりましたが、ラミレス監督は佐野の主将・4番・左翼を早々と決めて春季キャンプからその起用を始めていきました。

そして迎えた2020年のシーズンが開幕すると、佐野は見事に起用に応える活躍をします。開幕してからの6月の月間打率は.351と打ちまくり、繋ぎの4番としての役目を果たします。7月に入っても安打のペースは衰えず、後半からは本塁打も打ちだし始めました。そこから8月・9月も好成績を維持し続け、1度も打率3割を切る月が無く不調がありませんでした。

 

しかしそんな佐野が10月に入ると成績を落とし始めてしまいました。おそらくここまで起用してきたことで疲労が溜まってきた影響で、打率が下がり始めてきます。しかしこの状態でも10/11~16の期間に5試合連続本塁打を打ち、連続本塁打の球団タイ記録を達成しました。打率は下がっても本塁打で取り返すという活躍を見せます。ただ、10/25の広島戦でプレー中のヘッドスライディングで左肩を脱臼するというアクシデントがありました。結局これが響いてしまい、この試合を最後に1軍戦に出ることは無く、シーズンを終えることになりました。

ただ、佐野はこの時点で規定打席に到達していて、打率が.328とリーグトップで終えたことで首位打者のタイトルを獲得。文句無しのシーズン成績を残しました。昨年まではレギュラーではなく控え選手として起用されていた佐野が、4番・左翼でレギュラーを獲って、首位打者のタイトルを獲得するという大躍進の活躍を見せました。

これはラミレス監督の抜擢も大きかったですが、佐野自身がプレッシャーに負けずに自分の力を最大限に引き出し、常に良い状態を維持し続けた努力などが大きく、ドラフト9位指名の選手だった頃の評価を完全に払拭することができました。佐野の活躍は下位指名の選手や、レギュラーを獲れていない選手にとっても大きな力になったと思います。

まだ26歳ですし、これからの成長と活躍を大いに期待したい選手ですね。

 

2021年に期待すること

佐野には引き続き2021年も主将・4番・左翼としてレギュラーでの活躍を期待するのはもちろんですが、まだ若いので成績も更に向上させていって欲しいです。

具体的に期待する成績としては「143試合 600打席 打率.350 30本塁打 OPS1.000」です。2020年の心残りといえばシーズンを完走できなかったことで、21年こそ完走して欲しいです。その上でキャリアハイを上回る成績として打率.350 30本塁打 OPS1.000を期待します。佐野は好調時の月間成績ではこの打率と本塁打のペースで打てていましたし、達成できる力は十分に備わっているでしょう。またシーズン中に大きな不調も無かったことで好調を維持すれば、これ以上の結果も高望みでは無いはずです。タイトルはもちろん首位打者を期待します。この打率なら他の選手を大きく引き離して首位打者となることも期待できますし、更に高みを目指して欲しいです。

もう佐野は誰もが認めるDeNAの主将・4番・左翼のレギュラーですし、ここから長くチームを任される選手となり、筒香以上の結果を残してDeNAの歴史に名を刻む選手になることを楽しみにしています。

 

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