横浜DeNA 背番号56
社会人出身7年目の投手、濱矢廣大
高卒社会人で社会人3年目の2013年に楽天からドラフト3位で指名されました。最速148kmを身長185cmという長身から投げおろす左腕で、即戦力として見られつつもスカウトのコメントでは伸びしろも期待されていました。
1年目の2014年はまずは2軍スタートで、2軍では先発として調整して安定していましたが、8月に肋骨骨挫傷の怪我などもあり、1軍昇格はやや遅れて9月後半になりました。1軍初登板は9/28に登板し、5回を投げて2失点で勝利投手となりました。1軍はこの登板のみでしたが、先発の仕事をこなせたことでまずまずの評価は得られていたことでしょう。
2年目はリリーフ要員として開幕1軍に抜擢され、数試合は抑えていましたが4月中旬に打ち込まれてしまい無念の2軍降格。7月に再昇格するもあまり良い結果は残せず、結局このシーズンはリリーフで8試合の登板に留まりました。被安打と与四球が多く、不安定な投球が多かった点で首脳陣も起用しづらさがあったのだと思われます。
3年目も前年の課題があまり改善せず、13試合に登板しましたがそのうち6試合で失点していて、リリーフとしても不安定さが解消されませんでした。
4年目はまた開幕1軍を掴みましたが、四球の多さは改善せず、投球回数以上に四球が多い状態で不安定さは変わらず9試合の登板に留まりました。
5年目の2018年はようやく四球数を減らす事ができ、7試合の登板に留まりましたが防御率3.72と1年目以来の3点台に留めることができました。
そして迎えた6年目の2019年開幕前にDeNA熊原とのトレードが成立。この年はDeNAで2試合に登板してそのどちらも制球難から失点してしまい、1軍で結果を残すことはできませんでした。
このようにドラフト指名時の期待とは裏腹になかなか1軍で結果を残すことができない状態が続いていて、トレード後もなかなか改善せずに厳しい立場が続いている状態です。
現時点で濱矢について首脳陣がどう評価しているかと、今後濱矢が1軍で活躍する可能性や方法について、書いていきます。
濱矢の直近の成績・指標
まず始めにこれまでの投手成績を見てみましょう。
1年目から1軍で登板して、初勝利も経験しましたが内容はあまり良くないですね。被安打率がかなり高く打ち込まれていたのが分かりますし、与四球率も悪いのでWHIPが2.40という異様な高さになっています。これを見ると正直勝ち投手になれたのが不思議なくらいで、打線の援護と守備に助けられたとも言えるでしょう。
2年目からはリリーフになりましたが、指標を見ると奪三振率が高くなりましたが、被安打と与四球はほぼ変わらず、相変わらず高いWHIPになっています。3年目・4年目も変わらず2.00以上の高さ。ここまでの成績だと1軍で起用するのが非常に難しいですし、勝ち継投や競ってる時に使いづらいです。
5年目にようやく改善して見られる内容になってきたかと思います。そして6年目にDeNAにトレードとなり、この年は2試合登板だけですが、内容はまた大きく悪化してしまいました。 環境が変わった影響もあるかもしれませんが、まだ根本的に不安定な投球ということなのでしょう。
ここまでの起用を見ると、1軍リリーフとしては登板数が少ないですし、楽天でもDeNAでも正直戦力になっているとは言い難い状態です。1軍のビハインド専用リリーフでもシーズンで30試合前後は投げますから、その役割すらまだできていないので、危うい立場と言えるでしょう。
2軍成績も見てみますと、楽天時代も含めて実戦登板の機会は多く、成績もまずまず安定しています。1軍で課題だった被安打率・与四球率も2軍ならまずまずの数値になっています。ただ、毎年の成績を見ていくと改善があまり見られないですね。
ドラフト時はスカウトから伸びしろが期待されていましたが、その伸びしろが見えてこないので期待外れになってしまった感があります。4年目に2軍でもリリーフ起用が主体になって内容も改善しましたが、5年目に続かずむしろ悪化してますしなかなか安定しません。DeNAではまた先発起用が増えましたが、指標的にはあまり改善できてないですし、2軍でもやや苦戦しています。
先発にしてもリリーフにしてもどちらも安定してないので、適性が分かりづらいですし、方針が立てづらい投手になってしまってますね。
濱矢の現在の立場とこれからの活きる道
2軍でもあまり安定した成績を残せていない以上、1軍に上がってくるのはなかなか難しいでしょう。濱矢の場合はリリーフ左腕なので1軍の状況によっては役割として昇格する可能性はありますが、 それでもそもそも成績が悪ければ上がってくる可能性は低いですし、他に成績の良いリリーフ左腕がいればそちらを起用するため、厳しい立場です。2020年には27歳となり年齢的にもう若手ではなく中堅世代ですし、結果のみが求められる立場になっています。
そんな濱矢がここから1軍で起用されるようになるためには、当たり前ですがまずは2軍で結果を残すことですね。2017年の2軍成績は投球回数が少ないですが結果を残せましたし、良い状態なら抑えることは可能です。この良い状態をできるだけ長く維持し、1軍から声がかかりやすいようにすることが第一でしょう。
そうして声がかかって1軍に上がれたなら、1軍でも同様に与えられた役割で結果を残せるようになるしか無いですね。ここまで勝ち継投どころかシーズン15試合以上登板することも無かったので、もはや役割云々言ってられない状態ですから、ビハインドリリーフでも全力でやるべきでしょう。
DeNAのリリーフ左腕だと石田・エスコバーが勝ちパターンで起用されることが多く、砂田が勝敗に関わらず起用されている形で、彼ら以上の結果を残すことは正直難しいでしょう。ただビハインドの場面では現状だと武藤や藤岡が任されていて、彼らは右腕なのでここに左腕の濱矢が入っていくことは意味があります。
ビハインドのリリーフ左腕としての地位を確立できれば、2軍で先発登板してた経験も活きてきますし、チームに必要な投手として首脳陣からも評価されるでしょう。これが現時点での濱矢を活かせる道かと思います。
年齢的にもトレードしてきたことを考えても、結果を残すまでの猶予期間はもう非常に短くなっていて、正直今年のオフは危ういと思います。なのでまだ開幕が未定ですが、いつ開幕しても大丈夫なように今のうちから準備をしっかりやっていて欲しいと思います。今の条件はどの選手も同じなので、あとは自分でどれだけ頑張れるかでしょう。
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