データで語るドラフト・育成論

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【育成】セリーグ各球団の2軍運用~投手編~

前回は打者の打席数と年齢から2軍運用を考察してみましたが、今回は投手編です。

各球団年代別の投球回の割合をグラフにまとめました。

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そして下記が各球団の投球回上位陣です。外国人は除いています。

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これらの表から球団別に投手の育成と調整の状況を考察していきます。

広島

広島は投球回割合・投球回上位陣のどちらもセリーグでトップの若い投手陣がつくれています。

30歳以下が9割近くの投球回を占めていますし、上位陣はほぼ全員20代前半。

オフに大きな戦力入れ替えもありませんでしたし、若手育成が順調に進んでいることを表していますね。

20歳以下でも約150イニングが与えられていてリーグトップの投球回数ですし、その年代の塹江高橋樹などはチームとして力を入れて育成されてる投手でしょう。

昨年ドラフトでは高橋昂アドゥワなど期待の高卒投手を獲得できましたし、彼らを育てることで更に若手主体で長期的な強さを持ったチームになってきます。

近年の広島は打線が注目されていますが、投手王国づくりも着々と進んでいますね。

 

巨人

投球回上位陣の平均年齢はやや高めですが、それでも20代前半の若手を起用し育成向きのチームになってきていました。

ただしオフの大補強の影響がここに響いてきており、それを示すのが投球回上位陣から5人もの投手が退団・移籍していることです。

若手とベテランをバランス良く起用できていたのが、ここへ来て小山平良などが1軍に定着する前に流出してしまうことで、不十分な結果に終わったと言えるでしょう。

巨人には他にも桜井・中川・與那原など期待できる20代前半の若手がいるので、今度は彼らを1軍に上げれるようしっかり育てることが大事ですね。

ドラフトでは高田萌・大江・リャオなどを獲得できたので、期待できる若手は沢山います。

巨人が今後どういうチームを目指すのか見えてこないですが、こういう若手をしっかり育てる環境づくりをしておくことは長期的な強さを持つチームの必須条件ですので、補強と育成をうまく両立して欲しいですね。

 

DeNA

平均年齢が高く、しかも36歳以上と外国人の割合が3割近くを占めているかなり育成に不向きな運用がされていました。

外国人が思ったより結果を残せなかったのと、1軍で若手が台頭しつつあり、その影響でベテランが2軍になってしまったというのが現状でしょう。

ただ上位陣では若手の起用があり育成へシフトしつつあるのは見えます。

オフには三浦の引退や、久保裕・長田などベテランの退団、外国人も投手は総入れ替えになりましたので、ベテラン・外国人は今年ほど起用されることは無くなってくるでしょう。

20歳以下の投球回割合が比較的多いですが、飯塚綾部の2人だけでこれだけの投球回となっているため、期待を寄せられているのが分かります。

これに加えてドラフトでは京山を獲得、そして山口の人的補償で21歳の平良を獲得できたことで更に若手育成重視になりそうです。

 

上記と同じ表です。

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阪神

年代別投球割合・投球回上位陣の平均年齢を見ると若い投手陣になってきてるのが伺えます。

望月は去年の高卒ルーキーですが早くも投球回上位陣に名を連ねるほど投げており、期待できる投手を積極的に育成しようという姿勢が見えます。

ただこの中だと秋山岩崎はそろそろ1軍定着が望まれますね。

毎年1軍で起用されていますがシーズン通した活躍というのがまだ無く、1軍と2軍を行ったり来たりという形なので今年は1軍で定着できるようになると良いですね。

そうすることでまた更に2軍で若手を育成できるので、チームにとって好循環が生まれます。

ドラフトでは才木・濱地といった期待できる高卒投手を獲得できましたし、彼らが2軍のローテ入りすることで更に若返りが期待できますね。

 

ヤクルト

20代前半の投球回は他球団と比べてもかなり少なく、投球回上位陣を見ても20代後半以降の中堅世代が主に登板する形になっていました。

昨年は1軍の投手陣が不安定な成績でしたが、2軍を見てもまだまだ投手育成が不十分な現状が見えます。

この投手陣のテコ入れを考えたのか、オフに投球回上位陣が一気に退団しましたが、彼らだけで260イニング近くを投げていたのでここを今年誰に投げさせるのかが注目ですし気がかりですね。

上位陣にはいないですが、若手の有望株だと高橋奎ジュリアスなどがいます。

彼らは去年合わせて5イニングも投げて無いのでまだまだ未知数ですが、彼らを今年2軍のローテに入れていければ若手でまわせるようになります。

ドラフトでは寺島・梅野という会心の指名ができましたので、彼らもしっかり育て上げ、ここから若手育成を始めていく形にしたいところです。

竹下風張など上位指名で獲得した投手達も、光るものは持ってますからまだこれからの成長に期待したいですね。

 

中日

高齢化が心配されてる中日ですが、投手陣に関しては2軍で若手を育てる形になりつつあるのが見えます。

投球回上位陣に20代前半の若手が比較的多いですし、昨年のルーキーの小笠原佐藤優などは1軍でも投げて結果を残しましたので、これから1軍に定着する道筋が見えてきました。

岩田・雄太が引退したことで2軍は更に若手を育てる環境になってきましたし、ドラフトで高卒投手で藤嶋を獲得し、WLでは鈴木翔が好投するなど上手く世代交代できつつあります。

この流れで投手育成が進めば、また投手王国を築くことも可能でしょう。

 

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