データで語るドラフト・育成論

プロ野球ニュース解説、ドラフト候補紹介、野球関連の持論・考察・寸評などを記事にしています。

【書籍】ホークス3軍は何故成功したのか?【感想】

2020年も日本シリーズを圧倒的な強さで優勝したソフトバンクですが、このソフトバンクの強さの要因の1つになっているのが3軍制です。

球界のエース千賀

球界トップクラスの強肩捕手・甲斐

球界トップクラスの俊足・周東

2020年千賀と並ぶ勝利数を挙げた石川柊

2019年ホークスのローテを掴んだ大竹

2019年1軍定着した牧原

彼らはホークスの大きな戦力となっている選手たちですが、彼らに共通しているのは全員ドラフトで育成指名だったことです。

育成指名から支配下登録を掴んだだけでなく、1軍レギュラーや球界トップクラスの実力者にまで育った選手が何人もいます。

育成出身選手をここまで育て上げることができた秘密は何なのか?

彼らを育てた3軍制とは何なのか?

何故ホークスは3軍制をスタートさせたのか?

3軍制導入にあたってどのような困難や障害があったか?

現在の強いホークスの源となった3軍制について是非知りたいと思い、何か知る方法は無いかと探していたところ、この本を見つけました。

 

ホークス3軍はなぜ成功したのか?~才能を見抜き、開花させる育成力~ (光文社新書)

この本には自分が思っていた、3軍制についての疑問についての答えがたっぷり書かれていました。

本の前半は3軍制導入の経緯や、導入へ向けた苦労・苦難が沢山かかれています。

3軍制の構想の立ち上げ。コストを巡ってのフロントとの衝突。周囲からの冷ややかな反応。ドラフト指名選手の洗い出し。貧乏な状態からのスタート。等々。

新しいものや仕組みを導入する際、必ず既得権や既存の慣習に捉われる人から反発を食らいますが、ホークスでも同じことが起きていたということがよく分かります。

そして3軍制がスタートしてからも苦難の連続。3軍制創設時の育成指名選手たちは特に苦しかったことも伝わってきます。

しかしそこから、徐々に選手が育ってきます。本の中盤から後半は3軍制から育ってきた選手1人1人にスポットが当てられています。

また、後半には施設・設備への投資についても書かれています。2・3軍施設のある筑後をベースボールパーク化したこと。そこに至るまでの経緯。筑後を2・3軍の選手たちが野球をする最高の環境としたこと。筑後市との共存・交流。等々。

2・3軍にここまで力を入れていたのかと、驚くほどの内容が詰まっていました。

 

この本を読んでみて、改めてホークスの強さの源が分かった気がしますし、できることなら自分が応援しているチームにも同じことをやってもらいたいと思いました。

3軍制についての書籍はまだなかなか少ないですし、実際のところ3軍制はどうやって導入されるのか、等を詳しく知りたい方は読んでみると良いかもしれません。

 

 

3軍制のメリット・デメリットを考察した記事

【プロ野球】3軍制のメリット・デメリット・課題 - データで語るドラフト・育成論

 

この他気になった書籍紹介

【スポンサーリンク】