データで語るドラフト・育成論

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渡辺明貴について<任意引退と自由契約>

突然の自由契約

2024年12月20日、横浜DeNAベイスターズは育成選手の渡辺明貴投手と来季の契約を結ばないことを発表した。

 

2025年シーズン 選手契約について | 横浜DeNAベイスターズ

 

もう戦力外通告期間はとっくに終わり、保留者名簿提出も終わっていた中でこの発表は異例のことで、ファンにしてみれば急転直下の出来事だったこともあり、SNSでは大きな騒ぎになっていた。

 

渡辺明貴投手は育成2年目でまだ1軍登板経験はないが、それでも2軍では好成績を残していて、来季には支配下登録されるだろうと多くのファンの間で予想されていた投手だ。

 

【2024年 2軍投手成績】

48試合 7勝0敗9S 48回 防2.25 WHIP0.90

奪三振率9.56 与四球率4.31 K/BB2.55

 

打たれにくく奪三振を稼げる投球が魅力的で、2軍では抑えを任されていた。

将来のDeNAの主力リリーフとして活躍が期待される結果を残せていただけに、この退団は残念だった。

 

 

 

任意引退か?自由契約か?

当初、渡辺明貴の退団が報道された際は「自主退団」と記載されていた。

ただし12月に入った時点ではもう球団の保留者名簿に記載されているので、本来なら自分から辞めるということはできない。

仮に辞めることが自由にできてしまったら、FA選手のような形になって好きなように他球団へ移籍できてしまうからだ。

 

なので本来ならこの場合、球団の保有権を残したまま引退する「任意引退」となる。

これは引退から3年経過するか、球団側が保有権を破棄して自由契約にしない限り、選手は国内外のプロアマ問わず別のチームで野球をすることができない状態になる。

そしてもし野球を再開するなら、元の球団に戻る必要がある。

かなり強制権の強い取り決めだが、選手の個人的都合による移籍や流出に歯止めをかけるためのルールになっている。

 

なのでこの報道が出た際に、自分は任意引退だと考えていたが、NPBでは自由契約として受理されていた。

これは推測だが、国内他球団へ移籍しないことを条件としつつ、野球ができる選択肢は残そうという球団側の温情措置だろう。

本来なら来季戦力として見込んでいて、保有権も持っている選手を自由契約にするのはあり得ないが、渡辺明貴から退団する理由を聞いた上で、双方納得した形で為されたと考えられる。

 

これで渡辺明貴は自由契約となり、来季から国内外のどの球団へ所属することも可能になった。

ここまでの経緯からNPB他球団へ移籍することは考えられないが、独立リーグや社会人野球やアメリカのマイナーリーグ挑戦など、色々と選択ができる状態になっている。

 

 

本人は「一身上の都合」での自主退団ということで、もう自由契約になった以上は理由を詮索しても仕方ないが、期間を開けて落ち着いてから何かコメントが出たり、新たな動きが分かるかもしれない。

 

このような形でDeNAを退団したのはファンとしては残念だが、せっかく2年間DeNAに所属していた投手でファーム優勝にも貢献してくれたので、新たに活躍できる場が見つかって欲しい。

 

 

あとがき

渡辺明貴投手の退団発表時、私の方で任意引退自由契約のルールで認識誤りがあったため、忘れないために記事にまとめました。

 

 

 

 

 

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