横浜DeNAは今オフ、戦力外から元横浜の藤田一也を獲得しました。
藤田は今季まで楽天に所属していて、シーズン終了後に戦力外となりましたが、DeNAがいち早く獲得の意思を示して、交渉解禁後に即獲得となりました。
藤田は現在39歳、選手としてはかなりの高齢で、今季の1軍出場は0でした。
このベテランの藤田をDeNAが獲得した意図は何でしょうか?
期待できる守備力
藤田は今でこそ衰えが隠せなくなっていますが、横浜時代は内野のユーティリティとして守備で活躍し、楽天にトレード移籍してからはセカンドのレギュラーに定着しています。
打撃成績は打率3割を上回ることはなく、OPSも.600台でしたがそれでも藤田がレギュラーに定着したのは、守備面で大きく貢献していたからです。
藤田は強肩ではなく、身体能力面でも突出して良かったわけではないですが、ミスの少なさ、グラブ捌き、ポジショニングに非常に優れていました。まさに守備職人といったプレーが多く、横浜時代には「ハマのジーター」と呼ばれていました。
身体能力に頼らない、こうした技術・判断力・経験に裏打ちされた守備力はなかなか衰えにくいものですし、だからこそ藤田はこの歳まで楽天で重宝されてきたのでしょう。
DeNAはこの藤田の能力をまだチームに活かせると考えて、獲得したのだと思います。
DeNAでの役割
古巣に戻ってくる藤田ですが、求められている役割はどういうものでしょうか?
DeNAの内野は現在、一塁にソト、二塁に牧、三塁に宮崎がいます。打撃力を考えたらこの3人はなかなか外せないです。
ショートは固定されていないですが、若手の森が3年目に入って今後台頭してくる可能性がありますし、そのバックアップとしても大和・柴田・倉本などがいます。
こうした中で藤田に求めるのは、内野全般の守備面でのカバーになるでしょう。
ソトや牧の打撃は良いですが、守備となるとやや手薄くなっていますし、宮崎も長期契約を結んだとはいえ、これから30代中盤に入り守備範囲が狭くなってくる可能性があります。
ショートの森も身体能力は素晴らしいものがありますが、まだ技術面では不安が大きいです。
結局のところ内野は打撃は良くても、守備の不安要素が多く、守備面でのバックアップはとても大事になってきます。
藤田は内野全般を守れるユーティリティでもありますし、このバックアップには打ってつけです。
例えばソトが不調なら一塁に牧、二塁に藤田というスタメンもできますし、終盤の守備固めでこの布陣にしても良いでしょう。
宮﨑の負担を軽減するなら守備固めで三塁に藤田が入ることもできます。
このように守備面で色々な場面で起用することが可能になります。
将来のコーチとしても
また39歳という高齢で獲得したからには、選手としてだけでなく引退後のコーチという部分も当然考えての獲得でしょう。
内野のユーティリティで特に技術面で素晴らしいものを持っていた選手ですから、その技術を伝えていく事で指導でも活かせるはずです。
ちょうど森が将来のショートのレギュラー候補ですし、他にも牧・小深田・田部・粟飯原など若い内野手が沢山いますから、いずれ彼らを指導する立場になることも期待されていると思います。
藤田は昔の横浜時代からファンが多かった選手なので、戻ってきたことに喜ぶファンも多いと思います。なので是非1軍で試合に出てきて、また華麗な守備を披露して欲しいですね。