横浜DeNAは今オフ、外部からの人材獲得や補強など様々な動きをして注目を集めている。
これら外部からの獲得以外にも、既存選手に対しても今オフは厚遇が見られ、契約更改では今シーズン最下位とは思えないほど年俸がアップしている選手が多い。
中でも大きな注目を集めたのが、FA権を取得した宮崎への待遇で、何と三浦監督の現役時代の最長契約と並ぶ6年契約を結んだ。
これについては別記事で詳しく解説しているが、今までにない動きと言える。
そしてこの後も、長期契約を結んだ選手が続く。
まず宮崎と同じくFA権を取得していた大和とは、年俸9000万で2年契約を結んだ。
大和は現在34歳で、2年契約を結んだことで36歳まで球団に在籍することが確実となった。大和は今季106試合に出場したが、昨年からレギュラーというよりも柴田や倉本と競う立場になり、今季は牧が台頭したことで年々レギュラーとして定着することが難しくなってきている。
その大和に対して複数年契約を提示したことは、球団としては大和の存在をレギュラーと同等以上の評価をしていて、万が一にも外部へ流出させたくないという思惑が感じられる。
大和は契約更改の場では「ベイスターズで優勝したい」と意気込みを語った。
ベテランの大和が率先してこのように気持ちを出してくれることは、若い選手たちへの刺激にもなるはずで、チームへ良い影響が出ることが期待できる。
これらに加えて更にファンを驚かせたのが、三嶋との3年契約だ。
この3年契約を結んだことは三嶋本人にとっても嬉しかったことで、契約更改の場で3年契約について「すごく必要とされているなと感じました」と球団の対応を喜んだ。
三嶋は今季抑えを任されていたがやや不安定で、特に巨人戦では防御率11.17と完全に苦手意識が出てしまった。9月以降は一時抑えから外されることもあり、悔しいシーズンを味わったと言える。
その三嶋に対して契約更改では厳しい査定になるどころか、逆に1000万を増額した12000万で更改し、かつ年俸変動制の3年契約を結んだのだから、三嶋も驚いたことだろう。
三嶋とこの3年契約を結んだ意図としては、来年オフのFA流出に備えてのことなのは明白で、つまり球団は三嶋を是が非でも残しておきたいという意思を示したことになる。
DeNAはこれまではコスパを重視する傾向が強く、そのことでFA権を取得した選手が流出することもあった。
コスパは考えられているので、DeNAの提示額が低すぎるわけではないが、他球団との競争になった場合になかなか勝てず、主力の流出というのが問題になっていた。
今回、FA権を取得した宮崎の6年契約や大和との2年契約、そしてFA権取得前の三嶋との3年契約など、FA権取得(予定)選手に対して好待遇で残留させたことは、これまでとの大きな違いと言える。
コロナ下で球団の経営状況が厳しい中で、このような動きができているのはこれまでの黒字経営で資金力がついてきた証であり、今後も主力選手に対しては同様の対応がされることだろう。
球団の経営改善によって、黒字化や2軍施設・設備の改善などがこれまで行われてきたことで、安定した基盤もできた。
チームの環境がこうして改善されてきており、更に主力がしっかり残留できるようになってくれば、戦力がアップしてチームの順位も上がっていくことは間違いないはずだ。
来年以降はもう弱いチームと言わせず、毎年優勝争いに絡むような強いチームになっていることを期待したい。