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【横浜DeNA】今季の「縁の下の力持ち」~「火消し役」と「最後の壁」~

2021年シーズンは最下位に終わったDeNAだったが、このような順位だとシーズンで奮闘した選手になかなか注目が集まりづらい。

しかしチームがどのような順位だろうと、その中でチームが崩れないよう支えていた「縁の下の力持ち」の選手は必ずいる。

今回はそういう大きな脚光を浴びなかったが、確かにチームを支えて貢献した2人の選手をピックアップしてみた。

敗戦危機⇒勝利にした砂田毅樹

DeNAは今シーズン、先発が5回持たずに降板した試合が48試合あった。

砂田はその48試合中22試合に登板していて、その中で7つの試合で勝ち星かホールドがついている。

先発が早期降板する試合は大抵打ち込まれて失点しているか、失点しそうな厳しい場面が多く敗戦の危機に直面しているものだが、その状態で砂田が引き継いで火消しをしたことで、敗戦危機⇒勝利へ繋がった試合が7つもあったということだ。

上記の場面で砂田に黒星が付いた試合は1つしかなく、試合を勝たせる投球をした砂田の貢献は大きいだろう。

また砂田は左腕のためワンポイントなど対左打者専用での起用が多く、そうした登板は30試合あった。ワンポイントの場合、打者を打ち取れなかった時点で交代することが多く、登板しながら1つもアウトを取れないまま降板することもよく見られる。

しかし砂田は30試合のうち、1つもアウトを取れなかった試合は3試合しかなく、ワンポイントとしての仕事をしっかり果たせている。

1イニング未満で登板した試合の中で砂田が勝ち星かホールドを挙げた試合は12試合もあり、ワンポイントから勝ちに繋がったパターンがとても多く、こちらも勝利に貢献していると言えるだろう。

この「火消し役」と「ワンポイント」で砂田は今年非常に貢献していて、まさに投の「縁の下の力持ち」と言える。

来季も今季のような活躍を是非期待したい。

 

ショートの「最後の壁」として結果を残した大和

今季はショートが危機に陥った時期があった。昨季までショートのレギュラー候補だった柴田が左肩の脱臼で4/24に登録抹消。そして倉本が5/10に左手薬指を負傷し登録抹消となった。

そのためショートを守れる柴田・倉本が2人ともいない期間が5/11~6/18まで1ヵ月近くあった。(6/19に柴田が1軍復帰)

守備の要として重要なショートからレギュラー候補が2人も離脱したことで、ショートの起用が危機に陥っていた時期で、この時期は高卒2年目の森を上げてくるか、今まで1軍登録未経験の知野をスタメンで起用するか、ファンの間でも色々と議論になっていた。

どちらにしても不安は大きく、ショートは大丈夫なのか不穏な空気になっていた中で、その空気を一気に払拭させた男がいた。それが大和だ。

5/11~6/18の26試合の全ての試合で大和はスタメン出場し、この期間で打率.311 2本塁打 18打点という結果を残した。ショートは怪我人続出で弱体化するどころか、大和の活躍で大きく強化されていた。

この活躍ぶりから大和は6月末までショートのスタメンを手放さず、ショートの「最後の壁」として怪我人が戻って復調するまで完璧な仕事をやったと言える。

今季の大和はシーズン通して1軍登録しており、故障者が多かったシーズンの中で逆に結果を残し続けたことで、首脳陣も大和の存在の大きさを再認識したはずだ。

大和は今シーズンの成績は打率.252 2本塁打 26打点という成績だが、チームが苦しい時期に力を発揮した大和の貢献度は、シーズンの成績だけでは語ることはできない。

オフに大和に対して新たに2年契約を結んだが、今季のこの活躍を考えれば、球団が何が何でも残しておきたい選手と考えるのも当然だ。

 

今シーズン、チームの順位は最下位に沈んだが、その中でもこの砂田と大和の活躍は、むしろしっかりと胸に刻み込んでおきたい。

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