阪神タイガースの2021年ドラフトで指名する傾向と、指名候補を10名リストアップして予想してみました。
昨年の指名を現状評価
■本指名
1.○佐藤輝明・内野手(近畿大)
2.伊藤将司・投手(JR東日本)
3.佐藤蓮・投手(上武大)
4.榮枝裕貴・捕手(立命館大)
5.村上頌樹・投手(東洋大)
6.中野拓夢・内野手(三菱自動車岡崎)
7.高寺望夢・内野手(上田西高)
8.石井大智・投手(四国IL・高知)
■育成
1.岩田将貴・投手(九州産業大)
今季は長年の課題だった打線が安定し、甲子園が本拠地にも関わらず本塁打の数が激増して、打ち勝つチームになりました。
これは昨年ドラ1の佐藤輝明の活躍が非常に大きく、今やチーム内トップの本塁打数で打線を牽引しています。
他にも、不安だったショートにドラ6の中野が定着して、攻守両面で貢献しています。
ルーキー野手2人がチームの弱点をぴったり埋めた形になって、これだけでも昨年のドラフトはパーフェクトに近い内容と言えるでしょう。
投手陣はドラ2の伊藤がローテに定着して、先発ローテを強化しています。先発成績はリーグトップですがこれに伊藤は大きく貢献しています。
その他のルーキー達も2軍で順調に育成できていて、1年目の結果だけでみるなら昨年ドラフトは大成功と言えます。
現状のチームの課題
①リリーフ陣に不安
阪神は先発陣がリーグトップの成績を挙げて、頭数も揃って安定しています。
打線も佐藤輝の加入で長打力が増し、本拠地が甲子園にも関わらずヤクルトやDeNAにも負けない本塁打数になりました。
なのでこの2つに関しては問題無いですが、新たな課題として挙がってきそうなのがリリーフ陣です。
今季の阪神のリリーフ防御率はリーグワーストになっていて、これが今季優勝への不安材料になっています。
抑えのスアレスは防御率1点台で非常に安定していますが、前半にセットアッパーだった岩崎・岩貞・馬場らが揃って防御率3点以上になっていてやや不安です。
失点ペースだと
岩崎が大体4試合に1度失点、岩貞が大体5試合に1度失点、馬場が大体3試合に1度失点というようなペースになっています。
スアレスが10試合に1度失点するぐらいのペースなので、それに比べると3人共不安定さが出てますね。
リリーフには他に若い及川などがいますが、今季はこうして主力のリリーフ陣が調子を落としていることを考えると、新しいリリーフの獲得が必要になってくるでしょう。
②セカンドの打撃・守備
阪神打線の中で攻守で不安なポジションがあります。
それがセカンドで、ここは糸原が毎年守っているポジションですが、そのセカンド糸原については長年阪神ファンの間で賛否両論が起きています。
打撃面に関しては糸原は毎年OPS.700前後で、セカンドということを考えたらそこまで悪い成績では無いですが、守備の指標となるUZRは毎年12球団のセカンドの中でもかなり低い方で、守備範囲・失策の少なさ・併殺奪取のどれを見ても、UZR上マイナスになっていました。
見た目のプレーでも守備の動きは批判されやすく、少なくとも守備面だけでレギュラーに居続けるのは不可能だったでしょう。
糸原以外にも、北條・木浪・小幡・山本などセカンドを守れますが、どの選手も一長一短でレギュラーを勝ち取るには難しい立場になってきています。
ドラフト指名した中野が1年目からショートに定着しかけているのはとても大きいですが、同様にセカンドについてもレギュラーを獲れるような選手がいれば指名した方が良いでしょう。
③外野の層の薄さ
阪神は今季、サンズと佐藤輝明が両翼に定着したことで外野陣が一気に強力打線になりました。これは阪神にとって特に嬉しいことだったでしょう。
何故かというと、昨年までの阪神はなかなか新しい外野手が台頭してこない状態でした。2020年には当時39歳の糸井がライトのレギュラーでしたし、その前は当時42歳の福留がレフトのレギュラーでした。
糸井も福留も実績で見たら球界を代表するクラスの外野手ですが、それにしても40歳前後までレギュラーであり続けているのは、阪神の若手外野手の台頭が弱かったことを表していたことでしょう。
今季、佐藤輝明がライトに定着したことでその問題が一気に解消されたように見えます。
ただ、実際のところはレギュラーが固まったとはいえ、外野の控えはこれまでと変わりないわけですし、依然として層の薄さは変わりません。外野の代打の1・2番手がロハス・ジュニアと糸井というのが現状ですし、1軍レギュラーが固まったと安心していると、いざそのレギュラー陣に故障などアクシデントが発生した時に、一気に脆くなります。
外野の層を厚くすることは、実は非常に重要な補強ポイントです。
今ドラフト指名候補
上記の現状分析と課題を踏まえた上で、今ドラフトで指名しそうな選手10名を予想します。
最速154km右腕。直球主体で変化球を織り交ぜる本格派。
直球に力があり、スタミナ面もプロスカウトから評価されている。
阪神の山本スカウトは直球の回転数を評価し、上位候補と挙げている。
リリーフ陣に不安が出てきた阪神には、廣畑のような先発・リリーフどちらでも活躍を期待できる投手が必要になりそうだ。
隅田 知一郎(投・西日本工業大)
最速150km左腕。球威ある直球と多彩な変化球で緩急のある投球が持ち味。
阪神の前田スカウトは変化球の種類と精度を評価。
走者を出してからも落ち着いて打ち取れる技術とメンタルを持っていて、既にプロ向きの投球ができている。
奪三振能力の高さや完成度の高さを考えると、将来の抑えとして指名を考える可能性もありそう。
森木 大智(投・高知)
最速154km右腕。力のある直球に加え、カーブ・スライダーなどの変化球は精度が高く、完成度が高い。
阪神の山本スカウトは「1位でないと獲れない」と最高評価。小園(市和歌山)に比べても馬力がある点を評価している。
スカウトの評価具合を考えると、高校生投手を指名するなら森木の可能性が非常に高い。
遠藤 泰介(投・刈谷)
最速150km右腕。腕の振りが良く、身体を目一杯使った投球には球威があり、しかも安定している。
進学志望だがプロ注目の投手で、仮にプロ志望に変われば指名の可能性はある。
池田 来翔(内・国士舘大)
体格が良くパンチ力ある打撃が魅力の右打ちセカンド。
東都2部では4年春に打率.333 1本塁打 OPS.970の成績を残し、長打に加えて打率や選球眼でも結果を残してきた。
東都出身でDeNA所属の伊藤裕希也、牧秀悟らを目標にしていて、彼らとタイプが似ている。
阪神のセカンド争いには右の強打者タイプがいないことから、補強ポイントとしても合致している。
野口 智哉(内・関西大)
ショート含めた内野と外野もこなせるユーティリティプレイヤー。
身体能力の高さが売りで肩の強さや脚の速さ、そして飛ばせる打撃力が評価されている。
課題としては守備の粗さで失策数が多いが、身体能力の高さでカバーしている状態。
粗削りという表現がしっくりくるが、阪神としてはこういった内外野守れる選手がこれから必要になりそうだ。
投手もこなす身体能力の高さが売りの俊足強肩外野手。
打撃面でも高校通算30本以上でパワーがあり、振り切るスイングが魅力。
脚の速さと強肩は今ドラフト野手の中でも上位クラスで、攻守で身体能力を活かしたプレーができている。
まだ粗削りの素材型だが、伸びる余地が十分にあり近本の後釜のセンター候補として獲得し、育てていくのはアリだろう。
池田 陵真(外・大阪桐蔭)
打撃センスに優れた強打の右打ちセンター。
スイングの力強さをプロスカウトが評価していて、その上バッティングセンスも良く、3年夏の県大会では打率.654、2本塁打と大活躍の打撃を魅せた。
甲子園でも高打率をキープしていて、バットコントロールは今ドラフトでもトップクラスに入るだろう。
センターとして足・肩もまずまずで、将来的に三拍子揃ったセンターとして活躍する可能性は十分にある。
吉野 創士(外・昌平)
長打力が光る大型外野手。
高校通算56発の右のパワーヒッターで、高校生外野手の中でもトップクラスの注目度を集めている。
特にセンターから右方向へも本塁打を打てるパワーがあり、右打ちのスラッガーは欲しい球団が多いはずだ。
体格も大きく伸びしろがあり、守備面でも肩が強くセンターを守れるのがアピールポイントになっている。
笹原 操希(外・上田西)
広角に打てる打撃センスと脚力・肩の強さが光る右打ち外野手。
両翼打ち分けられる打撃の上手さがあり、持ち前の俊足と合わさって二塁打・三塁打を量産できる。
盗塁数は少ないが、技術を磨けば増やしていける脚力を備えている。
阪神の畑山スカウトが将来性を評価していて、育て上げていけば攻守で活躍できる外野手になりそうだ。
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