データで語るドラフト・育成論

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【横浜DeNA】最下位脱出のための補強手段と可能性

5/29の試合終了時点で横浜DeNAのリーグ成績は以下の通りとなっています。

52試合 15勝 30敗 7分

勝率.333 (6位)

首位と15ゲーム差、3位と10ゲーム差、5位と5.5ゲーム差です。

 

まだシーズンの折り返しにも来ていないですが、現状の成績は正直言って悪く、ここから上位に進出していくのは既に困難な状態になっていると言えるでしょう。

 

ただ前述の通りまだシーズンの半分も終わっていない状態で、ここから巻き返す可能性はあります。
そのためには現有戦力だけではなく、新たな戦力を獲得することが求められてくるでしょう。

現時点でDeNAとしてはどのような補強ができるでしょうか?

支配下登録人数66名(5/29時点)

まず、補強可能な人数の枠ですが、現在支配下登録人数が66名になっています。
追加で支配下登録可能な期限は7/31になっているため、この日までに最大であと4名の補強が可能になります。

この条件でどのような補強をするかが、フロントの手腕になってくるでしょう。

新外国人の獲得は?

シーズン中に補強しやすいのが外国人選手です。現在コロナの影響で来日にも制限がかかっている状態ではありますが、獲得できないことは無いでしょう。

MLBでマイナー降格の選手などが、海外で1つ結果を残してMLB復帰を目指そうと考える選手もいると思いますし、そうした選手を獲得するのも手でしょう。

DeNAがそうした外国人選手を補強するかどうか?

現在、DeNAに在籍している外国人選手は10名いて、支配下登録6名、育成契約4名となっています。支配下登録の内訳は以下の通り。

先発:ピープルズ、ロメロ

救援:エスコバー、シャッケルフォード

野手:ソト、オースティン

 

育成契約の内訳は以下の通り。

救援:コルデロ、ディアス、スターリン

野手:デラロサ

 

こうした状態ですが、現状の成績から活躍具合を見てみると、野手のソト、オースティンの2人は主力選手で毎試合スタメン起用されており、外すことはまず無いでしょう。

投手ではリリーフのエスコバーがほぼフル回転の登板で防御率1点台ですし、こちらも外れることはまず無いです。
先発ではピープルズが奮闘しています。現在1軍先発は怪我人や不調が多発していてなかなかローテが定まっていません。その中でピープルズはローテに入っていて、今の状況ならローテから外すことは考えられないです。

この4名はもう1軍で当確枠になっているでしょう。そして1軍のもう1枠をロメロシャッケルフォードで争う形になっています。今季から新加入したこの2人ですが、なかなか1軍で結果を残せていない状態になっています。
ロメロは4試合に先発登板しましたが、最長で5回までになっていて、3試合では4回まで持たないで降板しています。直球の球速や変化球のキレなどはそこまで悪くは無いのですが、被安打・与四球が多くロメロの良さが出せていない感じです。こうした結果を踏まえて5/28に1軍登録抹消になりました。
シャッケルフォードはリリーフで6試合に登板し、防御率9点台になっています。6試合中に失点したのは2試合で投球内容自体はそこまで悪い感じでは無いので、防御率ほどの悪い印象は無いです。5月頭にロメロが1軍昇格してきた関係でシャッケルフォードが降格になりましたが、今度はロメロが降格することになったのでシャッケルフォードがまた上がってきました。

新外国人を獲得するとしたら、このロメロシャッケルフォードの争っている枠に、新しく外国人を入れて2人と競わせる形になりそうです。

育成契約の外国人選手たちの状態を見ると、ディアス、コルデロ、スターリンなどの投手達はまだ2軍でも3試合程度しか登板しておらず、しかも安定した結果を残せていないので、現時点で支配下登録することは考えにくいでしょう。
野手のデラロサは2軍で割と積極的に起用されていますが、打率.250 0本塁打 OPS.618となっていて、支配下登録するにはまだ成績が足りてないです。

なので現状だと外国人選手は外から獲得するというのが手段になりそうですね。

獲得する場合、どういった選手を獲ってくるかですが、1軍の現状を踏まえると先発かリリーフになるでしょう。先発はピープルズがいますが、他の先発陣で安定しているのが濵口ぐらいですし、現状の低迷は先発が早い回に打ち込まれて降板していることが大きな要因になっていますので、先発がウィークポイントなのは間違いないです。

ただ、2軍で平良、上茶谷、阪口などが調整し始めてきていて、今後先発陣が整ってくる可能性はあります。それを期待して補強しないか、それとも新しく補強して競争させるかの判断になりそうですね。

リリーフは先発が上記の状態なので負担がかかっていて、1試合あたりの登板人数が多くなっています。山﨑・砂田・石田・三上・三嶋らがフル回転して頑張ってくれてはいますが、これから夏場にかけてまた更に負担がかかるため追加で補強する可能性はあるでしょう。シャッケルフォードが1軍で安定して登板できれば問題は無いので、その見極め次第になりそうですね。

 

育成選手の支配下登録は?

DeNAには現在、育成選手が9名います。この中から状態の良い選手を支配下登録して1軍で起用するのも補強の1つでしょう。

現状の日本人の育成選手の2軍成績は以下の通りです。

 宮城 8試合 1勝0敗 23回2/3 防御率2.28 WHIP1.73
 石川 6試合 2勝1敗 18回 防御率2.41 WHIP1.18
 田中健 18試合 0勝1敗1S 17回 防御率4.24 WHIP1.12
 宮國 8試合 2勝2敗 14回2/3 防御率7.36 WHIP1.50
 加藤 登板無し

突出して成績が良い投手はいないですが、この中で成績が良いのは宮城と石川ですね。田中健防御率は高いですが、内容はそこまで悪くないです。

現時点では即支配下登録が見込めそうな結果を残せている投手はいないです。
しかし、支配下登録の枠があと4つあることを考えると、外部からの補強で全て埋めるとは考えにくいですし、逆に1人も支配下登録せずに期限を迎えるとも考えにくいので、何人かは登録されるでしょう。

特に1軍は投手の補強が必要なわけですし、先発でもリリーフでも安定して結果を残せそうな目途が立てば、支配下登録されやすいはずです。

トレードなど他の補強は?

トレードは球団同士の兼ね合いになってくるのでなかなか予想しづらいですが、交流戦期間が終了した後に球界で何件か発生するはずです。正直なところ現状で1番日本シリーズから遠い位置にいる球団なわけですから、パ・リーグの球団とは交流戦が開けたら対戦する可能性はほぼ無くなります。

そうしたことを考えると、パ・リーグの球団にトレードを仕掛けやすいですし、逆にパ・リーグ側もDeNAなら思い切ったトレードがしやすいと思うので、ここは積極的に動けるところだと思います。

DeNAとしては投手と外野手が現状で数が多い状態ですし、捕手や内野手にしてもなかなか出番がまわせてない選手を放出して、代わりにすぐ1軍で起用しやすい選手を獲得できれば良い形のトレードになります。

 

当面の目標としては交流戦で善戦して、まずはリーグ内の順位争いに入っていける形を作ることが求められるでしょう。そこに良い影響を与えられる補強の動きがあることを期待したいですね。

 

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