データで語るドラフト・育成論

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【横浜DeNA】1軍昇格の楠本泰史・ファームで取り組んでいたこと【ファームデータ】

楠本泰史(DeNA)のファーム全打席データを取得しました。

このデータをもとに現時点の状態や、今後の期待などを考察してみました。

 

ファーム全打席成績(2021/5/27時点)

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ファーム打撃詳細(2021/5/27時点)

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起用状況

大卒4年目の楠本ですが、今季は開幕1軍を逃してファームスタートとなりました。ここまでファームでは結果を残せているものの、なかなか1軍には定着できないという状態が続いていて、そろそろ殻を破って1軍定着を期待したい選手です。

ファームでの起用状況ですが、チーム内で森に次ぐ2番目の打席数を与えられていて、殆どの試合に出場しています。守備位置は外野と指名打者を日替わりで守っていますが、ややレフトでの起用が多いですね。
打順は主に上位打線で2,3番で起用されることが多いです。

実戦機会を沢山与えていることを考えると、ファームの中でも重点的に育成されているということでしょう。特に打撃の改善を意識しているようで、今季は目的意識を持って打席に立っている様子が見えます。

 

成績

今年の楠本は昨年までの打撃内容との変化が見られます。
それは打率を上げていくことを意識するのではなく、出塁を意識して打席に立っていることです。昨年の楠本は打率.365というハイアベレージでしたが、反面で出塁率がそこまで伸びませんでした。三振数と四球数では三振数の方が多く、打てない時は淡白な打席になりやすいという傾向が強かったです。

ファームではそうした打撃でも打率は良いので成績は良かったですが、いざ1軍へ上がってみると今度は投手のレベルが違うので打率が伸び悩み、凡打と三振の山を築いてしまうという状態になっていました。
ファームでは打てていても1軍の投手からは打てないという状態で、こうした状態は1軍でなかなか結果を出せない打者が陥りやすいことだと思われます。
楠本はそうした状態に危機感を持ったはずです。なので今季は2軍で結果を残すことを考えるのではなく、1軍を意識して1軍に対応できる内容の打撃を意識したのではないでしょうか。

今季の楠本は2軍で3月時点では打率1割台という低さでしたが、昨年と変わったのは四死球数が増えて出塁率を上げていることです。おそらくこの時期は球を見極めることをとても意識していたと思われます。

そうした見極めが段々身についてきて、4月・5月になっていくと打率が上がってきて、更に出塁率も高くなってきました。5月は四死球数が三振数の倍になっていて、しっかり見極めができていることが結果として現れています。

1軍昇格前の直近の成績は今季で最も良い状態になっていますし、まさに1番良いときの5/28に1軍昇格ができました。

ファームで取り組んできたことがしっかり実った状態での1軍昇格なので、1軍での結果もこれまで以上に期待はできると思います。

 

1軍レギュラーへの道

DeNAの外野陣は競争が熾烈で、楠本がレギュラー定着するのは容易では無いですが、2軍で外野の全ポジションを守っていることを考えると、打撃での結果さえ残せればどこかしらでスタメン起用されるチャンスも出てくるはずです。

まずは代打などで結果を残し、そこからスタメンでの出場を増やしてゆくゆくは外野の一角のレギュラーを狙っていけると良いですね。

 

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