2021年、春の選抜高校野球大会出場校について、出場校ごとに特徴・成績・注目選手などをまとめていきます。今回は敦賀気比です。
チームの特徴
秋季北信越大会で優勝を果たした敦賀気比。センバツ出場が決定しました。
大会中は準々決勝・準決勝と2度も延長戦までもつれ込み、苦しみながらも勝ち上がって決勝の舞台にたどり着きました。その中でエース左腕の竹松が準決勝で初回に1人アウトを取った後に肩・肘を痛めて降板するというアクシデントも経験。ただそこから1年生左腕の上加世田が奮起し、決勝戦では1人で完投する活躍を見せました。打線の方も準々決勝・準決勝で競った展開からも分かるよう、猛打で突き放すという形を作れず、決勝戦でようやく猛打爆発という形でした。県大会では5試合42得点と打ち勝つ野球ができていたので、本来の実力を発揮できれば打ち勝てるチームです。センバツでは故障したエースが復帰できているか、打線が力を発揮できるかで、結果も大きく変わってくるでしょう。
秋季地区大会成績
1回戦 5-0 富山北部・水橋
チーム投手成績:9回 被安打2 奪三振8 与四球4 自責点0
竹松(9回0自責点)
チーム打撃成績:28打数 7安打 0本塁打 4打点 1三振 2四球 4盗塁
三塁打:東
盗塁:大島2、東、森田
準々決勝 7-4 新潟明訓(延長10回)
チーム投手成績:10回 被安打10 奪三振5 与四球2 自責点3
チーム打撃成績:37打数 11安打 7打点 7三振 3四球 0盗塁
二塁打:東、今井、上加世田
準決勝 5-4 関根学園(延長10回サヨナラ)
チーム投手成績:10回 被安打10 奪三振3 与四球1 自責点3
竹松(0回1/3 0自責点)ー大島(2回2/3 2自責点)ー上加世田(7回1自責点)
チーム打撃成績:35打数 8安打 5打点 3三振 5四球 0盗塁
三塁打:大島
二塁打:東
決勝 16-5 上田西
チーム投手成績:9回 被安打15 奪三振4 与四球3 自責点4
上加世田(9回4自責点)
チーム打撃成績:33打数 16安打 16打点 2三振 15四球 1盗塁
二塁打:東、前川2、大島、上加世田2
盗塁:今井
注目選手・ドラフト候補
上加世田 頼希(投手)
1年生ながら準々決勝からの3試合に登板した右腕。決勝戦では故障したエース竹松の代わりに登板し、157球を1人で投げぬき完投勝利を収めチームを優勝へ導いた。身長は176cmとそこまで大きくは無いが、最速142kmの直球には数値以上の球威があり、大会で20回を投げて3四球という制球力の良さもあってゲームメイクに優れている。打者としては複数長打を打っていて、打撃も期待できる投手だ。センバツで結果を残せれば、来年のドラフト候補として早くも注目を集めることになりそうだ。
東 航塁(二塁手)
大会期間、全試合で長打を含むマルチ安打を残すなど1番打者として活躍。特に準決勝でビハインド8回の場面で適時二塁打で差を詰め延長戦へ繋げると、延長10回にサヨナラ適時打を打ってチームを決勝戦へ導いた。今大会で敦賀気比打線はなかなか得点できなかったが、東は毎試合で打って結果を残し続け、それに呼応したのが決勝戦となった。センバツでも東の打撃がチームの打線奮起へと繋がるような、雰囲気を変える打者としての活躍が期待される。
竹松 明良(投手)
左のエースとして地区大会では1回戦から先発で登板し完封勝利の完璧な投球を披露。続く準々決勝でも安定した投球だったが、準決勝ではわずか5球を投げた後に肩・肘を故障するアクシデントに見舞われた。最速140km超で奪三振能力が高く、安定した投球ができる投手でセンバツでも上位の投手に入る実力を持っているが、センバツでは故障がどこまで癒えているかに注目だ。