2021年、春の選抜高校野球大会出場校について、出場校ごとに特徴・成績・注目選手などをまとめていきます。今回は東海大菅生です。
チームの特徴
秋季東京大会で優勝を果たした東海大菅生。センバツ出場が決定しました。
地区大会では得点力の高さが目立ち、特に試合終盤に一気に3~4点の大量点を取って突き放して勝利するというのが東海大菅生の勝ちパターンでした。得点力の源となっているのは各打者の繋がりの良さで、個に頼らず集団で繋げて点を取っていくという姿勢が体現できています。機動力も発揮していて毎試合長打と複数の盗塁を決めており、繋がりのある打線の力で高得点を叩き出しています。
もう1つの特徴としては1年生の起用が目立ちます。特に1~5番の上位打線で3人の1年生を起用していて、その1年生たちが打線の中核を担っています。2番福原・3番小山・5番小池ら1年生は今大会で高いアベレージとなっており、来年に向けても期待できる選手たちが多いです。
投手陣は東京大会では主に3人の投手を起用。エースで先発の本田は左の変則タイプで最速143kmとプロが注目しています。1年生の鈴木泰は身長185cmと長身で主にリリーフとして活躍。1番打者と投手を兼任する千田は準決勝と決勝で抑えを任されました。
組織力があり、1年生の台頭も目立つチームでセンバツではダークホース的な存在として優勝候補になり得ると思います。
秋季地区大会成績
3回戦 10-2 桜美林 (8回コールド)
チーム投手成績:8回 被安打7 奪三振6 与四球3 自責点2
チーム打撃成績:33打数 10安打 6打点 4三振 5四球 4盗塁
三塁打:千田
二塁打:福原、小池
盗塁:福原3、堀町
準々決勝 5-1 日大二
チーム投手成績:9回 被安打4 奪三振8 与四球5 自責点1
チーム打撃成績:30打数 9安打 4打点 5三振 5四球 2盗塁
本塁打:岩井
二塁打:小山
盗塁:千田、岩田
準決勝 7-5 関東一
チーム投手成績:9回 被安打6 奪三振8 与四球9 自責点5
チーム打撃成績:35打数 9安打 7打点 7三振 3四球 3盗塁
二塁打:山田
盗塁:岩田2、福原
決勝 6-1 日大三
チーム投手成績:9回 被安打2 奪三振9 与四球4 自責点1
チーム打撃成績:29打数 8安打 4打点 3三振 6四球 2盗塁
二塁打:本田
盗塁:山田、岩田
注目選手・ドラフト候補
本田 峻也(投手)
東海大菅生のエース。東京大会では先発を務め、ゲームメイク能力が高く安定した投球が光る。
最速143kmの左腕。サイドに近いスリークォーターで、体の捻りが大きくインステップし、打者から球の出所が見えづらい投球フォームになっている。スライダー・カーブ・チェンジアップなどの球種を使い、直球とのコンビネーションで打者が絞りにくい投球が特徴。制球はやや乱れる時もあり与四球率は高めだが、コーナーへの投げ分けができていて奪三振率も高く、被安打率が低いことから打者がなかなか手を出せない球を投げれている。ドラフト候補としてはまだ実績不足なところがあるが、左の変則投手ということでセンバツで結果を残すことができれば、注目が集まってくる可能性もあるだろう。
小池 祐吏(三塁手)
180cm 77kgという大型の体格でパワーがあり、1年生ながら秋の東京大会では5番を任された。本塁打を打てる長打力を持っていて、大会では不発だったが高校で通算50本を目標にするなど、本塁打へのこだわりを持っている。父親は現在横浜DeNAのコーチをしている小池正晃で、父と同じよう高校時代の春夏連覇を目標に掲げている。東京大会では準決勝と決勝でそれぞれ打点を挙げた。センバツでも結果を残して実績を積み重ねていけば、来年のドラフト候補として名前が挙がってきそうだ。
岩田 一真(遊撃手)
足の速さと守備力が特徴で東京大会では準々決勝・準決勝・決勝でそれぞれ盗塁を決めた。守備力も非常に高く、俊足を活かした広い守備範囲・打球反応の良さ・柔らかいグラブ捌きなどが特徴で、安定してショートを守れています。小柄でスタメンでは下位打線が多く、打撃面ではまだ課題があるもののアベレージはそこまで悪くなく、パワーは弱くとも俊足を活かして長打にするなど光る部分があります。センバツでも岩田のショート守備には注目する価値があるでしょう。