2021年、春の選抜高校野球大会出場校について、出場校ごとに特徴・成績・注目選手などをまとめていきます。今回は仙台育英です。
チームの特徴
秋季東北大会で優勝を果たした仙台育英。センバツ出場が決定しました。
東北大会では決勝戦で18-1という結果で圧勝。力の差を見せつけた形で優勝しています。厳しかったのは準決勝の花巻東との1-0の試合ぐらいで、1回戦や準々決勝もそれぞれ7-0、11-2と大差で勝っています。打線の破壊力もさることながら、投手が安定していて全試合2失点以内に抑えていますし、投打ともにレベルの高さが伺えます。この戦力ならセンバツ優勝も十分狙えるでしょう。
仙台育英はエースに2年生右腕の伊藤がいますが、今大会では伊藤は準決勝で途中から登板したのみ。他には2年生の松田・中村、1年生の古川・小林らが登板していて、計5人が起用されていました。エースの伊藤を温存することができ、かつ盤石な結果を残していて、投手の層の厚さはセンバツでも1・2位を争うでしょう。
打線も打てる選手が揃っていて、決勝で満塁弾を放った3番センター秋山・4番ファースト吉野をはじめ、大会中長打を連発した5番サード八巻など重厚な主軸陣になっています。
投打ともに文句の無い結果でセンバツ行きを獲得したため、重要なのは慢心を持たないことに尽きるでしょう。センバツは一筋縄ではいかない展開が多いでしょうし、そういう時にどれだけ1点を絞り出せるか、逆に1点を防げるか。大味な野球にならず、1点1点を大事にする野球が求められるはずです。
秋季地区大会成績
2回戦 7-0 湯沢翔北
チーム投手成績:8回 被安打3 奪三振13 与四球1 自責点0
チーム打撃成績:33打数 11安打 7打点 1三振 1四球 4盗塁
二塁打:八巻2、岡田、小野
盗塁:浅野2、渡辺2
準々決勝 11-2 羽黒
チーム投手成績:7回 被安打2 奪三振7 与四球3 自責点2
チーム打撃成績:32打数 8安打 7打点 1三振 6四球 3盗塁
三塁打:浅野
二塁打:木村2、浅野、岡田
盗塁:島貫、大藤、木村
準決勝 1-0 花巻東
チーム投手成績:9回 被安打5 奪三振6 与四球3 自責点0
チーム打撃成績:31打数 7安打 0打点 5三振 2四球 1盗塁
盗塁:渡辺
決勝 18-1 柴田
チーム投手成績:9回 被安打4 奪三振12 与四球5 自責点1
チーム打撃成績:38打数 15安打 3本塁打 16打点 2三振 7四球 3盗塁
本塁打:秋山、八巻、吉野
三塁打:八巻2、島貫
二塁打:秋山、松田
盗塁:渡辺、八巻、岡田
注目選手・ドラフト候補
伊藤 樹(投手)
地区大会では登板したのは準決勝の1度きりだが、6回 被安打4 奪三振4 無四球 無失点で抑える好投で、エースとして文句の無い結果を残した。他の試合では大量リードを作ることができたため、伊藤を上手く温存することができ、これはセンバツでも大きなアドバンテージとなりそうだ。
ドラフト候補としても注目を集めている。身長178cmの右腕で、2年秋時点で最速147km、常時140km超えのノビのある直球と、スライダー、カーブ、スプリットなどの多彩な変化球を駆使する本格派。この冬を超えて150kmに到達してくると、スカウトから更に注目が集まってきそうだ。
八巻 真也(三塁手)
地区大会では長打を連発し、決勝戦でも本塁打を放つなど打撃面で大きな活躍を見せた。身長171cmと小柄だが鋭いスイングで打球を飛ばし、足も使えるので二塁打・三塁打を陥れることができる中距離打者。肩の強さも評価されていて、三塁手としての評価も安定している。
渡辺 旭(遊撃手)
地区大会では長打は無かったものの、4試合で4つ盗塁を決めるなど足を使った活躍が目立った。打撃面でもアベレージは残せていて、その上四球も選ぶなど出塁能力が高い。守備面では軽快な動きで、須江監督からも「器用な選手。打球に対しての動作が速い」と高い評価を得ている。身長168cmとやや小柄だが、攻守においてチームの要となる活躍ぶりで、センバツでも軽快な守備が見れそうだ。