2021年、春の選抜高校野球大会出場校について、出場校ごとに特徴・成績・注目選手などをまとめていきます。今回は広島新庄です。
チームの特徴
秋季中国大会で優勝を果たした広島新庄。センバツ出場は確実となっています。
１点差を守り切る野球。地区大会ではそれが広島新庄の野球だと言える試合を続けて優勝しました。１回戦では５回コールドの圧勝でしたが、それ以降の決勝までの３試合は全て１点差ゲームとなっていて、特に準決勝・決勝では先制されてから追いつき逆転をするという、まさに粘りの野球です。大会中の本塁打は１回戦での１本のみのため、いかに効率的な攻撃ができていたか、１点を守り切る安定した守備ができていたかを表しています。投手は花田・秋山の左右の二枚看板。今大会は特に花田が調子良く、打者としては４番でも結果を残すなど大役を果たしました。野手陣では６番ライトの平田が毎試合で盗塁し長打も打つなど活躍。チームとしても併殺崩れから盗塁、進塁して得点を奪うなど走塁で１点をもぎ取る野球ができていました。
秋季地区大会成績
１回戦 10-0 鳥取西(５回コールド)
チーム投手成績：5回 被安打2 奪三振10 与四球1 自責点0
チーム打撃成績：19打数 10安打 1本塁打 8打点 0三振 5四球 4盗塁
本塁打：北田
三塁打：花田
二塁打：北田、平田
盗塁：大可２、繁光、平田
準々決勝 3-2 桜ケ丘
チーム投手成績：9回 被安打6 奪三振8 与四球3 自責点2
チーム打撃成績：31打数 9安打 3打点 2三振 2四球 1盗塁
三塁打：平田
盗塁：平田
準決勝 4-3 鳥取城北
チーム投手成績：9回 被安打10 奪三振6 与四球1 自責点3
チーム打撃成績：30打数 7安打 4打点 2三振 4四球 1盗塁
二塁打：花田
盗塁：平田
決勝 3-2 下関国際
チーム投手成績：9回 被安打6 奪三振8 与四球4 自責点2
チーム打撃成績：28打数 6安打 3打点 0三振 2四球 1盗塁
二塁打：大可、花田
盗塁：平田
注目選手・ドラフト候補
花田 侑樹(投手)
１回戦から全試合先発で登板。４試合で23回2/3を投げ、自責６(防御率2.28)と安定した成績で地区優勝へと導いた。身長180cmとまずまずの体格で最速143kmを投げる右腕は、地区大会前ではまだチームメイトの秋山に一歩劣るような評価だったが、この大会で粘り強くチームを勝利に導く投球ができたことで、センバツ前に花田・秋山の盤石な２枚看板を作り上げた。センバツという大舞台でも粘りの投球が光ることを期待。
平田 龍輝(右翼手)
地区大会では平田の足が決勝点を生み出した。50m 5秒9の俊足を活かして今大会では何度も盗塁を決め、決勝戦でも平田の盗塁から決勝のタイムリーとなるなど、接戦の強さを体現した選手と言える。打っても長打を打てるパワーを備えていて守備も安定するなど走攻守で大きく貢献した。センバツでも平田の盗塁には大いに期待だ。
秋山 恭平(投手)
地区大会では花田の状態が良いためリリーフとして温存できていた。元々は中国地区No.1左腕と評価されるほどの投手で、身長167cm 体重61kmと小柄な体格で、最速は140kmとなっている。球威や角度で押していくタイプでは無いが、直球は空振りを取れるほどのノビのある質の良い球を投げれていて、変化球ではブレーキの効いたチェンジアップや鋭く曲がるスライダーでそれぞれ武器として使えている。ドラフト候補としては体格・球速面でまだ物足りないが、センバツでは好投を十分に期待できるだけの投球ができていて、注目の投手の１人になっている。
