横浜DeNAの2021年のドラフト指名ポイントは?
DeNAは2020年オフシーズンで大分戦力整理が進み、おそらく現時点の選手たちで来季開幕を迎えることになるでしょう。
今後やシーズン中も補強の動きはあるとは思いますが、ドラフトとは中長期的な視点で考える必要もあるので、現有戦力から将来の補強ポイントを考察してみて、そこから来季のドラフト予想を考えることは十分可能だと思います。
なので、2020年末の現時点で、2021年のドラフトについて補強ポイントを考察してみたいと思います。
ポジション別考察
現有戦力の年齢構成を見ながら、ポジション別で考察してみます。
先発投手
投手陣ですが、2021年はまたかなり若返りました。オフに藤岡、井納、パットンら32歳以上の投手たちが全員退団したため、2021年は三上、武藤、平田ら31歳が最年長になります。選手はほぼ20代に集中していて、大分若い投手陣たちになっていますね。
先発投手で見ると、29歳のピープルズが最年長ですし、日本人では27歳の今永と大貫が最年長になるという非常に若い先発陣で、20代前半~中盤に集中しています。現在この世代の投手たちがローテに定着して主力となっているので全く問題は無いですが、若い投手ばかりで人数自体はやや不安なところがあり、特に22歳以下の高卒指名組がこれから1軍ローテに定着してこないと、やり繰りが苦しくなるでしょう。
彼らがローテに定着してくれば、先発投手を上位指名する必要性も減ってきますし、他のポジションの上位指名も考えられるようになるので、ドラフトとしても重要です。現時点ではまだ将来性に若干の不安があり、それが2020年ドラフトの1位入江投手指名に繋がっています。2021年ドラフト時点までに高卒投手たちのローテ定着を期待したいですね。
【先発投手分析】
①20代中盤の若い世代が主力で将来的な不安は薄い
②全体の人数がやや少なく、高卒投手組のローテ定着が無いと不安
③高卒が定着してくれば指名順位を下げることも可能に
リリーフ投手
リリーフの場合は先発よりも主力の年齢層は少し上がって、20代後半~31歳までが主力となっています。三嶋・国吉・山﨑康・エスコバー・石田・武藤・平田など、2020年の1軍リリーフの主力たちが皆集中しています。現時点では体力と実績が備わった最も実力を発揮しやすい世代と言えそうですが、ここまで集中しているとプロ野球選手としてのピークを過ぎた時に全員が一気に成績を落とす可能性があり、やや不安な状態とも言えるでしょう。
3~4年後を考えると、現在の20代前半組から今のうちに主力リリーフ陣に入っていける投手が出てきて欲しいです。2020年は1年目の伊勢が30試合以上登板しましたし、これは光明と言えます。他にも砂田が後半に結果を残せていましたし、櫻井や池谷など若い投手もいます。彼らを育成していくと共に、やや左腕に偏っているのでこれからはリリーフ右腕も獲得していくようになるでしょう。
2021年ドラフトではおそらくまた1人支配下で指名して、次世代のリリーフ候補を増やしていくと思います。
【リリーフ投手分析】
①20代後半~30代前半に主力が集中。現時点では安定だが将来に不安
②20代前半だと今のところ伊勢が出てきているのみで薄い
③左腕は砂田・櫻井・池谷などがいるが右腕は手薄で指名の必要アリ
捕手
捕手は1軍レギュラー組と若手組とで年齢差があります。
2020年に最も起用されていたのが戸柱で、その控えとして伊藤光・嶺井・高城が条件に応じて起用されていました。正捕手1人を固定しない併用制を採っていて、これは捕手の状態に合わせた起用が可能になるので悪くは無いと思いますが、同時に突出して良い捕手というのもいない状態で、上手く起用していかないと難しいでしょう。ラミレス監督はデータや自身の作戦を含めて考えた末に2020年のような起用になったのだと思いますが、三浦監督になってこの起用法も大きく変わる可能性があります。
複数人いてまだ20代後半~30代前半の世代ですし、若手は山本・益子・東妻ら19~22歳の選手が控えているので、将来的な不安も今のところ少ないです。ドラフトでも現状だとそこまで重要視するポジションでは無さそうですが、能力的に攻守両面で高いレベルの捕手がドラフト候補として出てくれば、そういう捕手を獲得して一気に正捕手候補として、世代交代を図る可能性もありそうです。
【捕手分析】
①20代後半~30代前半がレギュラー捕手で併用制なのでリスクが低い
②突出した捕手がいない分、采配次第で誰を起用するか変わる可能性が高い
③若手もいて将来的な不安は低いが、攻守で突出した選手がいれば指名もアリ
内野手
内野手は現在チーム内で1番年齢が高いポジションになっています。
大和・宮崎・ソト・中井・倉本ら2020年に1軍定着していた選手が30歳以上ですし、彼ら以外で今季1軍にずっといたのは柴田ぐらいですので、主力が30代に固まっている状態です。他に控えとして山下、主力の後継者候補として伊藤裕・知野・森・田部・デラロサらを2軍で育成しつつ、オフに牧・小深田・田中俊を獲得してくるなど、世代交代の準備を急ピッチで進めていた状態と言えるでしょう。
ポジション別だと2021年はファーストにソトが定着予定。ここは外国人補強しやすくオースティンが入ることも可能なので、世代交代を考える必要は現状無し。
セカンドは若手や新戦力の競争の場となりそうで、2021年は柴田・伊藤裕・牧・田中俊ら20代の選手たちが起用できますし、2軍では田部や知野を積極起用して育成中なので将来的にも候補はいます。
ショートは大和・倉本ら30代の選手がいて、2020年のように併用して結果が残せれば良いですが、どちらも厳しい場合は柴田をショートで起用する形になりそうです。2軍では森を将来のレギュラー候補として育成中ですが、すぐには1軍へ上がってこれないでしょう。ショートは守備の要でなかなか代役がいないポジションなので、ここを守れる選手がもっと必要ですね。
サードは宮崎がレギュラーとして何年も定着していますが、年齢的にそろそろ後継者候補が必要です。宮崎は2021年オフにFA権を取得する可能性が高く、全ポジション含めても現在最も後継者が必要なポジションと言えるでしょう。後継者候補としては中井・伊藤裕・牧・山下・田中俊らがいて、2軍でも田部・知野らを起用して、ドラフトで小深田を獲得して育成しますし人数自体は多いです。ひとまずこの中から後継者が出てくることを待つ形ですね。
【内野手分析】
①レギュラー陣は30代以上が多く、球団も世代交代の準備を進めている
②ショートは後継者候補が少なく最も手薄なポジションで補強が必須
③サード宮崎の後継者が必要だが候補者は多く、台頭することを待つ
外野手
外野手は梶谷が移籍したことで全員が20代となり、ある意味で若手が充実しているポジションと言えます。最年長が桑原・神里・乙坂らで27歳で、まだまだ将来性のある若手たちですし、26歳の佐野はレフトで定着、楠本・関根・宮本ら外野の全ポジションを守れる控えもいて、蝦名・細川ら将来が楽しみな若手もいるという、人数は多くないものの戦力の充実ぶりは野手の中でも1番と言えるでしょう。他に内野手のオースティンが2020年はライトで起用されていましたし、梶谷が移籍したもののまだまだ高いレベルを維持できそうです。
ただ唯一懸念としてはここ数年高卒外野手の指名が無いため、2軍で数年かけて育成していけるような若手の選手がいない状態です。全体の選手層としては若手が多くレギュラーも定着していて悪くないものの、蝦名や細川は外野の両翼を守るタイプです。なので彼らと近い世代か更に若手でセンターを守れる選手を、今のうちに育てておくのは必要になると思います。
【外野手分析】
①レギュラー陣は20代の若手揃いで梶谷流出も不安は少ない
②蝦名・細川ら20代前半にも期待できる若手が揃っている
③センターを守れる選手が手薄で、将来的にもセンター候補の育成が必要
まとめ
各ポジション別の分析をまとめると、現状で先発・リリーフ・ショート・外野がドラフトで指名が必要なポジションとなると思います。
・若手の台頭が無い場合はローテに定着できる先発
・世代交代ができる即戦力のリリーフ右腕
・大和・倉本の後継者として考えられるショート
・将来を見据えたセンターを守れる若い外野手
今後の動きや2021年のシーズン中の状況でこれら指名ポイントもまた変わってくる可能性はありますが、現状では上記に該当するドラフト候補を重視して調査していくのではないでしょうか。
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