データで語るドラフト・育成論

プロ野球ニュース解説、ドラフト候補紹介、野球関連の持論・考察・寸評などを記事にしています。

【ドラフト2020】西武の指名結果と考察

2020年ドラフト会議の西武の指名結果と考察です。

 

ドラフト指名結果

■本指名

×早川隆久・投手(早稲田大)
1.渡部健人・内野手桐蔭横浜大
2.佐々木健・投手(NTT東日本
3.山村崇嘉・内野手東海大相模高)
4.若林楽人・外野手(駒澤大
5.大曲錬・投手(福岡大準硬式)
6.タイシンガーブランドン大河・内野手東京農業大北海道オホーツク)
7.仲三河優太・外野手(大阪桐蔭高)

■育成
1.赤上優人・投手(東北公益文科大)
2.長谷川信哉・外野手(敦賀気比高)
3.宮本ジョセフ拳・内野手名古屋学院大
4.豆田泰志・投手(浦和実業高)
5.水上由伸・投手(四国学院大)

 

指名について評価・考察

久しぶりの野手中心指名。新山賊打線構築と3軍制への動き

西武はドラフト会議まで誰を入札1位指名するか情報を漏らさず、投手か野手かも分からなかったが、最終的には競合確実の早川を指名した。だが、早川をクジで外した後の切替が早く、4位までに野手3人という2013年ドラフト(1位森・2位山川・4位金子)以来の野手中心指名となった。

西武は投手が課題とずっと言われてきたが、今年は野手陣の成績がふるわず、主力打者の衰えが見えてきていた。そのため投手と野手のどちらを重視したドラフトになるか注目していたが、入札1位が早川で、外したら野手指名というのはとても合理的で納得がいきやすい指名と言える。

外れ1位で指名した渡部は長距離砲のパワーヒッター。飛ばす力だけなら阪神ドラ1の佐藤にも引けを取らないだろう。

守備位置は主にサードとファーストだが、西武はこれまでサードを守っていた中村剛に衰えが見えてきており、渡部は後継者として期待されているだろう。

2位指名は社会人左腕の佐々木で、最速152kmの力のある直球を武器に先発・リリーフのどちらでも即戦力となり得る。ここで佐々木を指名できたことで、3・4位で野手指名にできたと言える。

3位は高校生サードの山村で、1位の渡部とポジションが若干被るが、身体能力が高く俊足・強打を活かす選手で潮崎ディレクターも秋山タイプと期待を寄せている。野手はこの先より世代交代を迫られるようになるため、山村は現レギュラー陣の後釜として文句無しの期待度の選手と言える。

4位は大学生外野手の若林で、俊足強打とこちらも身体能力が高い。今季西武は栗山が活躍していたが、その栗山も37歳で後継者探しは必須の状態だ。若林が栗山の後釜として、また打てる外野手として台頭してくれば西武としては強力打線を維持していく目処が立つだろう。

5位指名からは打って変わって一芸に秀でた素材型指名となった。5位の大曲投手は準硬式という異色の大学生右腕で最速154kmの直球と三振を獲れるキレのある変化球が武器になっている。公式のプロでどう活躍するか楽しみな投手だ。

6位指名はタイシンガーブランドン大河内野手で、ハーフならではの身体能力を活かした肩の強さやパワーが売りだ。サード・ショート・外野を守り育て方次第で西武の弱点を埋める選手になれるだろう。

7位は高校生外野手の仲三河で、野手としてはパンチ力のあるスラッガー、投手としても最速140km前後を投げる強肩強打の素材型だ。未来の西武打線を担う存在として期待できる選手と言える。

育成では投手3人、野手2人と多めの指名で、もしかすると3軍制への動きも考えているのかもしれない。

西武は3連覇の夢は潰えたが、まだまだ上位に居れる力がありそれを継続するためのドラフトができたと言える。マイナス1点を挙げるなら野手へ寄りすぎた指名という点で、現状の先発陣の状態を考えるともう1人ぐらい大学生以上の投手を指名して良かったかもしれない。

ただ、西武の2連覇は打線の力によるものが大きく、その強みを維持し続けるというのも間違った選択ではない。ウィークポイントを覆すだけのストロングポイントを持ったチームとして上位に君臨し続けられるか、来年はそこに注目したい。

 

西武のドラフト前戦力分析と指名予想↓

 


【スポンサーリンク】