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【ドラフト2020】西武のドラフト1位指名予想

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パ・リーグ4位に位置している西武。

現在2年連続優勝中で、3連覇を狙った今年だったが、序盤はパ・リーグが混戦の中で3位近辺の位置をキープしていたが、8月に入りやや負けが込むようになって5位まで転落した。9月からまた調子を上げて4位に上がってきたものの、リーグ優勝がやや難しくなってきた。昨年までと比べると、リーグトップの破壊力ある打線が今季はそこまで得点できていないことが影響していると言える。

その西武が今年のドラフトでどんな指名をするか、考察してみた。

現状の戦力分析

9/28時点、西武40勝 42敗 2分 パ・リーグ4位の位置にいて、1位ソフトバンクとは 7ゲーム差離されている。3位の楽天とは1.5ゲーム差なのでAクラス入りの可能性はまだ十分あるが、リーグ優勝3連覇はかなり厳しくなってきている。この原因として昨年までの状態と比較すると、攻撃面での得点力の低下が顕著だ。一昨年、昨年と西武がリーグ優勝した際はどちらも得点数がずば抜けていて、リーグ2位と100点差以上つけるほど破壊力があった。しかし今季はその得点数が9/28時点でリーグ5位まで落ち込んでいる。自慢の打線が力を発揮できなくなっている。

 

投手

今季のチーム防御率は9/28時点でリーグ最下位になっており、特に先発防御率が唯一5点台という高さで、QS率もリーグ最下位になっている。これらを見ても先発の状態が良くないことは明らかで、先発の立て直しが必要だ。今季唯一、開幕からローテに定着しているのがニールだが、防御率が5点台で失点が多く昨年と比べても成績は悪化している。QS率は50%を超えているものの、殆どの試合で2点以上の失点をしていて、援護が無ければなかなか勝つことが難しい状態だ。ニールに続いて、松本航・高橋光が先発で多く投げていて、松本は昨年と比べると安定して登板数を増やしてきたが、現状防御率は4点台近くになっていてもう1つ内容の改善が求められる。高橋光は防御率4点台中盤で昨年と殆ど同じ状態だが、今季は打線の調子が落ちたこともあって、勝ち星をなかなか稼げていない。そしてローテに定着しているのはこの3人のみで、他の投手を上げ下げしながら先発をやり繰りしている状態だ。これらを考えるとローテ投手の量も質も改善していく必要があり、そのために今ドラフトでも先発投手の補強は必須になるだろう。

リリーフ防御率は3点台中盤でリーグ2位になっていて、こちらはかなり盤石と言える。抑えの増田が9/28時点で防御率1.69 22セーブを記録していて、抑えとしては盤石とも言える成績を残している。この他、平良・森脇らも防御率1点台の成績で抜群の安定感。宮川・ギャレットらも防御率3点台で、この主力5人のリリーフが開幕からずっと1軍にいることで、リリーフ陣が非常に安定している。現状補強の必要性が薄いところではあるが、抑えの増田がFA権を取得したことでオフの去就が気になるところだ。

 

野手

今季は得点力不足がはっきりしていて、チーム打率5位、チーム本塁打数3位、チーム出塁率3位、チーム長打率3位となっている。これは普通のチームとしてはそこまで悪くは無いが、西武は今まで打線を売りにして得点数がリーグダントツの成績を残し続けてきたチームで、その最大の長所が見えなくなっている。

この原因としては、昨年オフに秋山がメジャー挑戦したことも影響してそうだが、既存メンバーもやや伸び悩みに苦しんでいた。1番顕著なのが森友哉で昨年打率.329 23本 OPS.959(573打席)という結果を残していたが、今季は打率.259 6本 OPS.712(285打席)に留まっている。現時点で打席数が約半分だが、2倍しても本塁打は12本にしかならず、本塁打ペースは昨年の半分程度まで落ちている。この成績の低下は今季の西武の得点力にも大きく影響していると言える。また昨年OPS.800以上の打者は5人いて、森・山川・中村剛・秋山・外崎らが打線を引っ張っていたが、今季は山川・スパンジェンバーグ・栗山の3人のみで、中村剛・外崎らも成績を大きく落とした。スパンジェンバーグと栗山の台頭があっても、昨年からのメンバーがこれだけ成績を落としていると厳しい結果となってしまう。栗山・中村剛はもう37歳で今後もレギュラーで活躍を続けることは難しくなってくるだろう。なので近いうちに世代交代を迫られるだろう。

 

 

指名傾向・優先度

西武はドラフト1位で投手指名をする傾向が非常に強く、野手の1位指名は2013年の森友哉まで遡り、6年連続で1位投手が続いている。今年は先発投手の成績が良くないため、ドラ1でも投手を指名する可能性は非常に高そうだが、西武の情報をトピックにしている西日本スポーツではこのような記事も出た。

 

野手指名の可能性について渡辺GMが言及しているという内容だが、実際今年の優勝が厳しいのはこれまでリーグダントツの打線の破壊力が無くなっているという点で、ドラフト1位で即戦力野手を獲得することでまた強力打線の復活を考えている可能性はあるだろう。ただ指名公言をしたわけでもないし、候補の絞り込みもこれからかけていくようなので、現状ではあくまで「可能性がある」という程度の話と思われる。ただ、1位指名でなくても野手の指名は必須になりそうで、全体的には投手と野手の両方をバランス良く指名する形になりそうだ。

 

入札1位指名予想

伊藤 大海(投手・苫小牧駒沢大)

西武は昨年まで2年連続リーグ優勝していたが、 今季は下位に低迷している。低迷の理由としては頼りにしていた打線の調子が落ちてきたのもあるが、投手陣の状態も無視できない。西武は毎年ドラ1で投手を指名していて、今季は元ドラ1の高橋光・松本航がローテに定着しているものの、他の先発がなかなか固定できていない。長年の課題である投手陣の整備を今年も第一に考えていくべきだろう。その中で西武に合っていると考えたのが伊藤だ。直球の球威は今ドラフトNo.1で早川以上の力のある真っすぐになっている。変化球も多彩で1位としては申し分ない実力だ。早川にしない理由としては、クローザーの増田のオフの動向が気になるところもある。増田は昨年から安定して抑えを任されていて、今季も防御率1点台で盤石な抑えとなっている。FA権を取得したことで争奪戦になる可能性があり、そうなると流出の危機があるだろう。それを踏まえると抑えも考える必要があり、抑えとしても期待ができる伊藤は西武に必要な投手となりそうだ。

 

その他1位指名候補

佐藤 輝明(外野手・近畿大

西日本スポーツの記事でもあったように、今季は野手のドラ1の可能性もある。その場合に候補として考えられるのはやはり佐藤だろう。西武は今季得点力の低下が著しく、またサードの中村剛、レフトの栗山らはベテランの年齢で世代交代を求められる。ライトの木村は打撃面で物足りなさがありまだ固定させるほどの信頼が無い。これらを考えると佐藤がサード、レフト、ライトのどこに入っても打撃面で大きなプラスになりそうだ。西武は長年ドラ1で野手を指名していないが、佐藤ならドラ1として納得がいく指名と言えるし、可能性はありそうだ。

 

中森 俊介(投手・明石商)

西武の先発は高橋光・今井ら高校生投手の台頭も目立っており、高校生投手を見る目は他球団以上にありそうだ。そうしたスカウト眼を勘案して高校生投手の一本釣りを狙う可能性もあるだろう。そうした中で考えられる候補が中森だ。潮崎編成Gディレクターがプロでも通用すると評価しており、渡辺GMも1位候補として評価している。先発事情が苦しい中で大学生や社会人投手にいかないのは不安でもあるが、高橋光・今井に続く高卒ローテ投手を獲得しに中森を指名する可能性はありそうだ。

 

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