データで語るドラフト・育成論

プロ野球ニュース解説、ドラフト候補紹介、野球関連の持論・考察・寸評などを記事にしています。

【ドラフト2020】横浜DeNAのドラフト考察(指名傾向・優先度編)

f:id:hamanontan:20200903224823p:plain

前回記事で、横浜DeNAの現状の戦力分析を行ったが、今回はその内容を踏まえたうえで、実際のドラフトの指名傾向や優先度を考察していくことにする。

前回記事を読んでない方でも分かりやすいように記載していくが、興味があれば読まれた方が、筆者の考えが伝わりやすいと思われる(意訳:是非読んでください)

これまでの指名傾向のおさらい

 

f:id:hamanontan:20200904151121p:plain

 DeNAのこれまでのドラフトの指名傾向のおさらいをまず行うと、2012年以降の指名で特徴的なのはやはり大学生・社会人投手の上位指名だろう。

8年間の中で大学生・社会人投手を2位以内で指名しなかった年は1度も無く、1位指名が大学生・社会人投手じゃない年は2012年と2019年しか無い。投手を最優先の補強課題として、投手陣を整備することによって強くなってきたチームと言っても過言ではない。

この他では中位・下位での大学生・社会人野手指名が多く、そこからレギュラークラスや1軍戦力となれてる選手も多い。全体的に大学生・社会人指名に重点を置くドラフトになっている。

反面、高校生は大学生に比べると指名人数も優先順位も低く、2012年から数えても2位以上で指名した高校生は松井裕(2013 外れ)と小園(2018 外れ)と森(2019)しかいない。指名自体は毎年行っているものの、下位や育成指名が大半なので、1人でも育ってくれれば良いぐらいの考えかもしれない。

しかし高校生野手は一昨年に小園を指名し、クジを外したが去年でもう1度同じ高校生野手の森を1位指名したことで、高校生から主力に育て上げようという気持ちが球団に出てきている。

 

今年の指名傾向・優先度

これまでの傾向を踏まえて今年の傾向を予測すると、現状では大きな戦力変化が無く、指名方針の大転換を図る可能性は低いだろう。つまり前年までの踏襲という形が予想される。

全体の指名人数だが、現在支配下登録67名で若干の余裕がある状態だ。今年はなかなかシーズン中の補強がしにくい状態で、あるとしてもトレードや育成選手の支配下登録などで1名程度増えるぐらいだろう。ここから戦力外が何人出るかで指名人数が決まってくるが、現状から個人的に予想してみたところ投手は4~5名、野手は1~2名で、おそらく6~7名程度の戦力外になると思われる。そうなると支配下登録は61名前後という形になり、ドラフトでは本指名は6名前後と予想する。配分的には投手3~4名、野手2~3名という形だろう。

戦力分析でも記載した通り、まだまだ投手の層が薄く今年も上位で投手を指名する必要はあるため、1・2位のどちらかに大学生・社会人投手を指名する可能性はとても高い。ただ、もう一方で内外野ともに1軍レギュラー格が不足しており、これらを考えた野手の上位指名もある。なので1・2位は今年も投手・野手が1人ずつという形になりそうだ。

投手に関しては大学生・社会人投手は上位で、高校生投手は下位指名という形になるだろう。ただ野手の場合、去年、森・田部らを指名したことで、今年の上位指名は即戦力候補でも素材型でもどちらでも指名はできる。現在の1軍レギュラー候補と競わせるか、将来森・田部らと肩を並べる選手にするか、どちらにするかはドラフト候補の顔ぶれを見ての判断になりそうだ。

3・4位の指名でも投手と野手のバランスは考えたいところで、投手ならリリーフタイプがこの辺りで欲しいところだ。先発同様にリリーフも人数的にやや不安な点があり、去年伊勢を指名したが、今年も伊勢と同じようなリリーフタイプを指名して、来季からすぐに1軍戦力になってくれると好都合だ。もう1人は野手で、上位指名で指名できなかったポジションやタイプの野手をここで補完しておきたいところだ。上位で内野手ならここで外野手、もしくは上位で大学生・社会人ならここで高校生、といった形でバランスを考えた指名になるだろう。このように3・4位は、上位指名で指名できなかったが補強ポイントとしては大事な箇所の指名になりそうだ。

5・6位の指名ではここまで指名してこなかった選手になるだろう。投手ではここで高校生や、素材型だけど伸びしろがありそうな投手の指名になり、野手では一芸に秀でたタイプを指名して、宮崎や佐野のように開花することを狙いたいだろう。

また、育成選手に関しては昨年指名できなかった分、今年の指名の可能性はとても高いと考える。現状で日本人の育成選手が宮城と田中健だが、宮城は来年3年目で支配下登録するか決める段階になり、田中健もトミージョン手術からのリハビリも終わり実戦で投げれるようになるだろう。そうなれば育成は外国人選手しかいなくなるため、今ドラフトで育成選手を指名してくると考える。育成選手もタイプとしては下位指名に沿った形で、素材型や一芸に秀でた選手になるだろう。最近では宮城など、球速が140km前半の投手を指名して、2年目には常時140km後半にまで上げて2軍ローテ入りさせているのを考えると、球速に拘らない指名にもなりそうだ。

f:id:hamanontan:20200904200048p:plain

以上を踏まえると、このような形の指名になると予想する。

 

次回はこれを踏まえて、具体的に誰を指名するかの考察をしていきたい。

DeNAの過去の指名からスカウト好みのタイプや、現有戦力を補うタイプなど、複数のバリエーションで多く選手を挙げていく記事を予定している。

 

次回:上位指名候補選手編↓

 

前回の戦力分析編の記事↓

www.hamanontan-baseball.com

 

 

【スポンサーリンク】