球春到来!
2019年のプロ野球春季キャンプが始まり、いよいよシーズンへ向けて各球団がスタートした。今年はどんなシーズンになるのか期待に胸を膨らませているファンも多いだろう。そこで各球団のオフの動きや既存戦力で予想される変化から、戦力分析と順位予想を行ってみた。今回は阪神タイガースの記事だ。
主な戦力補強・流出
【ドラフト】
近本光司 外野手 大阪ガス
小幡竜平 内野手 延岡学園高
木浪聖也 内野手 Honda
齋藤友貴哉 投手 Honda
川原陸 投手 創成館高
湯浅京己 投手 BC富山GRN
ドラフトについての評価・考察は別記事に詳しく記載。
【FA・外国人補強】
獲得
西 勇輝投手
オネルキ・ガルシア投手
ピアーズ・ジョンソン投手
ジェフリー・マルテ内野手
流出
竹安 大知投手
マルコス・マテオ投手
ディエゴ・モレノ投手
ウィリン・ロサリオ内野手
西・ガルシアという先発投手陣の大幅補強
阪神の補強の1番の目玉としては西をFAで獲得したことだろう。昨年25試合162回1/3を投げた西は、先発ローテを安定して守る力を持ってる投手と言える。阪神の先発が強化されることは間違いないと言えるだろう。加えて外国人先発でガルシアも獲得。こちらは昨年中日で27試合168回を投げており、安定感抜群の外国人投手だ。阪神はメッセンジャーがFA権を取得して日本人登録となったので、更に外国人先発の補強が可能となり、そこにガルシアを補強した形になった。この先発2人で約330回を投げた投手を獲得したことになり、今季もこれぐらい投げれると先発は12球団1とも言える安定感になるだろう。
盤石なリリーフ陣に加えジョンソンを獲得
阪神は昨年セリーグNo.1のリリーフ防御率で、十分安定している方だが、ここに新たにジョンソンを獲得した。マテオが抜けたところに入った形で、リリーフをより盤石にする意図が考えられる。藤川(38)・能見(39)らベテランリリーフが主力なので、彼らが衰えてきても大丈夫なようにする意図もあるだろう。
マルテでOPSリーグ最下位からの脱却なるか
投手陣の盤石さに比べて、チームOPSはリーグ最下位でここは改善ポイントだ。昨年はロサリオが結果を残せなかったこともあり、ロサリオと交代でマルテを獲得した形だ。メジャー通算30発の長距離砲が活躍して主軸に入ってくれば、リーグ最下位に低迷していた阪神の打線を強くすることができるだろう。
既存戦力の変化
ベテランを多数抱える阪神。彼らがどこまで衰えず結果を残せるか
阪神のレギュラーを見るとベテランを多数抱えている。野手は福留(41)・糸井(37)・鳥谷(37)、投手は能見(39)・藤川(38)・メッセンジャー(37)らがベテランの中でもまだまだ主力として起用されているメンバーで、彼らに関しては年々身体的な衰えが出てくる頃だろう。成績面でも福留・鳥谷・メッセンジャーらは昨年から成績が悪くなってきており、これは年齢的な影響と見られる。ベテランなので調整法や技術をしっかり確立しているため、一気に成績が落ちるようなことは無いだろうが、かといって成績の向上も望みにくいと考えた方が良いだろう。今年の阪神はベテランの起用が難しくなってくる可能性が高い。
大山が主軸打者として活躍する期待
前述の糸井や福留が衰えてくるとなると、本塁打を打てる打者が少なくなる。昨年のチーム内本塁打数は糸井が16本で最多。次いで福留の14本で、チーム全体の本塁打数85本のうち、30本がベテラン2人で占めている状態だ。彼らが衰えて本塁打数が減るとチームの本塁打数に大きく影響を与えるため、彼ら以外で本塁打を打てる打者の台頭が求められる。その役割を最も期待されているのが大山だろう。昨年の本塁打数はチーム内で3番目に多い11本で、糸井・福留に次ぐ本塁打数だ。まだ24歳という年齢を考えても、これからが伸び盛りで、本塁打数を増やしていくことは期待できるだろう。大山が糸井・福留以上に本塁打を打てるようになれば主軸打者として定着し、新しい阪神打線の礎となってくるに違いない。
成長を期待できる若手多数
阪神の若手から今年1軍で活躍を期待できる選手がいる。投手だと才木・高橋遥が1軍で投げて結果も残しており、他にも青柳・谷川らは2軍で安定した投球ができていて、1軍で投げるチャンスが出てきている。才木や高橋遥は結果を残せれば1軍ローテに入ってくる可能性もあるだろう。
野手だと板山が2軍で結果を残しており、1軍の外野争いに入っていける力がついてきている。また植田が昨年1軍で104試合に出場し、打撃ではあまり結果を残せなかったが遊撃手の守備固めなどで貢献し、1軍経験を積むことができた。
今年台頭する可能性のある若手が投打でいるため、彼らが1軍で活躍すると戦力的に大きな上積みになってくるだろう。
予想レギュラー
先発:メッセンジャー・西・ガルシア・岩貞・小野・秋山
中継ぎ:能見・藤川・岩崎・桑原・岡本・ジョンソン
抑え:ドリス
※赤字は補強選手
西・ガルシアが加入したことで先発陣は盤石になった。控えにも才木・藤浪・高橋遥・岩田などがおり、シーズン中に先発のやりくりで困ることは無さそうだ。中継ぎもジョンソンが入ったことで一層良くなった。ドラフト4位の齋藤もこの中に入ってくる可能性があり、こちらも崩れる心配は少ないだろう。抑えのドリスも今年で4年目で、盤石といえる状態だろう。殆ど隙が無い投手陣と言える。
【野手】
捕手:梅野
一塁:マルテ
二塁:糸原
遊撃:北條
三塁:大山
左翼:福留
中堅:近本
右翼:糸井
※赤字は補強選手。緑字はドラフト指名選手。
マルテや大山が結果を残せるかどうかで、打線の成否が決まりそうだ。福留や糸井頼りの打線のままでは昨年よりも打撃成績は悪化する可能性があり、新戦力や若手の台頭が求められる。中堅にはドラフト1位ルーキーの近本が入る可能性が高い。阪神打線の火付け役として期待されているだろう。投手陣に比べると野手の層は全体的に薄く、特に打撃面で結果を残せる選手が少ないため、このレギュラー陣の活躍次第になってきそうだ。
順位予想
上記の戦力分析を踏まえて阪神の今年の順位を予想する。
5位
投手の補強はできたが野手が未知数。福留・糸井の後継者不在は変わらず
西・ガルシア獲得などオフの補強は成功したと言えるし、ドラフトも一部の評論家やライターから言われるほど悪くはないだろう。だがそれらを踏まえてもまだAクラスに到達するのは難しいと考えた。最大の理由がチームの打撃力だ。昨年のセ・パ両リーグを見ても打撃の強いチームが上位に進出しており、全体的に打高の時代に入ってきたと考えられる。その中で阪神は本塁打数や長打力が他球団と比べて不足しており、しかもチーム内で打てる方の選手が糸井・福留というベテラン頼りな状態だ。野手についてはドラフトで近本を獲得し、外国人のマルテも補強したが、まだこれだけでは厳しいと考える。Aクラス入りするなら、既存戦力の台頭が必要不可欠になってくるだろう。
上がり目
梅野・大山・糸原・北條ら若手野手の打撃の伸び次第でAクラスも
下がり目
失策数ワーストの守備が改善されないと投手補強効果が半減し最下位も
【12球団順位予想記事まとめ】