データで語るドラフト・育成論

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【ドラフト2018】ヤクルトのドラフト1位指名予想

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12球団のチーム状況と今年のドラフト候補達の情報を踏まえた上で、1位指名予想をしていきます。

1位指名以外で各球団おススメのドラフト候補についてはこちらに記載。

東京ヤクルトスワローズ

現状分析

1軍主力

昨年は最下位に沈み、今季始めもあまり成績が上がらず低迷していたが、交流戦以降一気に成績が上がり、今は2位の位置にいる。

ここまで上がってきた要因を挙げるとすれば、野手陣の活躍によるところが大きいだろう。

野手陣評価

打線の繋がりは広島をも凌ぐ。だが外野手は後継者準備が急務

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・チーム打率 リーグトップ

・チーム得点数 リーグ3位

・チーム四球数 リーグ2位

・チーム三振数 リーグ最少

・チームOPS リーグ2位

打撃陣の特徴としては高打率の打者が多く、四球多三振少で打線の繋がりがしっかりしているところだ。

打撃で規定打席に載っている選手は6名。(山田・バレンティン・坂口・青木・西浦・雄平)

このうち4名が打率3割以上(山田・坂口・青木・雄平)

本塁打数30本以上が2名(山田・バレンティン

主軸の状態の良さは広島にも劣らないだろう。

ただ、坂口(34)・バレンティン(34)・青木(36)・雄平(34)はもうベテランで、年齢を考えるとそろそろ打撃成績の低下や打席数の減少が始まってもおかしくない。

4人とも外野手で、世代交代の準備を進めていかないと彼らが衰えてきた際に外野全てが空白になってしまう恐れもある。

二遊間は山田(26)・西浦(27)がまだ20代中盤で若く、この2人が固定できているのはチームとして強みと言える。

サードは川端(30)は昨年怪我で出場が無かったが、今年は復帰してレギュラーに返り咲いた。

だがブランクがあったせいか、今年の打撃成績は伸び悩んでおり、年齢的にもそろそろ後継者が欲しいタイミングではある。

控えに藤井(29)・大引(34)らがいるが、どちらも後継者と考えれる選手ではないし、ここは若手の選手が出てきて欲しいところだ。

捕手は中村(28)がここ数年ずっと正捕手を守り続けており、打撃的にやや物足りなさはあるが、まだ年齢も若く今後も正捕手を任されるだろう。

ポジション的に気になるところはやはりベテランが主力の外野手。

他のポジションも、20代前半の選手が少ないのが気になるところだが、直近ですぐに必要というポジションはなく、補強の優先度はそこまで高くない。

投手陣評価

先発・リリーフ共にやや不安定。頭数が少なく、抑えも固定できず

投手陣はリーグ下位の成績で、改善が必要なところだろう。

・チーム防御率 リーグ4位

・先発防御率 リーグ5位

・先発QS率 リーグ5位

・救援防御率 リーグ4位

先発で規定投球回に到達してるのはブキャナンのみで、そのブキャナンは既にシーズンの規定投球回にも到達している。

他の先発は石川・原・小川らで、この中で防御率2点台なのは小川のみ。

小川以外は皆防御率4.00前後で、計算できる先発とは言いづらいだろう。

規定到達できるような投手がもう1人か2人は欲しいところだ。

リリーフでは石山・近藤・風張・中尾らが積極的に起用されているが、抑えの石山が防御率2点台で、それ以外のリリーフは皆3点台以上となっていて、やや安定してるとは言いづらい。

去年まで抑えを経験してた秋吉も今年は防御率が悪く、新人の大下や高卒2年目の梅野らもリリーフ起用して頭数は揃っているが、もう少し内容を良くしたいところだ。

2軍の若手状況

野手陣評価

スーパールーキー村上を始め、期待できる若手は多いが外野は不足

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野手陣は2軍でも好選手が揃っている。

200打席以上与えられてる20代の選手を挙げると、村上・宮本・山崎晃・古賀・渡邉・奥村・廣岡・谷内・大村らがいて、若手の積極起用が目立つ。

この中でも村上・山崎晃・奥村・廣岡らはOPS.700以上で、1軍へ上がれそうな力をつけている。

村上・奥村・廣岡は内野手で、1軍・2軍ともに内野の充実ぶりが光っている。

村上は高卒ルーキーながら規格外の活躍をしていて、サードで安定してくれば1軍の川端の後釜を担える選手になってくるだろう。

将来の主軸としても期待が持てるし、ヤクルトの若手陣の中でも特に注目すべき選手だ。

外野手の若手で好成績なのは山崎晃ぐらいだが、そもそも外野の最年少が山崎晃と塩見ぐらいしかおらず、外野の後継者は数も質も不足してるのがはっきりしている。

捕手は古賀を積極起用しているが、打撃が伸び悩んでいて育成に時間がかかるだろう。

1軍は中村が正捕手を任されてはいるものの、中村の次の捕手がいない状態で、中村に怪我などがあった場合に代わりを務められる捕手が少ない。

現状だと井野(34)が1軍の控え捕手だが、年齢を考えたらそろそろ若手の捕手が出て欲しいところだ。

投手陣評価

若手の頭数が足りない。まずは先発でローテを組めるように

投手陣は高橋・寺島の若手2人が2軍の先発でメインで使われている。

2人とも既に80イニング以上投げており成績も悪くないので、1軍先発登板もそう遠くないだろう。

ただ彼らに続く先発が2軍だと館山・山中で、この2人はもう育成という段階をとっくに過ぎてる投手達で、若手先発がもう少し欲しいところだ。

先発の頭数自体少なくリリーフ継投の日が多いが、1軍先発も状態が良いとは言えず、2軍でも先発投手が少ない現状は変えていかなければいけないだろう。

リリーフ陣の成績を見ると、防御率3点以下の若手が蔵本ぐらいしかいない。

あとは梅野が3点台前半で好投してる方で、他の投手の防御率はそれ以上で、年齢的にも30歳前後が多く、将来性という点で見るとなかなか厳しい状態だ。

1軍のリリーフも芳しくない成績なので、緊急性を要する補強ポイントと言えるだろう。

指名ポイント

現状分析した結果、ドラフトでの指名ポイントは3つが挙げられる。

 ①1軍先発・リリーフの投手力強化

 ②青木・バレンティン・雄平らの後継外野手

 ③2軍で育てる若手投手を充実化

①は、やはり強力な打撃陣に比べて、投手力が弱く先発・リリーフ共に1番強化したいポイントだろう。

先発は外国人のブキャナン頼りの現状で、もう1人規定投球回を投げれる投手が欲しい。

リリーフも複数年安定して抑えている投手が少なく、抑えも昨年まで秋吉で、今年は石山とまだ固定できていないのが現状だ。

2軍を見ても安定してる投手が少なく、とにかく1人でも良いから1軍で通用する投手が欲しいところだ。

勝ち継投や守護神も毎年変わっているので、理想的には数年に渡って抑え続けられる投手が欲しいところだろう。

②は外野手で、これはもう現1軍を見れば世代交代が目前に迫っているのが分かる。

今の1軍レギュラーの外野陣が全員30代中盤で、あと数年もすれば全員代わっても不思議ではない。

しかし代われるだけの選手がまだ少ないのも現状で、こちらもなるべく速やかに補強したいポジションだ。

③は若手投手で期待できる投手は何名かいるが、まだ未知数なところが多く1軍の投手陣事情を考えると、もう少し層を厚くしたいところだ。

 

1位指名予想

これまでのまとめを踏まえて、ヤクルトの1位指名はこの選手と予想する。

甲斐野 央(投手・東洋大

すぐにでも抑えが務まる甲斐野は、1軍の投手陣に不安があるヤクルトにうってつけだ。

最速159kmでメジャー時代の上原並みの回転数の直球を投げれる投手は、プロでもなかなかいない。

甲斐野が抑えに入ることで、今までやりくりに苦労していたリリーフ陣事情の問題が解決する可能性は高い。

若手投手の育成にしても、先発かリリーフか分からない起用が多かったのは1軍のこうした投手事情が原因だったと思われるし、甲斐野の獲得は他の若手投手にも良い影響を与えそうだ。

抑えが固定されれば継投も組み立てしやすくなるし、運用面でのメリットも大きい。

1軍先発の補強も考えたいところだが、ここ数年の守護神事情を考えて判断した。

外野手の補強も考えたいところではあるが、ヤクルトとして欲しい外野手は1軍にすぐ入れる外野手で、今年のドラフト市場を考えると該当する選手が少ない。

候補とすれば藤原・辰己だが、藤原は高校生ということもありすぐに1軍は難しい。

辰己は正直、甲斐野と比べたらスケールの面で小さく、外れ1位でも残ってる可能性が高いためいきなり指名するのは憚られる。

甲斐野に行かない場合は藤原・辰己が候補として考えられるが、優先度的には次点だろう。

 

甲斐野の記事はこちら 

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ドラフト1位指名予想のまとめはこちら

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