育成指名を活用する球団が増えてきた
昨年圧倒的な強さで日本一になったソフトバンクといえば、圧倒的な資金力による補強と、育成選手の大量指名による3軍制が特徴です。
そのソフトバンクの3軍制を巨人が真似て、去年のドラフトで巨人は8人もの育成選手を指名しました。
阪神でも育成選手の大量指名についての話がフロントで行われたようですし、今後育成指名選手を多く採って3軍制を敷く球団が増えてくるかもしれません。
育成指名による3軍制のメリット・デメリット
メリット
選手を大量に確保することで、その中から1軍戦力となる選手を増やしていくことでしょう。
ソフトバンクの千賀や巨人の山口鉄のような逸材が本指名で選ばれないことがありますから、育成枠を使ってそういった選手を確保することで、選手層を厚くできます。
あとはそれほど費用がかからないことですね。育成選手は年俸200~400万程度で済みますし、その他諸々を考えても年間3億円で済むといわれています。
3軍は社会人野球や独立リーグと試合を組むので、試合に出していくことが可能ですし、2軍を1軍選手の調整場として3軍を若手育成専門とすれば、役割分担もできます。
デメリット
大量に選手を確保できる一方、結局育成選手は本指名を外れた選手ですから、その中から1軍戦力まで引き上げられるのはやはり少数になってくるでしょう。
試合経験もプロ野球の2軍相手ではなく独立リーグやアマチュアの選手になりますから、出場試合数は増えても試合内容や密度は薄くなると思います。
日本ハムのように育成選手を全く指名しない球団もありますし、その日本ハムは20代の主力選手が沢山いて若手育成に成功している球団ですから、選手育成は3軍制の有り無しで決まる訳では無さそうです。
育成指名選手の支配下登録率
育成指名選手から果たして何人が支配下登録を果たし、その中で何人が1軍の試合に出ているかを調べてみました。
育成選手制度が始まった2005年から2014年ドラフトまでに育成指名されて入団した選手を対象にしています。
このデータを見ると、11球団の育成選手の支配下登録率が31.3%,1軍出場率は26.8%となっていますのでおよそ4人に1人は1軍に上げることができています。
ただ、チームによってバラつきがあり、西武や横浜などは5割以上が1軍出場しているのに対し、巨人・中日・広島などは1割台以下の1軍出場率になっています。
育成選手を多く確保すれば支配下登録人数も増えるというわけでは無いようですし、育成枠を活用するには、しっかり選手を育てられる体制をつくることが必要ですね。
2018年時点でも同様に育成選手の支配下登録率についてまとめてみました。
以下の記事となっています。