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【プロ野球】打席数と打数の違い【用語解説】

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プロ野球を見る上で、選手たちのプレーやチームの勝敗だけではなく、成績や指標など色んな数値を目にする機会があります。

打率・勝率・打席・打数・打点・出塁率長打率OPS・投手の勝敗・防御率・ホールド・セーブなどなど、ざっと見てもこれら全ての意味だったり、何故このような数値を数えているのか意図が、イマイチ分からない人も多いのではないでしょうか。

これら用語の意味についてはネットや書籍などで調べようとすれば調べることは可能ですが、意味が分かっても「それで結局何が分かるの?」というような疑問が出てくる人もいるかと思います。

その観点から、当記事では様々な野球用語について、それがどういう意味を持ってて、何故使われているのか、等を自分の観点から解説していこうと思います。

 

今回は野手の成績でよく使われる、打席数と打数について解説していきます。

打席数と打数ってどう違うの?分ける意味は?

打席数とは「打席に立った結果」の数で、打者が1度打席に立てば、その打席の結果がどんな形であろうと必ず「1打席」がつきます。プロ野球の野手をシーズンの大半を出場したことを評価する上で、基準の1つとして挙げられるのが「規定打席」ですが、これは野手が1シーズン中に一定以上の「打席」に立っているということを示す基準の数で、この打席を上回っている打者はシーズン終了後の野手のタイトル・表彰の対象となる基準としても用いられています。

次は「打数」ですが、こちらは打者にとってメジャーな指標となっている「打率」の分母にあたる数値です。打数の意味を調べると「打席数から四死球、犠打、犠飛打撃妨害、走塁妨害の数を除いたもの」という風に書かれています。ただ、これだけ書かれても「何故、打席数からこれらを除いたものを打数として用いているのか?」「除いている意味は何なのか?」等の疑問を持つ人もいるのでは無いでしょうか。

私見ですが、打席数からこれらが除かれる理由として、四死球・犠打・犠飛打撃妨害・走塁妨害等は「打者が安打を狙う目的で得た結果ではない」ということなので、打数にカウントされないものと考えられます。

打者視点だと、「この打席では安打を打つぞ!」という考えを持っていて、それ達成するために打ちにいった結果を記録したもの、という風に考えれます。

四死球投手がストライクゾーンに球を入れることができず、打者としては安打を狙っていても安打にすることが不可能だった結果です。

犠打・犠飛はチームプレーの1つで、自ら犠牲(アウト)になって進塁させたり得点することを前提のプレーです。これらは打者は安打を狙っていなかったプレーと言えます。

打撃妨害・走塁妨害は安打を狙っていても、相手チームによる妨害行為を受けて安打にできなかった結果です。

 

打数を構成する要素は安打・三振・凡打(アウトになった(なるはずの)打球)の3つで、安打はまさに安打を狙って打った記録で、三振は安打を狙ったものの投手の技量に負けてバットを球に触れさせることすらできなかった結果で、凡打は安打を狙ってバットを球に当てることができたものの、相手の守備に阻まれて安打にできなかった。という風に分類できると思います。

打数を構成する安打・三振・凡打とそれ以外とはこのように分類できると思いますし、分類できるからこそ、安打を狙った結果がどうなっているか=打率がどうなっているか、の計算式が「打率=安打/打数」となります。

打率の分母が「打席」ではなく「打数」の理由はこういうところなのでしょう。 

 

分母が打数の他の指標

この考えで「長打率」や「本塁打率」も分母が打数になっています。長打率は分子が「塁打」になっていて、これにより打者が安打を狙った結果進塁できる期待値を表す数値になりますし、本塁打率は分子が「本塁打数」で、安打を狙った結果本塁打となった確率を表しています。

また、この条件で定義をするなら安打を狙った結果三振になった「三振率」や、安打を狙った結果凡打になった「凡打率」なども算出することは可能でしょう。これらは公式な計算式があるものではないですが、打率と比較するなら分母が同じ「打数」にした方が比較しやすいと思います。

 

まとめ

以上の通り、打席数と打数はそれぞれ目的や用途が異なるものであり、「打者の打席でのすべての結果を集約」しているのが打席数で、「打者が安打を狙う目的で得た結果に絞った打席」が打数というようにまとめてみました。

打席数や打数は今まで何となく使い分けていた方もいると思いますが、このような違いがあることが分かると、今後ほんの少しだけ野球やデータの見方が変わるかもしれません。

 

次回は別の野球用語について、また解説をしていきます。

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