データで語るドラフト・育成論

成績・データからドラフト候補や若手選手の育成状況についてまとめているブログです。高卒ルーキー・新人王候補・独立リーグの成績は定期更新。

【横浜DeNA】山本 祐大の評価と今後について

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横浜DeNA 背番号50

高卒4年目 独立リーグを経てDeNA3年目の捕手

山本 祐大 

高校から独立リーグに所属していた山本は、独立1年目の2017年にドラフトでDeNAから9位指名を受けました。12球団の本指名で最後尾の指名になりましたが、当時のDeNAは若手捕手が伸び悩んでおり、次世代へ向けた捕手育成が進んでいませんでした。

1軍は嶺井・戸柱・高城らでまわしていける目途が立っていたので、捕手は急を要する補強ポイントではありませんでしたが、それでも次世代の捕手候補が必要ということで、高卒1年目ながら独立リーグで強肩を武器に活躍していた山本に、白羽の矢が立ったということでしょう。

そしてDeNA移籍後は1年目から2軍で多くスタメンマスクを被り、実戦経験を積んでいました。全体的には粗削りさがあって育成に時間がかかりそうな選手でしたが、それでもホームランを打てる打撃などの意外性も見せました。そういった活躍もあって1年目から1軍昇格し、そこでは何と初打席初ホームランを打ち、首脳陣からも一躍注目を集めました。この活躍で今の1軍捕手陣の後継者候補としての期待が高まりました。

2年目も2軍では順調に成績を伸ばし、1軍にも呼ばれる機会があってそこでも打撃で結果を残し、守備にも就いて経験を積んでいます。とはいえまだまだ粗削りさは抜けていないため、現状ではまだ伊藤・嶺井・戸柱らとは一線を画しています。

 そんな山本の現在の立場や首脳陣からの評価と、今後の展望についてデータをもとに書いていきます。

 

山本の通算成績

まず始めに山本の打撃成績を見てみましょう。

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1年目にはプロ初打席初ホームランという結果を残し、1軍ではこの1打席のみでしたが、首脳陣にもファンにも強烈な印象を与えました。

そして2年目も1軍に昇格する機会があり、12打席という多くない打席ですが、その中でも打率.333の結果を残しました。

1年目も2年目も少ない打席ながら1軍で結果を残せたのは大きいと思います。ですがまだまだ起用機会が少なく、これらの起用は期待度や成長の見極めとして起用されたような形で、1軍戦力として起用されているわけでは無いでしょう。

本当に実力をつけて1軍捕手争いに割って入るようになるには、もっと実績を残して信頼を得ていく必要がありますね。

 

次は2軍成績です。

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1年目、2年目ともに200打席未満ですが、チーム内の捕手の中では1番試合に出て打席数を与えられています。その中で打率・出塁率長打率など打撃の指標はほぼ上昇していますし、成長が見られます。

とはいえまだ2軍で打率.255、OPS.642なので、打撃を売りにできるほどの結果は2軍でも残せておらず、当面はまだ2軍で打撃技術を磨く段階といえるでしょう。1軍では結果を残せてますが、それはあくまで少ない打席でのことで、この2軍成績を考えると対策されてしまえば成績は落ちる可能性が大きいです。

本塁打を打てているパワーもありますが、現状だともう少し打撃に安定感が必要で打率や出塁率を上げていく必要がありそうです。

 

守備面の成績と指標を見てみましょう。

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山本はまだ1軍での守備機会は累計でもたった13イニングとかなり少なく、1軍の守備指標を見ても現時点では判断材料が乏しいです。Deltaの守備指標を参照してみても、これではどうにも判断できないですね。なので2軍での捕手守備成績を見てみましょう。

2018年・2019年の成績を比較すると、やや失策が増えて守備率が下がっている以外は、出場試合数に応じて下がっているので、大きな違いは無さそうです。

捕逸(パスボール)数が複数あるので心配にも見えますが、他の捕手と比較してみるとそこまで大差はありませんでした。

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2軍の守備回はtwitterの @yuta_m89 さんの以下の表から頂きました。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1OPxPYiKiabe4bmOQQHTTSTwuk9CFOGPmKvOdBUk_6B0/edit#gid=1583969000

 

2軍での捕逸の頻度は伊藤・西森に続き3番目に良く、1軍控えの嶺井や戸柱よりも良いのは好感が持てますね。

(※戸柱の捕逸頻度が1番悪いですが、1軍では戸柱の捕逸頻度は嶺井の半分以下でかなり良いです)

捕逸は投手との呼吸の合わせ方にも影響しますが、単純に成績として見ると、山本は壁役として現時点でまずまず期待はできるでしょう。

山本は肩が強いのが武器なので盗塁阻止率なども見たいところですが、現在2軍の盗塁阻止率は公表されていないため、こちらに記載することはできませんでした。

 

これらを考えて、現状守備面で山本はそこまで破綻は無くできているので、いざとなればいつでも1軍でマスクを被るようにはできるでしょう。あとは1軍でキャッチングや盗塁阻止などができていれば、1軍で起用される頻度も増えていくはずです。

 

 

山本の現在の立場とこれからの活きる道

DeNAの現在の捕手陣を見ると、1軍で正捕手に近い立場なのが伊藤光(30)で、控えとして嶺井(28)・戸柱(29)がいる形になっています。現状この3名が1軍に常駐していて、怪我や不調でもならない限りはなかなか1軍捕手の枠が空かない状態です。

そこに昨年オフに戦力外から獲得してきた高城(26)が加わりました。高城は元々DeNAに在籍していた捕手で、2018年にオリックスへトレード移籍しましたが2016年ぐらいまでは1軍捕手として活躍していました。

この上記4名が実績面において優位に立っており、彼らからやや年が離れて山本(21)がいます。山本の他には2018年にドラフト指名した高卒2年目の益子(19)と、2019年にドラフト指名した高卒ルーキーの東妻(18)がいます。益子と東妻は高卒でまだ2軍でしっかり育てる段階なので1軍は当面考える必要はない立場です。

なので山本としては1軍で実績のある捕手たちと、まだ2軍で育てる段階の捕手たちのちょうど間にいるような立場で、実績を積むことと2軍でしっかり成長することの両方を求められるような立場になっています。

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首脳陣はルーキー時代から1軍に昇格させて実戦経験を積ませているため、期待は大きいですし実際1軍で活躍しましたので、現在も注目を集めている捕手と言えるでしょう。ですのでそろそろ1軍への定着を本格的に意識した形で、結果を残していく必要があります。

伊藤・戸柱・嶺井らは年が近く、今はまだ実力のある捕手たちですが5年後などを考えると、まとめて衰えが見えてくる可能性もあります。その時に山本は26歳になっており、1軍捕手としてしっかりと定着していることが期待されているはずです。

まだ先は長いですが、そこへ至るまでに結果を積み重ねていく必要がありますし、あまり結果が残せていないと年下の益子や東妻に先に1軍に定着される可能性もあります。

競争を煽るわけではないですが、山本は年齢的にもちょうどそういった立場になるので、今後がより重要になってくるでしょう。

 

選手としての山本は捕手の割に、打撃面で1軍で結果を残せているのが強みです。2軍の打撃成績を見ると打ちまくっているというわけではないですが、1軍昇格時に結果を残しているため勝負強さというのは評価されていることでしょう。ただ、ここまではあくまで少ない打席での結果だったので、1軍に定着するためには常時結果を残せるようになる必要があります。そうなるためには2軍でも当然打てるという結果を残して、1軍で定着しても問題ないことを首脳陣に認めさせないといけないでしょう。

守備面では2軍で積極起用されていて、他の捕手陣と比べてもそこまで悪い形ではないですが、逆に突出して評価が高いわけでもありません。捕手の守備はなかなか数値化しにくい部分もありますが、キャッチングや送球、判断力、リードなどやるべきことは多いのでそういった部分で結果を残し、首脳陣から高い評価を得ることが大事になります。また1軍に昇格した際は当然、1軍投手との連携や守備面での結果を残さないといけないです。

このように、山本はこれからは攻守ともに「1軍に上がって問題ないほどの2軍での活躍」と「1軍に上がった時に活躍する勝負強さ」が重要になってくるので、そのどちらもモノにできるようになっていって欲しいですね。

そうすれば、いずれ1軍捕手として定着し、正捕手も見えてくるような立場になっていけるでしょう。

 

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