データで語るドラフト・育成論

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【横浜DeNA】倉本寿彦の評価と今後について

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横浜DeNAの背番号5の内野手、倉本寿彦

彼については横浜ファン内でも評価の幅が大きく、とりわけ議論のネタになりやすい選手ですが、彼についてなるべく客観的な評価をして、今後の彼の進むべき道や活路について考えてみました。

まず始めに宣言しますが、この記事ではデータを基にして倉本について考察した内容をまとめているため、根拠なく過大・過小評価したり、擁護・叩きを目的とした内容ではありません。

倉本の現在の立場と直近の成績

まず始めに倉本の現在(2020年4月時点)の立場と成績を見てみましょう。

29歳 身長180cm 82kg 右投左打

2014年ドラフト3位指名 社会人(日本新薬)出身

2015年 102試合 265打席 打率.208 本塁打2本 出塁率.244 長打率.249 OPS.493

2016年 141試合 566打席 打率.294 本塁打1本 出塁率.323 長打率.343 OPS.665

2017年 143試合 539打席 打率.262 本塁打2本 出塁率.292 長打率.331 OPS.624

2018年 85試合 235打席 打率.232 本塁打1本 出塁率.251 長打率.276 OPS.527

2019年 24試合 35打席 打率.121 本塁打0本 出塁率.171 長打率.152 OPS.323

※赤字がキャリアハイ、青字がキャリアワースト

社会人出身で2年目こそ打率.300近くの成績を残し、遊撃のレギュラーとして定着しましたがその後成績を落とし、2018年にはFA移籍してきた大和にレギュラーも奪われてしまいました。2019年の成績は1軍に置いておける選手とはとても言い難いぐらいで、年々成績悪化の一途になっています。

守備面に関しては、守備率で見ると以下の通り。

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本職が遊撃の倉本ですが、過去成績のUZRを見ると一貫してマイナスになっており、このマイナスの内訳を見ると、守備範囲を表すRngRが常にマイナスとなっています。

併殺の指標となるDPRは年ごとにばらつきがあり良いとは言いづらいですが、失策数の指標となるErrRは3年目まではプラスを維持していて、安定感という意味では遊撃の平均的な水準を持ってると言えそうです。

つまり倉本の守備は、失策はそこまで多くないが、守備範囲がかなり狭い遊撃手というような評価ができると思います。そして直近2年の守備も考えると、もう衰えが出てきている可能性も考えられます。

 

打撃・守備の成績と指標を見ると、2017年までが打撃・守備ともにピークでそこから2年連続で成績悪化していることから、首脳陣の評価もかなり厳しくなってきてると考えられます。遊撃手を守る選手だと、大和・柴田らがいて彼らもレギュラー奪取に盤石な成績とはまだ言えませんが、それでも攻守において倉本を大きく上回る成績を残していることは確かです。

年齢的にも柴田(26)は倉本(29)より若くまだ伸びしろがありますし、大和(32)が例え衰えてきたとしても、現状では次のショートは柴田になるでしょう。そして2019年ドラフトでは高校生遊撃手の森をドラフト1位指名しており、彼が順調に育てば4・5年後には1軍レギュラーとして君臨することになります。

そのため大和→柴田→森という流れで、遊撃手のレギュラーが移っていくのが既定路線と考えられているでしょう。

こういったことから、倉本が今からまた遊撃のレギュラーを奪取するのは非常に厳しいですし、レギュラー構想からはもう外れていると考えられます。

 

今後、倉本を活かす道は?

前半で厳しい倉本の立場を書きましたが、今後彼を活かす道についてここから書いていきます。

まず、大前提として1軍で活かせるようになるには最低限の打撃成績が必要です。

2018、2019年のような打撃成績では1軍に置いておくことすら難しいでしょう。

2019年の主な控え打者の打撃成績は以下の通り。

中井 183打席 打率.248 3本塁打 OPS.651

乙坂 179打席 打率.245 2本塁打 OPS.671

桑原 115打席 打率.186 2本塁打 OPS.553

石川 113打席 打率.208 2本塁打 OPS.569

梶谷 110打席 打率.215 5本塁打 OPS.760

彼らに共通してるのはレギュラーとして活躍し続けたわけじゃないものの、特定の場面を任されたり、一時期のみ結果を残した選手たちで、こういう選手も1軍には必要です。倉本も短期間や特定の場面で彼らと同じくらいの打撃成績を残せれば、1軍控えとして重宝される可能性は十分あります。

現に2016,2017年は打率.250以上でOPS.600超えの成績を残しており、実績があるので期待はできますし、条件別で見ると対右投手では通算打率.245ですが、対左投手では通算打率.286となっていて、左投手相手に強いという特性もあります。

左投手に強い控えはチーム内でも中井がいますが、中井が右打ちなのに対して倉本は左打ちですので、左投手に強い左打者というのは長所として見られやすいでしょう。

このように短期間のみだったり、対左投手という条件においてはまだまだ倉本を活かすことは可能です。

更に倉本は守備面で遊撃以外でも三塁・二塁を守った経験があるのが強みです。

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遊撃についてはかなり厳しい指標となっていましたが、三塁・二塁に関しては守備機会数がそこまで多くないものの、遊撃に比べて比較的安定した指標となっています。

倉本について厳しい評価とされている守備範囲については三塁なら遊撃より狭くなり、逆に安定感を活かすことができますし、二塁なら送球の弱さを遊撃手よりカバーしやすいという面もあって、どちらも倉本の短所を補いやすい位置と考えることもできるでしょう。

とはいえ現状では三塁には首位打者のタイトルも獲得した宮崎がいて、二塁には本塁打王のタイトルを獲得したソトと、攻守において倉本より結果を残した柴田がいるので、どちらもレギュラーを獲るのは難しいですが、控えとして倉本がいることのメリットは見えてきます。

 

以上の点から、倉本はレギュラーとしてはもうかなり厳しくなってきたものの、

 

・レギュラーで打率.280以上の成績を残した実績

・左打ちなのに、対左投手に対して強い

・二塁・三塁の守備がショートに比べて安定している

これらが倉本の武器となっていて、これを活かせるようになれば1軍控えとして重宝されるような存在になっていくことは可能でしょう。

あとはこういう武器を、倉本自身がしっかり活かせるようになることが1番大事ですね。ラミレス監督はデータをもとにして状況に応じた采配を好みますから、倉本も結果さえ残せば活かせる采配を取ってくれると思います。

 

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