データで語るドラフト・育成論

成績・データからドラフト候補や若手選手の育成状況についてまとめているブログです。高卒ルーキー・新人王候補・独立リーグの成績は定期更新。

【プロ野球2019】オリックスの戦力分析と今後の予想

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オールスターも終わり、各球団ここから後半戦を迎える。

そこで、現時点での各球団の戦力分析を行ってみた。

今回はオリックスバファローズについてまとめてみた。

 

現時点の成績・評価

得点力不足が響き序盤から最下位へ。我慢の先発陣に対しての援護ができるか

昨年オフに西がFA移籍、金子が自由契約日本ハムへ移籍、と先発2枚が無くなるという事態で開幕前は先発陣の不安が大きかったが、シーズン始まるとなんと高卒3年目の山本と同じ3年目の榊原が開幕からローテに定着した。これで山岡・山本・榊原の3人が先発ローテで固定され、先発の安定感は去年並みを維持できている。では何故最下位に落ちてしまったのかを考えると、打線に尽きる。

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こちらはパ・リーグのチーム打撃成績表だが、オリックスは打率・本塁打OPS・得点平均・安打平均など、主要な全ての部分でリーグ最下位になってしまっている。しかもそれも僅差ではなく明らかに大きく差をつけられてしまった。1球団だけ次元の異なる打てなさ具合になっている。ここまで打線の調子が悪いと、せっかく先発が試合を作っても打線の援護が無いため抑えても勝てないという状態になってしまうだろう。

加えて今年はリリーフ陣も調子が悪く、抑えの増井の大乱調もありリリーフ防御率はリーグ最下位だ。このように先発が踏ん張っている中でリリーフと打線がリーグ最下位に落ち込んでしまっていて、ここまで状態が悪いと上がっていくことは難しいだろう。

 

オリックスの戦力層

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【先発】

山本・榊原の台頭で一気に若返り。榊原の故障離脱が痛いが優秀な成績を残す

 昨年オフの西・金子のW移籍流出という大痛手を受けた先発だったが、そこにピッタリとハマったのがなんと高卒3年目の山本と榊原だ。山本は昨年リリーフ起用されていたが今年から本格的に先発転向し、現在防御率1点台でリーグトップの防御率となる大活躍だ。援護が少なく、7月18日現在でまだ4勝と勝ち星には恵まれていないが、もはやオリックスのエース級の投手と言っても良いだろう。これに続いて榊原も防御率2点台でQS率83.3%ととても安定した試合作りができる先発となっている。この2人が昨年の西と金子の分の穴を事実上埋めたと言っても過言でないだろう。そして社会人3年目で毎年安定した投球の山岡が今年もチームトップの投球回数・勝利数で、しっかりチームを引っ張っている。この3人の先発がオリックスの大きな強みになってると言えるだろう。ここに怪我から復帰してきた田嶋が6月から加わっているので、交流戦では先発4本柱が活躍して上位で終えることができた。今は榊原が怪我で離脱したが、まだオリックス先発陣はパ・リーグでもトップクラスのローテが組めているだろう。彼らがローテの柱となりつつ、K-鈴木、アルバース・東明・成瀬らが5・6番手や谷間を埋める形になりつつあるのは良い状態と言える。2軍では東や山崎颯、鈴木優ら若手投手に経験を積ませていて、将来的にも準備を進めている段階で良い状態と言えるだろう。

 

【中継ぎ・抑え】

抑えの増井が大誤算。他の中継ぎ陣も安定してる投手が少なく後ろが不安定

オリックスの救援防御率パリーグダントツの最下位になっていて、こちらも打線と同じくらい厳しい状態になっている。ここまで悪化した要因としては、抑えの増井が今年は大乱調になってしまっていることだろう。開幕から失点する場面が多く、5月に持ち直してきたものの6月からまた悪化して厳しい状態だ。こうなると流石に増井を抑えから外すようになってきたが、それでも中継ぎで打たれているためなかなか復調が見込めない状態だ。増井の代役の抑えには6月からディクソンが任されていて、現在防御率1点台と安定している。抑えは安定した投手に任せておきたいところで、今シーズンはこのままディクソンが任される可能性もありそうだ。抑えに繋ぐリリーフ陣もなかなか安定せず、登板数の多い比嘉・山崎福・澤田は防御率4点台後半、近藤は防御率3点台後半とリリーフとしては安定してるとは言い辛い成績だ。だが海田が防御率1点台、エップラーも防御率2点台中盤とこの2人は安定している。先発陣に比べると安定感が劣ってしまうが、これで先発を引っ張りすぎると先発に負担が集まってしまうため、あまり良い状態ではない。後半戦はリリーフ陣が安定するかが重要になってくるだろう。

 

【捕手】

正捕手若月の打撃不振に加え、伏見の怪我で不安定。松井雅を獲得したが…

オリックスは昨年から若月を正捕手として起用しているが、今年は打撃面で成績を落とし、打率1割台・OPS.400台というかなり厳しい成績だ。加えて伏見がアキレス腱断裂という重症で、支配下登録捕手の少なさの関係上シーズン途中に中日から松井雅をトレードで獲得した。松井雅は中日時代に正捕手を務めた経験があり実績のある捕手ですぐ1軍で起用されるようになり、良い補強と言えるだろう。しかし反面、これは捕手陣の層の薄さを表しており、飯田・高城らがなかなか1軍で起用されておらず、育っていない現状が見える。今後は若月と松井雅の2人体制で進めていきそうだが、本来なら飯田や高城を1軍で起用できるよう、準備しておく必要はあるだろう。

 

内野手

二遊間は定着、一・三塁は打力不足の選手が多く固定できず、打撃に深刻な影響

オリックス打撃力不足が深刻だが、内野の二遊間は現在福田・大城で定着してここは安定している。大城はOPS.700超え、福田は現時点では.700に届いていないが出塁率.350超えで二遊間の打撃成績としては悪くはない。彼ら2人が主に1・2番を任されていて、攻撃の起点としては良い打順になってると言えるだろう。

この安定している二遊間に比べると、一塁・三塁が不安定な状態だ。一塁は開幕からメネセス、マレーロ、T-岡田、中川、モヤら移り変わりが多く、非常に不安定なポジションになっている。本来一塁で定着する予定だったメネセスが薬物検査で陽性となり契約解除、その後マレーロ、T-岡田、モヤらが起用されたが彼らはOPS.600にも到達していないため一塁としては打撃力不足になっている。中川は交流戦首位打者にもなって一塁を任せられる打撃力を備えてきたが、モヤを獲得して以降ライトにまわっている。今後の補強の可能性は低いため、現有戦力でなんとか結果を残していくしかないが、攻撃の要のファーストに強打者がいないのはやはり弱点と言えるだろう。

三塁も同様に頓宮・安達・西野・小島らが起用されているが全員OPS.600を下回る。三塁の平均打率が1割台という打撃重視型のポジションにおいて大きな穴となっていて、大変厳しい内容と言わざるを得ない。この状態が現在のオリックス打線の成績を物語ってると言えるだろう。

2軍から選手を上げてきたいところだが、現在オリックス2軍内野陣は太田・宜保・廣澤・岡崎・比屋根など、若手主体の育成用になっていて彼らを上げるのは育成上難しい。2軍成績的には山足がまずまずだが、1軍に上がってきた時になかなか打てず厳しい状態だ。これを今シーズン中にどうにかするのは難しく、長い目で見て打撃力を向上させていくしかないだろう。

 

【外野手】

センターが固定できず課題も、レフト吉田は安定し、ライトは中川が台頭

昨年のオリックスはセンターに宗が起用されることが多く、このままセンターに定着するかに見えたが今年は開幕2軍スタートで6月に入ってから、ようやく昇格となり大きく出遅れてしまった。その宗の代わりに開幕センターに抜擢されたのが高卒2年目の西浦で、打撃はまだ1軍で結果を残すまででは無いものの守備・走塁面で良いアピールができていた。とはいえやはり高卒2年目で5月に入ってからは打撃不振に陥り6月には宗と交代する形で抹消されることとなった。センターは他に小田や後藤が起用されるもこのようになかなか定着してない状態だ。内容的には後藤がセンターの中で攻守両面で良い状態になっているので、後藤をスタメン定着させても良さそうだが首脳陣の信頼が弱いのか、なかなか定着できていない。

レフトには吉田正が入り、こちらは昨年同様主軸を任されチーム1の打撃ができている。昨年と比べると打率は下がっているが出塁率は変わらず、選球眼の向上が伺える。ただ吉田正は今年指名打者を任されることも増え、代わりにロメロがレフトに入ることもあったが、今年のロメロは首の痛みで開幕1軍登録できず、その後シーズン中に2度、右内腹斜筋の故障で離脱していて怪我に泣いている。昨年は吉田と並んでチームの打撃の柱になっていたロメロが今年は怪我で、なかなか1軍に定着できていないのも今のオリックス打線の不調の原因と言えるだろう。吉田・ロメロ以外のレフトだとどの選手も打撃がガクッと落ちてしまうため、非常に痛い状態と言える。

そんな中で今年はライトにルーキーの中川圭が定着したのは吉報だ。中川圭は開幕1軍こそ逃したものの、4月後半から1軍昇格し打撃をアピールして定着した。その上交流戦では首位打者の成績を残して、交流戦2位の立役者と言えるだろう。基本的に一塁と右翼の併用起用になっていて、ロメロが不在の今は右翼に定着している形だが、打線においてもはや外すことができない主力になっている。

今後外野陣はセンターの固定化とロメロの復帰で更に強化を期待できるが、どちらもそう簡単にはいかないのが苦しいところだろう。特にロメロはシーズン中に同じ箇所を2度故障したことで、次は慎重に見ないといけないしこれ以上はロメロ自身の打撃にも影響が出てくる可能性がある。2軍には若手で根本や西村などが積極的に起用されているが、まだ1軍昇格の実力は備えていない段階で、彼らも焦らずしっかり育てていくべきだろう。こちらもなかなか我慢の後半戦になりそうだ。

 

今後の展開予想

故障者多発や打撃不振など苦しい展開。Aクラス滑り込みの可能性もあるが戦力整備を

主力の故障・抑え増井の大乱調・メネセスの契約解除・打線の低迷など、今年は非常に苦しいシーズンとなっているが、その中でも先発陣に山本・榊原が台頭し、ルーキーの中川が交流戦首位打者となるなど、若い芽の成長が見られたのは非常に良いことだ。特に先発は山岡・山本・榊原・田嶋らが全員20代前半でとても若く、彼らは今後5年は安定してローテに定着する計算が立つため、他球団と比べても大きな強みになる。あとは彼らを中心としつつ、リリーフや打線が支える形が作れるようにしたいところだ。

まだ今シーズンを諦めるわけではないが、上を狙いつつも来年以降を見据えた起用を考えて行った方が良いだろう。オリックス野手陣は20代中盤の中堅選手が多く、また近年トレードで獲得してきた白崎・高城・松井雅・松井佑などもいるので、彼らを1軍で試しつつ戦力の見極めを行うことも大事だ。2軍では20代前半の若手中心で起用されているため、彼らからも好成績を残す打者が出てくれば1軍昇格させるのも良い。こうした戦力整備を進められれば、来年以降に急浮上してくることも可能な戦力となるだろう。

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