データで語るドラフト・育成論

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【プロ野球2019】ロッテの戦力分析と今後の予想

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6月のセ・パ交流戦も終わり、各球団シーズン折り返しを迎えた。

そこで、現時点での各球団の戦力分析を行ってみた。

今回は千葉ロッテマリーンズについてまとめてみた。

現時点の成績・評価

打撃力が大幅アップも先発陣が誤算。上位進出にはローテの安定が不可欠

昨年のロッテは投打共に下位に低迷する厳しい結果で、なかなか球団としての強みが発揮できないシーズンだったが、今年は打線が大きく変わった。昨年なかなか期待に添える結果を残せなかった荻野や鈴木大地が今年は開幕から好調をキープ。この2人は交流戦打率が2位タイの.368と大活躍し、OPSも1.000を超えるW交流戦男になった。そして長年本塁打不足に悩むチームだったが、今年は日本ハムから移籍してきたレアードが開幕から本塁打を量産し、既に20本を超えリーグ2位の本塁打数だ。井上も4月までは絶不調と言えるほどに打てていなかったが、5月に入って徐々に調子を取り戻し、現在はOPS.800台まで成績を上げてきた。このように今年は打線が活発で打ち勝つチームになりつつあり光明が見えてきたが、対照的に厳しかったのが投手陣だ。

先発ローテは涌井・二木・岩下・ボルシンガー・石川歩らが定着していて、安定してるようにも見えるが個々の投手成績はパリーグの他の先発と比べると、良いとは言い辛い。規定投球回に到達している投手はパリーグで10人いて、その中に涌井・二木もいるが、8番目と9番目の防御率だ。ボルシンガーや石川歩はこの2人よりも防御率が悪く、内容が良いのは岩下とシーズン途中から先発転向した種市ぐらいになっている。この先発陣だと、打線の援護に頼らざるを得なくなってくるだろう。

今年のパリーグは打撃重視の球団が増えてきており、ロッテに限らず楽天・西武などは猛烈な打のチームになっている。こうした球団と比較するとまだロッテ打線も破壊力十分とはいえず、主軸打者以外の打撃向上も必要になってくるだろう。昨年から大きな変化のあったロッテだが、現状の順位が昨年と変わらない位置にいるのはまだまだ投打の実力を上げる必要があるということで、順位を上げていくにはそうしたことを踏まえてチーム全体でのレベルアップが必要になってくるだろう。

 

ロッテの戦力層

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【先発】

涌井・石川らが今年成績伸びずも、二木・岩下・種市ら期待の若手が台頭

昨年ローテに定着していた涌井・ボルシンガー・石川歩らが今年もローテに入っているものの、成績があまり良くなく3人とも貯金ができない成績になっている。このローテの柱の不調が今シーズンの順位にも影響してると言えるだろう。ここからの立て直しを考えたいが、その点では今年から岩下と種市がローテに入ってきた。岩下は高卒5年目の投手で昨年1軍初登板を経験し、今年は4月から先発ローテに入って、ここまで防御率3.00前後と安定した成績を残している。二木は既に先発ローテに入っている投手だが、昨年は調子が悪く規定投球回へ到達できなかった。今年は安定していて、現在チームトップの投球回・勝ち星でこのまま勝ちを積み重ねていければチームの1番手投手として期待できるだろう。そして種市は新たに先発として期待できる投手に成長してきている。種市は当初はリリーフだったが、4月防御率が1点台ととても安定していた。その功績やチーム事情もあって、4月末から先発に転向しローテに入っている。先発防御率は4点台であまり良い成績とは言えないが、4勝を挙げて勝ち運の強い投手になってきた。彼ら若手がこれから活躍してローテに定着すれば、ロッテ先発陣の成績も改善していくだろう。2軍では土肥・小島・中村稔・関谷らが先発ローテで投げていて、彼らにも当然1軍のローテ枠に入ってくる活躍をしてもらいたい。幸い皆20代で若く、土肥・小島・中村稔は2軍での防御率2点台で安定していて1軍ローテを目指せる立場だ。涌井が33歳でボルシンガー・石川歩も30代でその3人が今年は不安定なことを考えると、2軍の若手投手の台頭が期待される。

 

【中継ぎ・抑え】

盤石な投手は少ないが、リリーフの頭数が多く負担を分散できてる起用法

リリーフは盤石と言える投手はそこまで多くないが、防御率はリーグでも上位成績になっていて、全体的には悪くない状態になっている。今年は抑えに益田が入り、防御率3点台で盤石とは言い難いが定着している。中継ぎ陣は酒居・西野・田中らが登板数多く、酒居・西野に関しては2人とも防御率が高いが、田中はリリーフで唯一防御率1点台で安定している。他のリリーフでは東條・チェン・松永が起用されていて、彼らは内容が良く登板数も多くなり、この起用するリリーフの頭数の多さが武器になっていると言えるだろう。シーズン後半もこの中継ぎ陣を上手く運用していけば、後ろは安定しそうだ。1軍リリーフは20代が多く、世代交代についてもそこまで心配する必要は無さそうだが、2軍では若手の成田や山本を起用していて、彼らの1軍昇格も期待したいところだ。

 

【捕手】

田村を正捕手で起用しつつも、2番手以降の捕手の台頭が望まれる

田村がここ数年ずっと正捕手を任されているが、今年は開幕から打撃成績が伸び悩みあまり良い状態と言えなかった。こういう時に2番手以降の捕手に台頭してきて欲しいところで、吉田・江村が起用されたものの吉田が怪我で離脱し、江村は打撃面が全然結果を残せず、捕手運用が厳しい状態になっていた。その後田村が6月に入って好調になってきたのでこのまま田村起用となっていくだろうが、捕手層の薄さが露呈したとも言えるだろう。6月に入ってから柿沼が1軍で起用されるようになってきたので、今後柿沼にも期待したいところだ。他に2軍では宗接も起用されていて、1軍枠争いに入ってこれると良い競争状態になってくるだろう。

 

内野手

鈴木大地とレアードの活躍で内野陣が固定も、ショートの藤岡が精彩欠く

昨年と今年でロッテ内野陣の変化と言えば、レアードが加入したことが大きい。ロッテのサードは近年毎年レギュラーが変わっていたポジションで、2017年は中村奨や外国人のダフィーが守り、2018年は鈴木大地が守っていた。だが歴代サードに共通してる点はサードとしての打撃力が備わった選手が出てこなかった点だ。ここがロッテ打線の弱みともなっていて、毎年の課題になっていた。そこへ今年はレアードがピッタリはまり、今やチームダントツの本塁打数とOPSになっている。待望の打てるサードだ。そして更に大きな変化が鈴木大地のファースト定着と打撃成績の大幅アップだ。鈴木大地は内野全般をどこでも守れる守備力があったが、それに加えて今年はファーストでも問題無いぐらいの打撃成績を残している。打率3割超え、チームトップ3の本塁打数、OPS.900前後という主軸を任せても良いぐらいの打撃成績になっている。このファーストとサードに加えて、セカンドの中村奨も昨年から安定しており、今年もセカンドスタメンでOPS.700台とまずまずの成績を残せている。だがショートの藤岡が今年はOPS.600切ることもありやや精彩を欠いている。昨年までは殆どフルでスタメン出場していたが、今年は平沢や三木がスタメンになることもしばしばあり、藤岡が攻守両面でなかなか結果を残せてない状態だ。2軍では茶谷や松田をショートで育てており、藤岡次第ではまたショートが流動的になる可能性もあるだろう。

2軍の内野でしっかり育てられているのは安田で、サードをメインで起用されOPS.750近くの成績を残している。村上や清宮ら同期が1軍で活躍しており、歯痒い気持ちもあるだろうが、しっかり2軍で育てるロッテの方針は良いと思うし、レアードの後釜としても期待できるだろう。

 

【外野手・指名打者

センター荻野が攻守に盤石、ライトは清田の台頭光るも、レフト角中の不調が痛い

荻野がここまで文句無しの活躍で1番打者として打線を牽引している。打率がリーグトップの.330台まで上げており、盗塁数もリーグ3位の多さ、OPSは.900台と主軸打者顔負けの成績を残している。センターの守備も球界トップクラスの評価を得られてるレベルで、今年のロッテ打線好調の理由の第1人者と言える存在だ。センターでここまで良い選手がいるのは強みだろう。そして清田も今年は開幕から好調で、ライトの1番手に入っている。4・5月は打率3割超えの活躍で3番打者を任される時もあった。6月の交流戦で調子を落としたものの、その後5番を打つなど打撃力がとても評価されている。清田は近年なかなか1軍で満足な結果を残せておらず、昨年オフにFAで丸獲得に動いたものの獲得できず厳しい外野陣になるかと思われたが、清田が良い意味で予想を裏切ってくれたと言えるだろう。センター・ライトがこうして良い状態になっている中で、レフトはかなり厳しい状態だ。本来レフトを守って主軸にいなきゃいけない立場の角中が今季は開幕から調子が悪く、その上5月末に肉離れの怪我で登録抹消となった。その後2軍の試合には出れるようになり、オールスター前後で1軍復帰の可能性が出てきたが、前半戦に結果を残せなかったのはロッテとしては痛かっただろう。角中がいない間は菅野・清田・鈴木大地らが起用されていたが、菅野はなかなか打撃が伸びず、清田や鈴木大地はそれぞれレギュラーポジションを持ってる選手なので、レフトに固定はできずという苦しいやり繰りになっていた。チーム打撃を更に強化するにはレフトの打撃力アップが不可欠で、そのためには角中が万全な状態で復帰してくることが必須になるだろう。2軍では藤原や和田など若手を起用しているが、まだ彼らは2軍で育てるべき選手なので、今の戦力で結果を残していくしかない。

指名打者では去年までファーストを守っていた井上が起用されていて、鈴木大地との併用といった状態だ。井上は今季開幕から調子が悪く4番から7番まで打順を下げられていた時もあったが、そこから何とか持ち直してOPS.800超えまで上げてきた。今年は鈴木大地がファースト守備も無難にこなしているため、井上は指名打者で打撃に専念させるのも良いだろう。

 

今後の展開予想

順位を上げていくには投手陣の踏ん張りが重要。打線も安定して打てるように

昨年までの状態と比べると、今年のロッテは打線が間違いなく良くなっているが、逆に投手陣が崩れてしまっていて、それでトントンになって今の順位になっていると言える。ではここから順位を上げるためにはどうするかと考えると、やはり崩れてしまっている投手陣を立て直すことだろう。投手陣が踏ん張れば打線が援護して勝てる試合も増えてくるため、先発陣を何とか6枚しっかり揃えたい。二木・岩下・種市ら若手が頑張っている状態なので、涌井・石川歩・ボルシンガーらが結果を残さなければならない。実績のある投手たちがこうも打たれているのは、ファンとしても歯痒い気持ちになるだろう。夏場にはリリーフも消耗しやすい時期だが、その点はロッテのリリーフ運用は割と疲労を分散できているように見えるため、やはりリリーフへ繋ぐための先発が大事だ。事と次第によっては外国人先発の補強の可能性もありそうだ。先発が安定してくれば、CSはまだまだ射程圏内にいるし上位を狙うことも十分できるだろう。

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