GMの仕事について、とても興味深い記事があったのでピックアップしてみました。
横浜DeNAの高田GMが語るGMの仕事ですが、育成論について確固たる考えを持って運用してるのが伺い知れます。
――基本的に、入ったばかりの若い選手は体作りが中心、徐々に実戦で経験を積ませる流れになるのでしょうか?
高田 逆ですね。若いうちからドンドン試合に出していくのが我々の方針です。練習も大切ですが、とにかく試合で経験を積ませます。試合でしか培われないものは多いですから。もちろん、一度決めたらずっと試合に出し続けるというわけではなく、毎月1回は育成会議をして軌道修正をして、「まだ体力的に厳しかった……」と判断すれば練習中心の方針に戻しますよ。また、シーズン中の1軍とファームの選手入れ換えにはフロントの承認が必要ですが、ひと言でいうなら“1軍はシーズンに入るまで”、“ファームはシーズン中もフロント主導”という形ですね。
選手育成というと、打撃練習や守備練習やブルペンの投げ込みなどをしっかりやらせるようなイメージを思い浮かべる人もいると思いますが、高田GMはむしろその真逆で、とにかく試合に出していくこと、「育成=実戦経験」と考えていますね。
これについては近年のDeNAの2軍の選手起用を見てると、分かるような気がします。
桑原・乙坂・関根などは1年目から200打席以上、多いと400打席は2軍で経験してますし、今年のルーキーの青柳なども今のペースなら最終的に400打席以上経験するでしょう。
馬場 お話にあった“試合でないと育成できないこと”というのはどんなことでしょうか?
高田 基本的にあらゆることは実戦でなければうまくならないですよ。例えばバッティングにしても、練習で打撃投手が投げる球は“打たせるための球”ですから、全然違います。もしかしたら、いまの私でもちょっとやれば打てるかもというくらいの(笑)。
馬場 もしかしなくても打てそうな気がします(笑)。
高田 冗談はさておき、“ブルペンではスゴイけどマウンドに行くとダメ”という選手もよく聞くでしょう? 実戦を経験しないとうまくならないところはいっぱいあります。
この辺りについては、納得できるところですね。
どんなに練習で良くても、結局試合で使えないと意味が無いわけですから。
昔の横浜はこういう選手が多かった気がします。
これらのことをトップがしっかりと意識して、選手の育成方針を立てていくのなら、本当に試合で活躍できる選手を育てていけるようになるのではないでしょうか。
日本でのGM制については賛否分かれるところがありますが、少なくても選手育成は長期的な視点で一貫した方針がないと効果が出ないでしょうし、監督に左右されない育成ができるチームにすることは非常に重要だと思います。