データで語るドラフト・育成論

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【DeNA】開幕投手に山口指名

山口俊とは?

ラミレス監督が早くも、今季の開幕投手山口俊を指名しました。
山口投手は2014年のシーズン途中から先発転向しましたが、それまでは守護神として通算100Sを挙げていました。
ですが記録ほどの安定感があまり無く、ファンから見ると山口投手が抑えで出てくる度にヒヤヒヤさせられていました。
そんな山口投手が2014年に開幕から中継ぎ降格となり、それでも安定感が得られなかったため最後の手段として先発で登板することになりました。


安定感の無い山口投手の先発登板ということで、初先発が決まった時のファンの期待はやはり小さいものでしたが、その初先発で6回無失点の安定感抜群の投球を披露。
見事先発投手として勝ち星を挙げると、その後も先発ローテを守り続けてシーズンを終えました。
抑えの時と変わらぬ150kmの速球を長いイニングで投げれることから、前田健や菅野のようなエース級の先発となってくれる期待感を持たせてくれた2014年でした。

期待とは裏腹に…

2014年を先発で完全復活を果たした山口投手は、2015年のシーズン始まる前には久保・井納・モスコーソ・山口という先発4本柱として計算されていました。
しかし2015年はそんな期待とは裏腹に、まるで抑えで打ちこまれていた時の山口投手を再現するかのような結果になってしまいました。
山口投手の2015年の成績は、114.1回 3勝6敗 防御率4.49の成績。
本来なら完投できるはずの体力と球威があるのに、5イニングでいっぱいいっぱいになって打ちこまれてしまう姿が目立ちました。
この結果でファンは大きく落胆したことでしょう。

ラミレス新監督の期待

そんな山口投手を、ラミレス新監督は早くも開幕投手に抜擢しました。
12球団で最も早い開幕投手明言に驚きましたが、それがなんと昨年不調だった山口投手ということに更に驚きました。
ラミレス監督のコメントを見ると、山口投手のポテンシャルに大いに期待しているようで、本来なら2桁勝利は当たり前の実力を持っているという風に見ています。
このラミレス新監督の期待に山口投手は応えられるか? というより、応えなければいけないでしょう。

他チームのNo.1投手との比較

開幕投手ということは、当然対戦する相手はエース級揃いになってくるでしょう。
果たして山口投手が他球団のエースを相手に投げ勝てるかどうか、データで比較してみました。

広島 ジョンソン 194.1回 14勝 7敗 防御率1.85 WHIP1.10 FIP2.60 K/BB2.24
巨人 菅野  179.0回 10勝11敗 防御率1.91 WHIP1.06 FIP2.80 K/BB3.07
阪神 藤浪  199.0回 14勝 7敗 防御率2.40 WHIP1.23 FIP2.51 K/BB2.70
中日 大野  207.1回 11勝10敗 防御率2.52 WHIP1.04 FIP2.72 K/BB3.28
ヤクルト 小川  168.0回 11勝 8敗 防御率3.11 WHIP1.19 FIP3.54 K/BB2.67
DeNA 山口  114.1回 3勝 6敗 防御率4.49 WHIP1.48 FIP3.32 K/BB2.83

データを比較してみると、防御率やWHIPは他のエース級と大きく差がついていますが、FIPやK/BBはほぼ拮抗してると言っても良い数値になっています。
FIPやK/BBは投手自身の実力を純粋に測れる指標とも言えますので、エースの素質を秘めている可能性はありますね。
とはいえ現時点では昨年の結果がどうしても浮かんでしまうため、開幕投手を任せるにはやはり不安です。
この不安を開幕までに払拭できるよう、2月からの春季キャンプではしっかり監督やファンにアピールできる投球を見せて欲しいです。

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